夏にぴったりなジブリ映画といえば「となりのトトロ」。
トトロとの不思議な出会いも楽しいですが、家族愛もしっかり描かれているのがこの作品の良いところ。
でもサツキとメイが慕う優しいお母さんは、現在入院しています。
お母さんは何の病気なの?
退院できた?
お母さんのその後を知りたくて調べてみました!
「となりのトトロ」のお母さんの病気は何?
クラリスもお母さんに。#となりのトトロ#島本須美 pic.twitter.com/eumGULqQMq
— ゆう☆スプリント (@yu62339) March 27, 2020
主人公サツキとメイのお母さん、草壁靖子(くさかべやすこ)。
年齢は明記されていませんが、お父さんの草壁タツオが32歳なので、30歳前後と思われます。
とても優しく穏やかな性格ですが、体が弱く「七国山病院」に入院中。
サツキやメイがお見舞いに行くシーンでは、親子の愛情が感じられてほのぼのしますよね。
ところが、お母さんの病名は作中では明らかにされていません。
でもさまざまな考察から、ファンの間では「肺結核」説が有力のようです。
「肺結核」説が有力な理由:演出の覚書
お母さんの名前は『草壁靖子』
32歳。サツキのことを20歳で産んだ設定! pic.twitter.com/robtclFOrH
— トトロ♡fan (@Totoro__fan) August 4, 2020
宮崎駿監督の書籍『出発点』の中「となりのトトロ演出覚書」で、お母さんは「肺を病んで入院中」と書かれています。
劇中の昭和28年に「肺の病」といえば、「肺結核」が一般的。
現代のようによく効く薬も少なく、サツキやメイが心配しているのも分かります。
「肺結核」説が有力な理由:入院している病院のモデル
お母さんが入院している「七国山病院」には、実在のモデルがあります。
東京都東村山市にある「国立八国山緑地」、病院はその一角にある「新山手病院」がモデルと言われています。
この場所はかつて結核の隔離病棟(サナトリウム)がある地域として有名だったところです。
新山手病院のHPには、
「当院は八国山緑地が背に広がる場所に位置しています。アニメ映画「となりのトトロ」に登場する病院のモデルにもなった緑豊かな落ち着きある環境下で、長年に渡り地域医療を支えてきました」
という記述もあります。
作中の病院は昭和28年設定ということもあって木造のレトロな雰囲気ですが、現代の病院はキレイなつくりです。
緑が豊かで静かな環境は、療養にぴったりだったようですね。
「肺結核」説が有力な理由:宮崎監督のお母さん
宮崎駿監督のお母さんも結核にかかっていたようです。
結核菌が脊髄まで入っていたため、幼い宮崎さんをおんぶすることができず、宮崎さんは寂しい思いをしていたそう。
宮崎さんの母親の思い出は、ベッドに横たわる病弱な女性。
そのイメージが、サツキとメイのお母さんにも投影されているのかもしれません。
「トトロ」のお母さんは優しく大人しい雰囲気ですが、宮崎さんのお母さんは本来は気が強く、言いたいことははっきり言う性格で、明るく活発だったそう。
病床にあっても芯の強いところを、「トトロ」のお母さんは受け継いでいるのかもしれませんね。
「肺結核」は「不治の病」?
作中で、一時退院予定だった日に風邪をこじらせ、家に帰る日が延期になってしまったお母さん。
劇中の昭和28年当時、肺結核はとても怖い病気でした。
大正時代から昭和20年代にかけて「国民病」「亡国病」と呼ばれ、「不治の病」と恐れられていた結核。
年間死亡者数は10数万人以上と、長い間死亡原因の第一位でした。
「となりのトトロ」のお母さんも、この病で長期療養をしていたと思われます。
結核は「結核菌」という細菌を吸い込むことで空気感染し、自身の免疫力が落ちて抵抗力が弱くなった時に発症します。
そのため、感染しても必ずしも症状が出るわけではありません。
感染して発症する人は10人中2~3人程度で、多くの場合は免疫力により抑えられ、休眠状態になります。
サツキたちのお母さんは、大部屋入院であることや、子どもたちとの面会も許されていることから、「結核菌を感染させる(排菌)時期」ではないと思われます。
おそらくもう治りかけで、退院まであと少しというところだったのでしょう。
戦後、BCG接種の普及や医療・生活水準の向上で激減し、現在では薬を飲むことで完治できるようになりました。
それでも完全になくなったわけではなく、今でも年間17,000人ほどが発症し、そのうち2,300人近くが亡くなっています。
サツキとメイのお母さんも、しっかり治して元気になって欲しいですね。
お母さんはその後退院できた?
番組の後半には、「みんなが選んだ「トトロお気に入りシーン」を発表しますどうぞ、最後までご覧くださいねー#金曜ロードSHOW#みんなが選んだトトロお気に入りシーン#となりのトトロ #スタジオジブリ pic.twitter.com/vz3iGveIlc
— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) August 7, 2020
物語のクライマックス、迷子になったメイを探して猫バスに乗り、ふたりでお母さんの病院まで来たサツキ。
退院は延期になってしまいましたが、元気な様子のお母さんを見て姉妹も安心し、会わずに家に帰ります。
そしてエンドロールへ・・・。
エンディングのアニメーションで、お母さんが無事退院する姿が映ります。
赤いタクシーから降りるお母さんに駆け寄るサツキとメイ。
お父さんもふたりも、本当に嬉しそうです。
その後も、お母さんと一緒にお風呂に入るシーンや、メイが赤ちゃんと手をつないだりお世話をするシーンが流れます。
お母さんは入院中、
「あの子たち、見かけよりずっとムリしてきたと思うの。サツキなんか聞き分けがいいから、なおのことかわいそう。退院したら、今度はあの子たちに、うんとわがままをさせてあげるつもりよ」
と話していました。
そんな優しいお母さんに、思い切り甘える様子が映るエンディング。
トトロを見終わった後が爽やかなのは、こんな親子の愛情が描かれているからかもしれませんね。
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(引用:TSUTAYA DISCAS)
まとめ
サツキとメイのお母さんは体が弱く、「七国山病院」に入院中。
病名は作中では明らかにされていないが、肺結核であることが有力な説。
理由は、お母さんが入院していた「七国山病院」にはモデルが有り、かつて結核の隔離病棟(サナトリウム)がある地域として有名だったことと、演出の覚書にかいてあることから。
かつて肺結核は不治の病とされていたが、多くの場合は免疫力により抑えられ、休眠状態になる。
エンディングでは無事に退院する姿が描かれている。
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