2004年秋に公開されたジブリ映画「ハウルの動く城」。
マスコット的な愛らしさで観客の心をつかんだのが犬のヒンです。
でも実は、ヒンにはある秘密が・・・。
ほかにも名前がある?
ヒンの犬種は?
パクリ疑惑も?
まとめてみました!
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【ハウルの動く城】犬の名前と鳴き声
実は複数の呼び名があります。
ヒン
#細かすぎて伝わらないジブリの好きなシーン
ハウルの動く城の、圧倒的にヒンの笑い方とワタワタしながらサリマン先生に報告してるシーンでサリマン先生とのやり取り好きだし浮気者って言われてるの本当にすき笑笑 pic.twitter.com/6osv2ZN0nb— ꙭ҉ ☁️ (@tvay3k) February 28, 2024
このワンちゃんの鳴き声は「ヒン!」というちょっと変わったもの。
老犬のためか、咳き込むような声で鳴きます。
ソフィーはこの鳴き声から「ヒン」と呼んでいます。
彼女は王宮に呼び出された時にヒンに出会い、はじめはサリマンの手先として警戒していました。
しかし自分を慕い、荒地の魔女やマルクルたちと仲良く過ごす様子を見て、次第に心を通わせていきます。
ハウルの過去に触れ、現実に戻るシーンでは、泣くソフィーを必死に励まし、暗闇の中道案内をするヒン。
ラストでサリマンに「なんです、今頃連絡してきて。あなた何をやってたの」とお小言をもらっているところから、サリマンのスパイだったのは確定ですが、任務はずっと放棄していたようですw
ヒンも監視役ながら、ソフィーたちハウルファミリーに友情を感じていたのかもしれませんね。
ベンジャミン
サリマンが付けた名前。
マダムサリマンに呼び出され、ハウルの代わりに王宮に行くことになったソフィー。
キングスベリーの街を歩いている途中で、謎の老犬に出会います。
老犬は何故かずっとついてくるので、ソフィーはてっきりハウルが犬に化けていると勘違い。
「よりによって年寄り犬に化けるなんて・・・」とため息をつきます。
濡れ衣で老婆になる呪いをかけられているので、同行するのにわざわざ老犬になるなんて、と嫌味を言いたくなる気持ちも分かりますね。
その後王宮手前の階段で、登れなくてぐるぐるするベンジャミン。
ソフィーは老体にむちうって、ベンジャミンをよっこらせと持ち上げてあげます。
「重い・・・。なんで・・・こんなに・・・重いの・・・」
そのまま犬をかかえ、長い階段を必死に上るソフィー。
王宮に到着したあと、ベンジャミンがソフィーを別の部屋へ案内します。
これはサリマンが犬を使ってソフィーを試していたとも考えられます。
荒地の魔女はその場で力を奪い取られ、ソフィーは無事だったからです。
ジャスティン
ジブリのコンテ集では、犬のシーンのところどころに「ジャスティン」と描かれています。
「ジャスティン」は、原作でサリマンが仕えている王の弟の名前であり、映画には登場しません。
そして実は、ヒンも原作では登場しない、アニメオリジナルキャラクターです。
なぜ犬が「ジャスティン」と描かれているのか推測すると、原作の設定がうっすら生きているからでは?と考えられます。
原作では、「パーシヴァル」と呼ばれる犬人間が登場します。
パーシヴァルは、さまざまな種類の犬になってしまう呪いをかけられています。
しかしジブリ映画では、サリマンは女性になりジャスティンは登場せず、バラバラにもされませんでした(良かった!)。
ヒンがところどころ「ジャスティン」と描かれているのは、原作へのオマージュで王弟が呪いによって犬に姿を変えられているという裏設定にも読めますし、ラスト、サリマンから「この浮気者」と言われているのでサリマンととても親しい間柄の誰か、と考えることもできます。
(原作ではサリマンとジャスティンは仲良しです)
どちらにしてもヒンは愛嬌のある風貌としぐさでとても可愛らしいですし、意外と重要キャラクターでもあります。
オリジナルキャラクターでもしっかり作品に溶け込んでいますね。
【ハウルの動く城】犬の犬種
公式からの発表はありませんが、ジブリファンの間では「バセットハウンド」「プチバセットグリフォンバンデーン」という犬種が近いと言われています。
バセット・ハウンド
ご機嫌。ちょい暑いっす。 #バセットハウンド pic.twitter.com/3ADveNfBK3
— ぐりこ0509 (@aGzqN2AAgqzTQkk) March 28, 2018
英語名:BassetHound
原産国:イギリス
サイズ:中型犬
体高:33~38cm
体重:18~27kg
特徴:大きな頭と胴長短足、長く垂れた耳。
ファッションメーカー(ハッシュパピー)のモデル犬になったりするなど、ユニークな風貌とのんびりした性格から人気のある犬種。
胴長短足、長い耳のちょっとコミカルな見た目で、猟犬のわりにはおだやかでマイペースな気質を持ち、温和で賢く、飼い主に忠実、運動量もそれほど多くはないので家庭向きの犬といわれています。
嗅覚がするどく、気になるニオイがあると追いかけてしまうのが玉にキズ。
探求心も旺盛です。
やや頑固な面もありますが、基本的には物静かで飼いやすいそうです。
プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
うちのヒンです。#ハウルの動く城#ヒン#プチバセ#プチバセットグリフォンバンデーン pic.twitter.com/gylR6vJFkF
— はーこ (@haako_pu) August 10, 2018
英語名:Petit Basset Griffon Vendeen
原産国:フランス
サイズ:中型犬
体高:33~39cm
体重:14~18kg
特徴:長い胴体とそれを支える太い脚。
16世紀ごろ、フランスのバンデーン地方でウサギ狩りなどに活躍していた由緒のある古い犬種。
胴長で短めの脚、大きな垂れ耳、硬めの被毛が特徴で、陽気で天真爛漫。
いつも元気で家族への愛情も深い、優しい性格です。
一方で叱られてもへこたれない、がんこな一面もあるためトレーニングは根気よく行うことが大切なようです。
またもともと猟犬だったため、毎日たっぷり運動をさせてあげることも大事。
運動神経がとても良く、外で遊ぶことが大好きなので、愛犬とアウトドアライフを楽しみたい人にぴったりの犬種だそうです。
ヒンのモデルはあの有名人
ヒンの顔は可愛い中にもどこかふてぶてしい印象があり、王付きの魔法使いサリマンの使い魔というポジションにぴったりです。
実はヒンの顔のモデルは、押井守監督だと言われています。
押井監督は宮崎駿監督と古くから親交があり、アニメ監督として良きライバルでもあります。
制作初期に描き起こされたイメージボードでは、ヒンはもっと人間らしく、高貴な雰囲気のただよう犬として描かれていました。
しかし実際の映画では、より犬っぽさを追求した顔になっています。
ここで宮崎監督が押井監督の顔に寄せたデザインにしたと言われているのです。
なぜ人間の顔をモデルにしたかは不明ですが、押井監督はかなりの愛犬家として知られています。
「攻殻機動隊」の続編、「イノセンス」でもバトーがバセットハウンドを飼っていますよね。
宮崎監督は押井監督との交流の中で、彼の愛犬家っぷりをよく目にしていたのかもしれません。
そしてヒンをデザインするにあたり、それを思い出しているうちに自然と顔が似てきてしまったのかも??と考えるとヒンの愛嬌たっぷりのしぐさや人間っぽい表情にも納得ですね。
ヒンのアニメキャラのパクリ疑惑
今日は犬の日!
「ベルヴィル・ランデブー」 pic.twitter.com/oeLfuXKwRO— いぬ (@PerroChien) June 4, 2017
アニメオリジナルキャラクターでありながら、可愛らしい見た目とユーモアのあるしぐさで人気のヒン。
ところが実は、他のアニメ作品に登場する犬とそっくりと言われています。
それは2002年にフランス・カナダ・ベルギーの共同作品でシルヴァン・ショメ監督によって公開されたアニメ映画『ベルヴィル・ランデブー』の中の犬、ブルーノ(ブリュノ)。
ブルーノとヒンは雰囲気がそっくりで、ブルーノをもっと胴長・毛むくじゃらにすると、ヒンとほとんど同じになります。
この『ベルヴィル・ランデブー』はフランスで100万人を動員するほどの大ヒット作品で、世界各国の映画賞を総なめにしたほどの実力派。
ブルーノはカンヌ国際映画賞の「パルム・ドッグ(特別賞)」を受賞しています。
そしてなんと、このアニメ作品は2007年にジブリ美術館ライブラリーからDVDで発売されているのです。
パクリとまではいかなくても、宮崎監督がこの作品に影響を受けていると考えるのは自然に思えます。
またヒンだけでなく、主人公がおばあちゃんであるところ、おばあちゃんが(孫を)助けるために奔走するところなどもそっくり。
街並みなどの背景や動く城のパンフレットの絵柄など、よく似ている部分が他にもあるようです。
でもいろいろな作品に影響を受けてアニメを制作することは、宮崎作品では珍しくないそう。
となりのトトロに出て来るネコバスも、ディズニー映画『不思議の国のアリス』のチェシャ猫に似ていると言われています。
また『ベルヴィル・ランデブー』自体も他作品へのオマージュがたくさん盛り込まれており、見るたびにいろいろな発見があって楽しめるそうです。
フランスらしいブラックユーモアもあり、そんなところも含めて愛されているのかもしれませんね。
ヒンはブルーノのパクリではなく、偉大なフランス映画へのオマージュとして宮崎監督が取り入れたと考えれば、ますますヒンが好きになりそうですね。
「ハウルの動く城」を無料で見るには
ジブリ作品って、プライムビデオやネットフリックスなどの動画配信サービスでは配信されていないんですよね。
見られるのはDVDレンタルなど限られているんですね。
ジブリ作品を楽しむには、TSUTAYA DISCASを利用すると便利です。
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(引用:TSUTAYA DISCAS)
まとめ
ハウルの動く城に出て来る犬の名前は複数ある。
ソフィーは、その鳴き声から「ヒン」と呼んでいる。
飼い主のサリマンが付けた名前は「ベンジャミン」。
ジブリのコンテ集には「ジャスティン」と書いてある。
犬種は明らかにされていないが、ジブリファンの間では「バセットハウンド」「プチバセットグリフォンバンデーン」が近いとされている。
ヒンの顔のモデルは、押井守監督だと言われている。
ヒンは『ベルヴィル・ランデブー』の中の犬、ブルーノ(ブリュノ)にそっくりだとも言われている。
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