『風の谷のナウシカ』は、1984年に公開されたジブリの代表的な作品です。
「腐海」と呼ばれる猛毒の瘴気を出す森と、そこに生息する巨大な「蟲」たち、わずかに生き残った人間というロストテクノロジーの世界が舞台で、公開当時から多くのファンを生み、宮崎駿の名が知られるきっかけにもなりました。
ナウシカがラステルの服を閉じた理由は?
そのほかラステルの死因についてもまとめました。
(※作品の重大なネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【風の谷のナウシカ】ラステルの服を閉じた理由は?
ラステルはペジテ市の王女で、後にナウシカと行動を共にするアスベルの双子の妹です。
ペジテはトルメキア軍(クシャナの国)に攻撃され、ラステルは捕虜となってトルメキアの大型船に乗っていました。
しかし途中で蟲の大群に襲われ、風の谷に墜落します。
ナウシカは船の残骸の中でラステルを発見し、呼吸を助けようと胸元の服を広げるのですが…。
「ナウシカがラステルの服を脱がして呼吸を楽にさせようとしてたけど、また閉じた理由はいまだにわからない」「なんでナウシカはそっと服を閉じたの?」と疑問に思っている人も多いようです。
ナウシカがなぜラステルの服を閉じたのか、理由を紹介します。
理由①:ラステルの肺が腐っていたから
ナウシカがアスベルの妹の胸元を広げてウッとなってそっと服を閉じた理由が幼少期よりの長年の謎だったんだけど、マスク未装着故に肺が腐ってたからとの見方に出会えて長年の謎がやっと溶けましたTwitterって素晴らしいね!
— 庭代 (@niwashironono) May 11, 2012
蟲の大群に襲われた船には腐海の胞子がたくさんついていて、風の谷に落ちた後発芽して新たな菌の苗床になっています。
そこから発生した瘴気が、マスクをつけていないラステルの肺を侵していたという考察のようです。
作中で「マスクをしないと5分で肺が腐る死の森なのに…」というセリフがあるとおり、腐海の瘴気は人間にとって猛毒です。
墜落した時にマスクをしていなかったラステルは瘴気を吸い込んでいたと考えられます。
吸い込んだ毒がすでに体をむしばんでいて、肌が変色していたのかもしれません。
それが瘴気によるものだとナウシカは知っていたので、もう手遅れだと感じそっと胸元を戻したのかもしれないですね。
理由②:胸が押し潰されていたから
甥っ子とナウシカなうなんだけど、ラステルさんの服を直すナウシカのシーンが気になって調べたら、「胸が潰れていてもう助からないと悟った」ってのが有力らしいね!!ずっと拷問された痕を見つけたのかと思ってた。厨二だから仕方ないwww
— リヒト→超低浮上 (@09rihito09) July 3, 2012
①と並んで多かったのは「胸部が船の残骸で押しつぶされていたから」という意見でした。
巨大船は墜落してバラバラになり、大きな残骸が散らばっています。
ラステルは鉄骨の間で発見されましたが、体が押しつぶされていて虫の息でした。
墜落する時の衝撃もあり、ナウシカは服をゆるめた時に、胸部の致命傷を見てしまったのかもしれません。
もう助からないと分かったので、死者への尊厳で服を直したんですね。
ちなみに管理人もこの説だと思いました。
理由③:ナウシカの父のような病にかかっていたから
少数の意見ですが、「ラステルもナウシカの父(ジル)のような病気にかかっていて助からないと思ったから」という声もありました。
ナウシカの父は腐海の毒に侵され、体が徐々に動かなくなる(石化する)病気でほぼ寝たきりの状態になっています。
原作では、石化の病は皮膚に大きなイボができたりと、見た目もかなり醜くなっています。
ラステルの体にも病気による変化があり、それで思わず服を閉じたのでは?という考察でした。
ナウシカの性格から考えると、どんなに見た目がひどくても目を背けることはなさそうですが、「ラステルはその体を他人に見せたくないと思っているかもしれない…」と彼女をおもんばかったかもしれませんね。
理由④:トルメキア軍による拷問の跡があったから
ラステルの服の下を見たナウシカ、この子がここまでどんな仕打ちをされてきたのか見てしまったから硬直してしまったんだと思うんだ(原作未履修だから何とも予想なんだけれども)
— のうず🦥 (@noooz_) December 25, 2020
ラステルは手鎖をはめられていたことから、捕虜の扱いを受けていたと推測することができます。
また美少女といっていい顔立ちなところから、軍の人間に拷問や性的暴行を受けていて、その痕が胸にあったから服を閉じたという考察がありました。
この意見は、意外と多くの人が持っていたようです。
ジブリ作品は女性キャラにそこまでひどい設定を盛らないのでは?と思いますが、ナウシカの世界観はかなり殺伐としているので、そんな考察も生まれてしまったのかもしれないですね。
そのほか、
「ラステルを男の子と勘違いしてて、胸あけたら女の子だったからビックリして閉じた」
という意見もありましたw
宮崎駿監督の意見
このナウシカがラステルの胸のボタンを途中まで開けてハッとしてやめるの、子どもの頃からずっと謎だったんだけど数年前ググッたら誰も真相を知らなかったんだよね…。
原作マンガにはない動作だし絵コンテには「ナウシカは何を見たのか…」と宮崎駿自身が描いてるのであえてぼかしてる。— へびのルーカス (@zetianfazi) December 25, 2020
『ナウシカ』の原作者であり、監督でもある宮崎監督は、このシーンにどんな意味を込めていたのでしょうか?
宮崎監督的には「理由②:胸が押し潰されていたから」だったそうです。
ラステルは飛行機が墜落した時の衝撃で鉄板に挟まれて胸が潰れちゃってたから ナウシカは もう助からないと服を閉じただけで 拷問されてたあとがあったわけじゃない 子供向けに血を書かなかったせいでわかりにくくなったと宮さん#ナウシカ
— えみたん (@emtancat) January 14, 2017
監督は「ラステルの胸が押しつぶされて、助からない状態だった」という意味で、ナウシカが服を閉じたというシーンにしたそうです。
でも、あまり残酷な描写にできなかったため(子ども向けにするため血を描かなかった)、「何があったか分かりにくい描写になってしまった」と、後からインタビューで話していたそう。
宮崎監督のインタビュー記事で、ナウシカはラステルの怪我をみてもう助からないことを悟ったから服を閉じた、と書いてありました RT @Yamanekoniz: ナウシカがラステルの服の胸元を開けて見た途端に苦しそうな表情をし、そっと閉じたシーン。理由は絵コンテ集にも書いてない。
— くろま (@kuroma_9) May 11, 2012
監督的には、もう少し血や変色した肌の描写を入れたかったのかもしれませんね。
でも視聴者に解釈をゆだねることで、このシーンにさまざまな考察が生まれたといえますね。
【風の谷のナウシカ】ラステルの死因は?
悲劇の王女、ラステルの死因の口コミもまとめました。
死因①:肺が潰されていたため内臓破裂&窒息死
ラステルの死因は、色々と考えさせられるなぁ。
最初は、ナウシカの言う「腐海におりた」という事から、腐海の毒を吸い込みすぎたから、すでに肺がある胸部に酷い症状&鉄骨に押しつぶされていたせいで……っていうのかなぁ。— 空木蘭@新しい端末ログイン通知うるさい (@ran_deutzia) December 25, 2020
ラステルの死因は、先に紹介した「服を閉じた理由」にもあるとおり、「胸部(肺)が潰されたことによる内臓損傷&窒息死」のようです。
またそのほかにも、墜落による外傷性のダメージもあったかもしれません。
ナウシカは鉄骨の下からラステルを助け出しましたが、体の状態を見て致命傷であることが分かったんでしょうね…。
死因②:瘴気を吸い込んだことによる中毒死
後、ラステルの死因は絶対、燃焼ガスを吸い込んだことと、胸を強打して内出血したことが原因な気がする。外傷らしき描写も無いし、服をめくって初めてナウシカが致命傷に気付いた事から、そんな気がする。 pic.twitter.com/neked6nzR5
— ナウシカ・かいじー•フォン・シュタイナー姫(CV:島本須美) (@FGeooDudpTJrEeD) June 27, 2020
ラステルの死因②も、先に紹介した「服を閉じた理由」にあるとおり、「瘴気を吸い込んでしまったため」のようです。
腐海の瘴気のほか、大型船が爆発炎上した時の燃焼ガスなどが死因と考える人も。
燃料が燃えて発生する燃焼ガスは、二酸化炭素や窒素、一酸化炭素、水蒸気が主な成分です。
現代でも一酸化炭素中毒で死亡する事故が多くありますよね。
ただ、一酸化炭素中毒よりも腐海の毒の方がもっと強い気がしますね。
どちらも苦しそうな亡くなり方なので、ラステルの悲劇性が際立っていますね。
ラステルの死は作中で大きな影響を与えている
映画の方が、最初のラステルの死が最後まで効いてくるよね(アスベルが船内のナウシカを見てハッとしたり、お母さんが助けてくれたりペジテの若者がラステルと思い出して撃つのをやめたり)
— Christie (@chermonami) January 14, 2017
悲劇的な死を遂げるラステルですが、その最期は多くの視聴者に感動を与えたようです。
また物語クライマックス、王蟲の幼生をさらい群れを呼び寄せるペジテの計画で、ナウシカがラステルの服を着て、飛行ガメに立ち向かうシーンがあります。
小銃で狙われながらも無抵抗で飛行ガメの行く手をはばもうとするナウシカに、ペジテの青年兵は「嫌だ…ラステルさん!」とつぶやき撃つのを止めます。
ナウシカとラステルを重ねた青年のセリフからも、ラステル王女が国民から慕われていたのが分かりますね。
原作のラステルも重要人物
原作だと、ラステルが巨神兵と絡んでるんだよ そんでナウシカに巨神兵の鍵みたいなのを渡すのだ(・ω・)
— 🌸 (@sakura761) May 11, 2012
原作でもラステルが登場しますが、ナウシカに渡すのは「巨神兵の起動に必要な秘石」。
より巨神兵に近い、重要な存在になっていますね。
巨神兵はラピュタにも登場するロボットで、シータが持っているペンダントの石が起動のスイッチにもなっています。
『ナウシカ』では悲劇の最期を遂げたラステルですが、『ラピュタ』で幸せになっていると考えると、少し救われたような気持ちになれますね。
ラステルをもっと詳しく知りたい人は、是非原作漫画も読んでみてくださいね。
まとめ
『風の谷のナウシカ』は、1984年に公開されたジブリの代表的な作品。
ラステルはペジテ市の王女で、アスベルの双子の妹。
ナウシカがラステルの服を閉じた理由は、ラステルの肺が腐っていたから・胸が押し潰されていたから・ナウシカの父のような病にかかっていたから・トルメキア軍による拷問の跡があったからなど。
ラステルの死因は、肺が潰されていたため内臓破裂&窒息死・瘴気を吸い込んだことによる中毒死など。
「風の谷のナウシカ」を見逃してしまった人、もう一度みたいなあ・・・という人へ。
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