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【猫の恩返し】バロンの名言セリフがかっこいい!ハルの言葉の変更についても

映画

2002年に公開された森田宏幸監督による『猫の恩返し』

『耳をすませば』の本好きな主人公・月島雫が書いた物語という位置づけのスピンオフです。

登場する猫の人形・バロンは紳士で無敵のスーパーヒーロー。

まさに少女漫画の王子さま的存在で、多くの女性ファンをとりこにしています。

どんなところが「かっこいい」と言われるのか、人気のあるセリフやネットの評判もまとめました。
作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【猫の恩返し】バロンとは

本名:フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵。

人間界ではドールハウスに飾られた身長30cmほどの猫の人形の姿を借りていますが、その実体は不思議な事件を解決する「猫の事務所」(原作では「地球屋」)の所長。

徹底的に粋なダンディズムと、キザなまでのレディファースト意識を持ち、上品なアンティーク趣味でまとめられたライフスタイルを送っています。

タキシードを着こなしステッキを持つ姿はイギリス紳士を思わせますが、名前はドイツ貴族に近いようです。

絶体絶命のピンチにおちいるハルを、ある時は聡明な頭脳で、ある時は卓越した剣の腕前で救い出し、身体能力も超一流。

バロンが客にふるまう「スペシャルブレンド」の紅茶は「その都度味が変わるので保証はできない」とのこと。

完全無欠のスーパーヒーローとして描かれているバロンは、ともすれば「キザが鼻につく」「嫌味」なキャラクターにもなりかねませんが、絶妙なバランスでその存在を際立たせています。

「猫の事務所」に飾られたメス猫の肖像画は、バロンの恋人・ルイーゼのもの。

『耳をすませば』では、かつてバロンの許嫁として彼と対で作られた人形として登場しました。

しかし修理のためバロンの元を離れ、以降行方不明となっています。
(『耳をすませば』月島雫の書いた物語の中では、謎の猫に誘拐されたことになっています)

バロンは今でも恋人・ルイーゼの消息を探し続けているのです。

バロンは見た目だけでなく、立ち振る舞いやハルに対する紳士な態度、ピンチには必ず助けに来たり、素晴らしい剣の腕でヒロインを守ってくれるなどの点が「かっこいい!」「好き!」と言われているようです。

森田監督は、
「バロンはハルにとってかっこいい紳士で、今までにない経験をさせてくれる存在」
「でもバロンにとってハルは恋愛対象ではないし、猫の国での騒動もそれほどの大事件ではないように描いている」
「バロンは今までにいろいろな経験をしてきて、今回もその中のひとつでしかないかもしれない。ハルにとっては一生に一度のことだけど」
「だからハルとバロンは対等ではなくて、バロンはハルを導く存在、大人なんです」

と語っています。

バロンがあんなにかっこよくても、ハルと恋人同士にならないのは明確な理由があるんですね。

バロンはハルに優しいけれど、あくまで紳士・大人としての態度を守り続け、ハルと同じ目線に立って打ち解けるということはしませんでした。

そのせいか、バロンのヒーロー性は作品の中でも際立って高くなっています。

しかしその理由は、森田監督が「第一印象でバロンのかっこよさが分からなかったから」。

「カッコよく見せようとして、力が入ってしまったのかもしれません(笑)」
(『猫の恩返し ロマンアルバム』より)

なんと森田監督は、原作のバロンをカッコよく感じていなかったようです。

そのイメージを変えるため、カッコよさを盛り盛りにした結果、スーパーヒーロー・バロンが生まれた…ということのよう。

視聴者にとってはありがたいですが、「カッコよくないバロン」の可能性もあった…と考えると、ちょっと見てみたい気もしますね。

【猫の恩返し】バロンの名言セリフがかっこいい

名セリフのファンも多いバロン。

どんなセリフがかっこいいと評判なのでしょうか?

時系列順に並べてみました。

私のスペシャルブレンドだ。その都度、味が変わるので、保証はできないがね

ムタの案内で十字街を抜けて「猫の事務所」にたどりついたハル。

バロンは、彼女を精巧なドールハウスのような事務所に招き入れると、オリジナルブレンドの紅茶をふるまってくれます。

「紅茶はレモン?ミルク?」と尋ね、「ミルクで」と答えたハルにぴったりのタイミングでカップを手渡す完璧な動作。

ドールサイズのカップを受け取り、味わうと「おいしい!これ、ホントにおいしい!」と感激するハル。

「キミはついてる」と微笑むバロン。

キザなのにキザじゃない!

ダメだハル。自分を見失うんじゃない。君は君の時間を生きるんだ

猫王の城にとらわれたハルを、変装して助けに来た時のセリフ。

バロンと分からないまま一緒にワルツを踊るハルは、踊るうちに今までにない気持ちになってしまいます。

「…このまま猫になってもいいかもぉ」

夢見心地のハルですが、ヒゲがピューッと生えてきてしまい…。

バロンは厳しく諭します。

「自分らしく生きること」の大切さを表す重要なセリフですね。

私は、フンベルト・フォン・ジッキンゲン!ハルを迎えに来た!

城にとらわれたハルを助けに来たバロン。

しかし帽子とマント、仮面で変装していたため、ハルはバロンのことが分かりません。

ワルツをいっしょに踊り、諭されてバロンと気がつくハル。

しかし猫王はふたりの会話を聞き逃しませんでした。

「貴様、いったい何者じゃ」と問い詰めます。

そこで「決して怪しいものなどでは…」と仮面を取り、高らかに宣言する時のセリフです。

かっこいい!!

まさに少女漫画のヒーローですね。

おまえ、そんなことやってたのか!

急きょ帰還したルーン王子とユキちゃんの結婚が決まり、猫王はハルを自分の妃にすると言い出しますが、もちろんハルは拒否。

脱出するためにムタが「一肌脱ごう」と言い出します。

ムタの正体はなんと大泥棒、ルナルド・ムーン。

かつて湖の魚をすべて食いつくして逃亡したと言われている伝説の犯罪者でした。

バロンはムタの正体は知っていたようですが、「魚を食いつくしたことがある」とは聞いていなかったよう。

あきれ顔でのセリフです。

紳士なバロンにとっては、考えもつかないいたずらのような犯罪だったのかもしれませんね。

俺を信じろ――!!

猫の城の塔から脱出したハル。しかし、塔の屋上ははるか空の上につながっていました。

人間界に戻ったことで、体の大きさも急速に元のサイズに戻っていきます。

空の上の出口から、助けに来たムタとともにくるくる回りながら落ちていくハルをバロンが急降下しながら追いかけてきます。

「ぜったい死んじゃう~」

今度こそ絶体絶命のピンチ!

しかしバロンは、「まだ、死んでない!目を開けてみろ!」と励まします。

落ち続けながら「胸をはって、下を見るんだ―!」「胸なんてないのにィ~!」というコメディもはさんだあと、「俺を信じろ――!」バロンの作品イチの萌えセリフが!

その言葉にハルがムタとバロンの手を握ると、スカイダイビング状態になって落下速度が安定します。

そして朝日が顔をだし、3人の顔を照らし出すと、眼下には光を受けて輝く街並み。

当たり前に見ていた世界が、まるで違ったように感じられます。

「ひょっとして私たち、かっこいいかも―」

ハルのセリフは、心からのものだったようです。

その時までしばしの別れ!

物語ラスト、猫の国から人間界の学校へ無事たどり着いたハルたち。

「バロン!私、あなたのことが好きになっちゃったかも」と告白するハル。

バロンは少し微笑み「フム……ハルのその素直なところが、私も好きだよ」とハルの頬に触れます。

そして…

「もし、ハルが本当に私たちを必要としたなら、きっとまた猫の事務所の扉は開くだろう…..その時まで、しばしの別れ!」

ハルの気持ちを受け止めつつも、完全に大人の対応をするバロン。

にくいですね。

どこまでも紳士なバロンは、「また会える」と希望を残して去っていきます。

ハルちゃん的には失恋ということになりますが、その表情はさっぱりとしていてとてもいい笑顔です。

【猫の恩返し】ハルの言葉の変更について

ハルに優しく、紳士のバロン。

ピンチを助けられていくうちに、ハルの感情も変化していきます。

ラストのスカイダイビングのシーンでは、ついに自分の気持ちを解放し「バロン、好きよ!」と言わせるはずだったとか。

空から落下するという絶対絶命のピンチに、バロンが助けに来て手を差し伸べる。

宮崎駿監督のアドバイスでは、「ハルに気の利いたセリフを言わせろ」ということでした。

しかし、宮崎監督提案の「バロン、好きよ!」に、スタッフは引いてしまったよう。

これでは「宮崎アニメ」になってしまう、共感できないとして頭をひねって考えたそうです。

「ふと、こういう子はほんとは自分がかっこいいと思いたいのではないかという気がして来て」
「人間ってどこか『私って、何かちょっとかっこいい』と思える瞬間がないと生きていけないんじゃないかなと」

(『猫の恩返し ロマンアルバム』より)

ハルは絶体絶命の瞬間、自分の心の中でいちばんひっかかっていた何かを解放する…。

「バロン、好きよ!」よりも、「ひょっとして私たち、かっこいいかも!」の方がよりハルらしく、素直さが出ていますね。

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(引用:TSUTAYA DISCAS

まとめ

映画「猫の恩返し」に登場するバロンとは、不思議な事件を解決する「猫の事務所」(原作では「地球屋」)の所長。

本名:フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵。

少女漫画の王子さま的存在で、多くの女性ファンをとりこにしている。

バロンに惹かれていく主人公ハルは、最後のスカイダイビングのシーンでは、自分の気持ちを解放し「バロン、好きよ!」と言わせるはずだった。

が、「宮崎アニメ」になってしまう、共感できないとして「私達、かっこいいかも」に変更された。

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