【サマーウォーズ】はつまらないしひどい映画?泣けるという声についても

映画

2009年に公開された細田守監督作品『サマーウォーズ』

小磯健二(こいそけんじ)は憧れの先輩・篠原夏希に「4日間だけ彼氏のフリをして!」とアルバイトを頼まれます。

大役を果たそうと頑張る健二の元に謎の数列が届き、夢中で解くと次の日世界は一変していた――。

世界の危機を救うために立ち上がる健二と夏希、親戚一同。

そんな熱くてやさしい物語ですが、公開後「つまらない」「ひどい」という声が多く聞かれています。

いったいどこがつまらないのか?
ひどいと言われるのはなぜ?

そのほか「泣ける」というSNSの評判もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【サマーウォーズ】ここがつまらない

テーマが中途半端・意味不明でつまらない

細田監督が他作品でも繰り返し描いている「親子や人との絆」が主軸となるテーマと考えられますが、例によって他にもさまざまなテーマが盛り込まれています。

「都会と田舎」「現実世界(リアル)と仮想世界(OZ)」「大家族とよそ者」「高校野球」「主人公・健二とヒロイン・夏希の恋愛模様」などなど。

各エピソードはにぎやかで話を盛り上げる反面、回収されないまま物語はクライマックスへ突入。

最後は勢いで「うぉー!」と力まかせに解決されてしまいますw

「派手でしょ?カタルシス感じられるでしょ?」と言わんばかりの演出ですが、そこに至るまでの過程が中途半端。

見せ場もテーマも分散しているため、「意味不明」「よく分からない」「つまらない」と言われてしまうようです。

とくにヒロイン・夏希の実家、陣内家は総勢46名の大家族(ワンコもいるよ)。

これらの血縁者が詳しい説明なく登場するため、非常に分かりにくいと言われています。

しかも作中は「現実世界(リアル)」とアバターが生きる「仮想世界(OZ)」の二重構造になっています。

主要登場人物だけでも30数名。

みんな自分の化身であるアバターを持っているため、30数名×2=70以上のキャラが別々にデザインされ、登場することになります。

画面はにぎやかですが、多すぎて分からん!となるのも納得ですね。

「家族の絆」を描くなら仮想世界でのバトルは入れずに「絆」に焦点を当て、仮想世界のあれこれを描くなら人数だけが多くて薄っぺらい「家族」は描かない方がテーマがまとまっていて良かったという人もいて、「中途半端なストーリー」が「つまらない」「面白くない」と言われているようです。

細田監督の社会観が分からない・つまらない

他作品でもよく挙げられているのが、監督・細田守さんのやや偏った社会観や女性観。

初期作品である今作から、そのきざしは見えていたようです。

とくに「都会と田舎」の対比はさまざまな作品でよく取り上げられるテーマ。

細田監督の「田舎礼賛」「田舎への憧れ」は実際に地方に住む人からも「違和感がある」と言われているようです。

細田監督は自身の体験を脚本に取り入れることで有名であり、『サマーウォーズ』もご自身の結婚と奥さんの実家での経験が構想の中に含まれているようです。

監督としては「大家族」が珍しく、クリエイティブ心を揺さぶられたのかもしれませんし、「家族の絆っていいな」「人と人とが助け合う田舎っていいな」と、ポジティブにとらえての制作だったのかもしれません。

しかし一方で「リアルな田舎」「親戚関係」ではなく、「理想の田舎」でしかないという声もあります。

「田舎に夢見すぎ」「田舎のシーンはテンポが悪い」とも言われており、監督の独特な社会観や家族観が「つまらない」「分からない」という人が多いようです。

バトルシーンがつまらない

今作のバトルシーンは、仮想世界「OZ」の中で繰り広げられるアバター同士の戦い。

「世界の危機」「世界を救う」と言っても、それはあくまでネットの中だけのこと。

現実では人間が画面に向かってキーボードを叩いているだけです。

それが「つまらない」と言われてしまうよう。

物語中盤、健二のアバターが乗っ取られ、OZのフィールド全体が「OZ マーシャルアーツチャンピオンシップ」(OMC)と呼ばれるバトルフィールドに書き換えられてしまいます。

偽ケンジとキング・カズマの激しいアクションシーンは迫力があり、見ごたえも十分なのですが…。

映像では派手に見えても、現実ではただキーボードを操作しているだけであり、激しい殴り合いをしても、本体(操作している人)が痛みを感じることはありません。

「世界を救う」のは、実際は地道なプログラミング作業です。

それが「物足りない」という人が多いよう。

またクライマックスのバトルは、昔懐かしい「花札」で勝負が決まります。

これもまた「つまらない」「意味不明」「分からない」と言われています。

花札のルールを知らない人には楽しめず、クライマックスなのに感情移入できないもどかしさがあります。

細田監督は、なぜOZのような仮想世界の勝負に「花札」というアナログなゲームを選んだのでしょうか?

監督は2009年のインタビューで

「花札を選んだ理由なんですが、花札って“家族でやるゲーム”というイメージがあると思うんですよ。おじいちゃんやおばあちゃんが孫にこっそり教えるとかね。花札って賭博のイメージもあるので、学校には持っていきづらいじゃないですか。するとね、遊ぶ場所が家族の中だけになっちゃうんだよね。
それで、お盆やお正月の時に親戚で集まって花札をやるという感じが僕の中であって。あとまぁ、もう1つあるのは、花札って言ったらやっぱりあれだよね。僕の大好きな任天堂の元にあるものだから(笑)」

と答えています。

つまり、「家族」の力を結集して戦うクライマックスにふさわしいゲームということで選んだようです。

「親戚で集まった時に花札をする」というイメージが幼い監督の心にあり、それが今作の最終決戦のシーンにつながったようです。

しかし世は令和。

花札のルールを知っていて、盛り上がってくれる子どもたちは果たしているのでしょうか?

最終バトルで選ばれる「こいこい」は花札の中でも初心者向けで、分かりやすい方ではあるのですが…。

マージャンと同じで、「役」が分からなければ勝っているのか負けているのかもわからず、面白くないですよね。

それが「つまらない」「意味不明」と言われてしまう理由のようです。

ちなみに私も花札はまったく分からず、クライマックスにはいまいちノリきれませんでしたw

ヒロインがつまらない

細田作品ではもうおなじみの「ヒロインが苦手」

『おおかみこども』『バケモノの子』でも言われていましたが、今作のヒロイン・夏希にも相当数のヘイトが集まっているようです。

今回はとくに「存在が薄い」「恋愛描写がいらない」と言われているようです。

など、ヒロインなのに存在が薄い(なのに恋愛描写が唐突)、共感できるシーンがない、感情移入できるような掘り下げがないなど、夏希の描写そのものに魅力がないと言われています。

実は、夏希は親戚の侘助おじさんに対してほのかな恋心を寄せており、しかしそれは映画の中ではほとんど語られていません(尺不足?)。

なのに最終的に健二と付き合う流れになり、ラストはハッピーエンドとなります。

夏希が健二に惹かれる心情がよく分からず、ふたりがくっつく過程が唐突なため、「つまらない」「面白くない」「恋愛は余計」と言われてしまうようです。

「ヒロインは実質カズマ」と言われるのも分かる気がしますねw

僕らのウォーゲームに比べるとつまらない

細田監督の初期作品『デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム』が最高!というファンには、『サマーウォーズ』は物足りなく感じてしまうようです。

展開がほとんど同じという声もあり、『僕らのウォーゲーム』の方が作品としてきれいにまとまっているという人も。

『僕らのウォーゲーム』は脚本を吉田玲子さんが担当しており、細田監督が手を入れていない分、「面白い」と言われているのかもしれません。

【サマーウォーズ】ここがひどい

ヒロイン(先輩)がひどい

もっとも多かったのが、「ヒロインがひどい!」というもの。

やっぱりねw

【ヒロインがつまらない】でもまとめたように、夏希が「嫌い」「ニガテ」という人がかなり多いようです。

彼女は健二に「バイト」と言うだけで実家に連れてきて、何の説明もなく「彼氏のフリをしろ!」と強権発動。

そのくせ自分は初恋の相手(侘助おじさん)に夢中という最悪のシチュエーションです。

このふらふらしているわりに存在の薄い夏希が、女性ファンには「ひどい」「やばい女」と言われています。

しかし見た目はとても可愛らしく、また初恋の人と気になる後輩の間で揺れる乙女心(?)が魅力的なのか、男性人気はとても高いようです。

内容がひどい

つぎによく見かけるのが「内容・脚本がひどい」と言う意見。

前述した「仮想空間」と「アナログな田舎描写」の食い合わせが悪く、どっちつかずの中途半端なストーリーが「ひどい」と言われています。

監督が描きたかったのは「家族の絆」「助け合い」といったことだと思われますが、それとデジタルな世界観があまり合っていないようです。

また暴走するAIとのバトルを主軸に置かず、高校野球の設定や現実世界での事件、家族の出来事などが全部盛りで抜けがなく、テーマがブレがちです。

細田監督によれば、今作は「普通の人間が世界を救う話を描きたかった」とのことですが、主人公の健二は一見平凡な高校生に見えて、数学の解析能力が並外れて高いという設定です。
(国際数学オリンピックの日本代表を惜しくも逃すほどの腕前)

この天才的な計算能力がクライマックスで生かされるのですが、…ぜんぜん普通じゃないですよね^^;

また夏希の実家・陣内家(じんのうちけ)の人々も「普通」ではありません。

室町時代から続く由緒ある武家の一族であり、かつて「武田家」につかえていたよしみで、現在でも親交のある「武田家臣団」の筆頭をつとめています。

とくに陣内家をまとめる16代目当主・栄おばあちゃんは元教師にして古武道のこころえもあり、老いをものともしない烈婦。

「家臣団」や栄おばあちゃんの教え子の中には、国土交通省関係者や警視総監、医療関係者など政財界の要人がおり、ラブマシーンの暴走時にも栄おばあちゃんの呼びかけで事態の収拾がついたほど。

陣内家の人々も「水産業の網元」「内科医」「自衛隊員」「公務員」「消防隊員」「救命救急士」「レスキュー隊員」「警察官」などなど、特別な職業に就いている、いわばエリートたち。

…ぜんぜん普通の人じゃない!

どちらかというと「勝ち組」の人々による世界の救済というストーリーになっています。

監督の考える「普通の人」とは…?

「設定を盛りすぎ」て、「ひどい」内容になっているのかもしれません。

内容的にいちばん「ひどいな!」と思ったのはこれですw

おばあちゃんを唐突に殺す意味、まったくないと思うのですが…。

声優がひどい

最近のアニメ映画では、タレントや俳優さんが声優としてキャスティングされることが少なくありません。

しかしそれが「ひどい」と言われているようです。

プロの声優さんではなく芸能人を起用するのは、「作品の宣伝になる」「俳優のファンが見てくれる」とメリットが多くあります。

反面、「演技力が…」「キャラに合っていない」と批判も多くなりがち。

アニメへのアテレコは演技力がある俳優さんでも難しく、「こんなに下手だっけ?」と思うこともありますよね。

配役に関しても、キャラクターに合っているというより「知名度」「人気」優先で決められているような気もします。

「プロの声優さんを使って欲しい」という意見は多いようですが、最近の作品の傾向を見るとなかなか難しいようですね。

田舎の親戚描写・女性の扱いがひどい

最近になってよく言われるようになったのが、「田舎の親戚描写がひどい」

夏希の実家・陣内家は女系家族でどちらかというと女性が強く、男性は入り婿だったりなど やや「マスオさん」的扱いだそうです。

しかし劇中の食事風景などでは女性たちばかりが立ち働き、男性陣は飲んだり食べたりでまったく手伝ったりしません。

これが最近の「男女平等」「男性も家事をするべき」な風潮に合わず、「ひどい」と言われてしまうようです。

映画制作にあたって、今いちばん問題になりやすいのは「コンプライアンス」。

今作の公開は2009年・12年前であり、当時は男性が家事を手伝わなかったり、セクハラ発言をしても、「あるある」としてそこまで気にされなかったと思われます。

しかし令和の現在、女性視聴者の目も厳しくなり、女性だけを働かせ、男性だけが楽しく飲み食いする…という描写は問題になりやすいようです。

「ある意味田舎あるあるでリアル」とフォローしている人もいますが、そういったリアリティは入れない方が良いのかもしれませんね。

【サマーウォーズ】泣けるという意見

もちろん「泣ける!」「面白かった!」という人も多い作品です。

細田作品の中では1.2を争う人気作でもある『サマーウォーズ』。

SNSの声をまとめてみました。

もっとも多いのは「栄おばあちゃんのセリフが泣けた」という声。

『いちばんいけないのはお腹がすいていることと、独りでいることだから』という名言が「泣ける」「グッとくる」という意見が多くみられました。

そのほか、「世界中からアカウントが集まってくるところ」「カズマが負けるところ」など、「何度見ても泣ける」人が多く、今でもファンから熱い支持を受けているようです。

見ている人、それぞれの泣けるシーンがありますね!

しかし、実は細田監督は、今作を「泣ける」映画としては作っていないそう。

そうなの?!

「『笑い』はともかく、『泣き』の演出は苦手なほう。とくに音楽で盛り上げたりするような演出がダメで、すぐにカメラを引いて遠巻きにする演出にしているはずです」
「おおもとは夏休みのスカッと楽しく気軽に見てもらえる映画を目指していました。でもいくらクールにかまえて作ろうとしても、エモーショナルなものが絡むと思いのほか強く伝えてしまうものなんだと改めて思いました」
「作品が泣けるように設計されているかどうかよりは、お客さんが自分で見たいものを映画の中で見つけてくれている。そんな感じがしました。人それぞれの記憶や体験もあいまって、感情がより増幅されているんでしょうね」
(細田守監督談話より)

私たち視聴者が映画を観る時は、その人個人の記憶や体験と同調して、「泣ける」のかもしれません。

泣けるシーンが人それぞれなのは、そのためかもしれませんね。

また「青春していて泣ける」「泣けるけどトラウマ的な悲しさではないから何度でも見られる」という声も。

他の作品と違い、爽やかなラストとなっている『サマーウォーズ』。

夏休みにぴったりの映画、ぜひ視聴してみてくださいね!

まとめ

2009年に公開された『サマーウォーズ』は、公開後「つまらない」「ひどい」という声が多い。

つまらないと言われる理由は、さまざまなテーマが盛り込まれていて「テーマが中途半端・意味不明でつまらない」、細田監督の社会観が分からない・つまらない、仮想空間でのバトルシーンがつまらない、ヒロインがつまらない、内容がほぼ同じの「僕らのウォーゲームに比べるとつまらない」というもの。

ひどいと言われる理由は、ヒロインがひどい、内容がひどい、声優がひどい、田舎の親戚描写・女性の扱いがひどいというもの。

泣ける、感動するという声も多く、「青春していて泣ける」「泣けるけどトラウマ的な悲しさではないから何度でも見られる」という感想が多い。

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