2016年公開直後から賛否両論を巻き起こしているアニメ映画「聲の形」。
ヒット作でありながら問題になっているのは、ヒロイン西宮硝子が「美少女だから話が成り立っている!」というものです。
いじめ表現の賛否や「キャラデザが苦手」「話が重い」と話題は広がって、ネットでもさまざまな意見が飛び交っています。
「聲の形」は、本当にヒロインが可愛かったから始まった話なのか?
いろいろな声を集めてみました!
聲の形は美少女だから成り立つという説
金曜ロードショーで聲の形あるらしいから頑張れる。 pic.twitter.com/d8iTKERUhN
— 如月☽ ⋆゜ (@kisaragi2819) July 14, 2020
「聲の形」を制作したのはあの「京都アニメーション」。
「けいおん!」や「響け!ユーフォニウム」など美少女を描かせたら日本一のスタジオの作品とあって、登場人物はみんな美男美女ぞろいとなっています。
中でもヒロインの西宮硝子はとくに可愛らしいキャラデザインで、ミディアムロングのゆるく波打った髪や甘めの髪色、黒目がちの瞳は、美少女!と呼んでもおかしくないですよね。
でもこの可愛らしさが、一部では反感を買っているようです。
聲の形の話じゃないけど、いじめられるキャラクターを美少女とかの魅力高いキャラに描いてる時点で現実のいじめの問題なんか何も反映してないよなとは思う。「貧困で公的な援助を受けるべき人間は慎ましく道徳的な人間でなければならない」みたいな話と同根だよな
— HMA-04 (@HMA04) October 5, 2016
聲の形は障害者役が美少女だから商業的に成立しているわけで
マイノリティ要素を愛玩用キャラのいち属性として利用することは
あらゆる作品で日常的にやっていることだしわたしも楽しんでいるから
いまさら文句は言えない
とはいえやはり見世物にされる当事者という立場になると見る勇気は出ない— 伊藤黒介 (@itokurosuke) September 18, 2016
つまり、「ヒロインが美少女だったから主人公(男)は会いに行った」「昔いじめた女の子にわざわざ会いに行くのは、硝子が可愛かったから」というもの。
主人公とヒロインの関係は「いじめ」から始まったというのが、ちょっと特殊ですね。
主人公はその後自分がいじめられる側になり、その後悔と自責の念から転校したヒロインに会いに行く、という流れですが、観客としては「硝子が可愛いからだろ!」とつっこみたくなります。
確かに、いじめを後悔しているなら放っておいてあげれば・・・と思いますが、それはそれ。
話が始まらないんだと思います。
ヒロイン西宮硝子はそんなに美少女じゃない?
聲の形 西宮硝子 摸写
石田に告白するシーンだったかな?
1枚目ちょっと丸顔笑
両方2時間程で描いたはず。#聲の形 #西宮硝子 #摸写 #京アニ #ポニーテール #告白シーン #アニメ塗り #デジタル #絵描きさんと繋がりたい #糸会 #私の絵が好きそうなフォロワーさんにRTして届けておくれ絵 pic.twitter.com/ksa390rg2q— yuuri@イラスト制作、アニメーション制作、CG制作垢 2018/11/3始動 (@yuuri46224464) November 17, 2018
対して原作ファンからは、「ヒロインはそこまで美少女じゃない」という意見もあります。
・硝子に美人設定は無い。作中では人並みの顔。
・京アニ作画で美少女に見えるだけ
確かに原作漫画では、そこまで「美少女!」という顔立ちではありません。
スタイルも普通です。
漫画のキャラとして普通~中の上程度で、道行く人が振り返るとか、同級生の憧れであるとか、そういった描写はありません。
また、ほかに明確に「美人」という設定のクラスメイトがいて、その女の子(植野直花)は作中でも「美人だったからモテてた」と言われています。
原作では黒髪ロング、スレンダーな植野の方が美少女に描かれているようです。
(ただし性格がとてもキツく口も悪いため、まったく美人に見えません・・・)
原作のヒロインを見ると、アニメではかなりブラッシュアップされているのが分かります。
漫画のちょっと野暮ったいペンタッチがきれいになり、目はキラキラ、髪はふわふわになっています。
これが「京アニ」の力・・・!
アニメが初見の人は、どうしてもヒロインは美少女と思ってしまいますよね。
原作のヒロインは普通~ちょい可愛い容姿、アニメではヒロインにふさわしい美少女になっているようです。
ヒロインの容姿について:美少女になった理由
まず大きいのは、制作の「京都アニメーション」が美少女描写を得意とするスタジオだということ。
アニメ映画にふさわしいヒロインとして、硝子のデザインがかなりブラッシュアップされたのではないでしょうか。
また、ヒロインが「聴覚障碍者」ということに目が向けられがちですが、今作のメインテーマは「障碍」ではないという意見もあります。
なにかと炎上してた『聲の形』。観てきましたけど、私はいい映画なんじゃないかと思いました。たぶん何度も指摘されてるのでしょうけども、障碍がテーマの話ではなくて〈謝ること/赦すこと〉のアポリアをめぐる話なんですね。その方向での普遍的なものに昇華されているのではないでしょうか。
— 荒木優太(本が出るよ) (@arishima_takeo) October 14, 2016
おおまかに言ってしまえば、「聲の形」は「障碍者のドキュメンタリー」ではなく「ラブコメ」。
「君の名は」や「ラピュタ」のような、ボーイミーツガールものだとすれば、ヒロインは美少女である方が説得力がありますよね。
ただ、「美少女」という設定にしたことで、主人公の行動の理由が「いじめたことを謝りたい」ではなく、「ヒロインの可愛さにつられた」と思われてしまうのも、仕方ないのかもしれません。
主人公も女の子にして、美少女同士なら問題なかったかも??
ヒロインが美少女だから好きになったわけじゃない?
西宮硝子を演じたのは #早見沙織 さん。
「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶ役や、山田監督がシリーズ演出を務めた「響け!ユーフォニアム」の小笠原晴香役、「氷菓」の十文字かほ役も演じています。
本作のアフレコ前には手話モデルの方と交流会を催して臨んだそうです。
#聲の形 #京アニ #金曜ロード pic.twitter.com/W8I1xYthfC— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 31, 2020
「ヒロインが美少女だから主人公は追いかけた」と一部で反感を買っていますが「硝子が普通のルックスでも主人公は会いに行っていた」とする意見もあります。
主人公がいじめる側からいじめられる側へ転落した時に、唯一硝子だけが主人公への態度を変えませんでした。
それどころか、主人公の落書きされた机を拭いてくれるなどの優しさも見せていたのです。
自分をいじめていた相手に、そこまでできるなんてすごいですよね(天使か)。
主人公は硝子の見た目ではなく、そんな心の優しさに惹かれ、会いに行ったのではないでしょうか?
そして硝子も主人公との再会を喜びます。
それから主人公とは紆余曲折を経て、「好き」と告白するまでになるのです。
出会いは最悪なものでしたが、その分強い絆が生まれたのかもしれませんね。
まとめ
アニメ映画「聲の形」は、ヒロインの聴覚障害を持っている西宮硝子が「美少女だから話が成り立っている!」と問題になっている。
原作の西宮硝子は特に際立った美少女という描写はない。
アニメの西宮硝子のキャラデザはとくに可愛らしいものになっている。
原作では美少女設定ではなかったヒロインが美少女になったのは、制作の「京都アニメーション」が美少女描写を得意とするスタジオだったから。
コメント