2019年邦画の最大のヒット作『天気の子』。
離島から東京に家出して来た少年・帆高と、”祈るだけで晴れにできる力”を持つ少女・陽菜が出会い、運命に翻弄されながらも生き方を選択していく物語です。
しかし一部の人からは「つまらない」「気持ち悪い」と言われることも。
いったいどこがつまらないの?
気持ち悪いと言われる理由は?
そのほか「ここが意味不明」という意見もまとめました。
(作品の重大なネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【天気の子】ここがつまらない
天気の子、嫌い、気持ち悪いつまらないでオーバーキルされてる笑
結構面白かったと思うけどなー pic.twitter.com/KPfvL3iCHW— ベイ好き (@J4MXH11WXXQ3jxk) January 3, 2021
141.9億円の興行収入で2019年邦画ランキング1位となった『天気の子』。
多くのファンがいるものの、実際に見た人からは「つまらない…」と言われることもあるようです。
気になる口コミを紹介します。
主人公たちに共感できなくてつまらない
天気の子を初めて見たけど製作者サイドには悪いが物語が面白いとは全く思わなかった。登場人物の女の子がかわいいとも思えなくてただ虚無だった。物語もつまらないが自分もつまらない人間になったのだと確認しただけだった。
— ざわざわ (@Jomon_laser) January 3, 2021
天気の子、今更見たけど、クソつまらなかった。
つまらないというのは、主人公にもヒロインにも一切感情移入出来ないという事。
刑事さんや大人キャラの方が感情移入できるので、着々と大人の階段登っておばちゃんになったんだな、私は。— mitiyuki (@ringodon_neko) September 3, 2021
「映像はキレイだけど主人公たちには一切感情移入できなかった」「空の描写と音楽は最高だけど主人公が無理」と言われているようです。
今作の主人公、帆高は16歳、陽菜は14歳(作中で15歳になります)。
まだまだ子どもといってもいい年齢の二人ですが、大人だけでなく同年代の視聴者からも「共感できない」と言われています。
とくに批判されているのは高校生の帆高。
とにかく無鉄砲でハラハラするようなアクションが多く(性格は悪くないのですが)、「なぜ?!」というような行動を取り続けます。
天気の子、学生の時に見たときは陽菜可愛いで全部片付いたけど、主人公が犯していく犯罪と社会の見えてなさが気になってしまう社会人になったつまらない自分に気づいて傷つくな
— まこ (@makoDgt) January 3, 2021
そもそも高校生なのにあてもなく家出をして来て、「偶然」フェリーで知り合ったライターの須賀のところに転がり込む帆高。
上京一人暮らしが話の本筋ではないとはいえ、朝ドラのようなご都合展開が「つまらない」という声も。
なんでそんなに大人を嫌うんだ!w
物語のクライマックスでもヒロインの命を優先したため、東京が水没するという最悪な結末に。
監督お得意のボーイ・ミーツ・ガール展開ではあるのですが、帆高の行動や感情にまったく共感できず、視聴者が置いてけぼりになってしまったよう。
ヒロインは救われ、主人公たちはめでたしめでたしですが、東京をどうすんじゃい!というモヤモヤが残ってしまいました。
主人公の行動原理に共感できないままエンディングを迎えるため、「つまらない」「面白くない」という感想になってしまったようです。
ストーリーが荒唐無稽でつまらない
天気の子、思わずみてしまったけどつまらないとか面白いとか言う次元の前に脚本とストーリーが荒唐無稽すぎてポカーンとしてしまうのと、感動的な音楽に乗せた演出が大袈裟なのでドン引きしてしまう感じである ベタベタな80年代にありそうなアイドル映画ならアリなのかなと思った
— 4563photo しがらみ (@Shi_gara_mi) January 3, 2021
「『君の名は。』に比べてめっちゃつまらなかった。心が躍るようなシーンがない」
「よくこんなつまらない脚本書けるなと感心するレベル」
「ボーイミーツガールのストーリーが分かりやすすぎて意外性がない」
という辛口の意見が多くありました。
『天気の子』のストーリーは、監督の前作『君の名は。』とほとんど変わっていないという意見があります。
「『君の名は。』でウケた要素や同じ素材を使ってエンディングを変えただけ」つまり「男の子と女の子がただ出会うだけの話」という基本(監督の好みのスタイル)が3年たっても同じという意見のようです。
ドラマティックではありますが、確かに『君の名は。』と同じパターンですねw
「男の子と女の子が出会う、ただそれだけのことなのに、なんでそこまで話を大きくする必要があったのか?」という疑問の声も。
監督が今作で描きたかったのは
「権力(大人)に反抗する子ども」
「すごい力を持っているのに、か弱い存在としての少女」
「世界を犠牲にしても愛する少女を選ぶ少年」
「愛の力で世界を変える」
といった、ある意味王道ですが”使い古された”ストーリーです。
今作の見どころはそういった古き良き「シチュエーション」で、それを楽しめるファンにとっては感動作ですが、ありきたりなシチュエーションのつぎはぎで、ストーリーが薄っぺらくなっているという声もあります。
とはいえ今回も「映像は美しい」「音楽が素晴らしい」と高く評価されており、それだけでも見る価値はあるかもしれません。
人によってつまらない・面白いの評価が分かれる
天気の子、賛否両論出るのすげえしっくり来た。好きな人は好きだと思うけど嫌いな人は嫌いだと思うし面白いと思う人は面白いと思うしつまらないと思う人はつまらないと思う。これは人によって評価変わる気がする。俺は微妙だった。
— BIYORASUBIYORĀ SUN (@hotakomaosi) September 16, 2021
『天気の子』は、前作『君の名は。』以上に評価が分かれる作品といえるかもしれません。
いわゆる「セカイ系」「一昔前の美少女ゲーム」「転生ものが流行る前のラノベ」が好きだった人やオタクにはとても刺さるため、「泣いた」「感動した」という感想が多いようです。
また新海監督の過去作「秒速5センチメートル」や「雲のむこう、約束の場所」「言の葉の庭」が好きだったファンにも、「俺たちの新海監督が帰って来た」と好評のよう。
一方『君の名は。』のような作品を期待して見た人は「ポカーン」とするのでは?という意見も。
とくにラストは東京が水没するというありえない展開で、同じように世界を変えてヒロインを救った『君の名は。』とは真逆の結末です。
このラストが賛否両論のため、納得できない人は「つまらない」「面白くない」となってしまうのかもしれません。
【天気の子】ここが気持ち悪い
『天気の子』観てきました。
『ほしのこえ』や『雲の向こう、約束の場所』あたりの気持ち悪い新海誠が知名度と資金力を手に入れて帰ってきた!!って感じで、最高に気持ち悪い映画でした(褒めています)— ゆとりーな (@Ri7_u10) August 4, 2019
新海監督の作品に関しては、「気持ち悪い」は誉め言葉という場合も多いようですw
監督の描く女性が気持ち悪い
天気の子、映画館で見たときからなんか気持ち悪いなって思ってたんだけど理由わかったわ。中学生の陽菜さんを聖母に描きすぎだし、小学生の女子も「女」として描かれてて気持ち悪いんだわ。#天気の子
— ほ (@niiiiiiiiii195) January 3, 2021
前作でも言われていましたが、「監督の理想としている女性像が気持ち悪い」「思春期をこじらせている…」「DT感がすごい」という批判があるようです。
「気持ち悪い」と感じているのは主に女性で、監督の趣味丸出しの女性キャラに違和感があるよう。
とくに女性視聴者からは、「まだ中学生の陽菜を”聖母”のように描きすぎている」「女子小学生なのに”女”として描いている」という厳しい意見が。
同性から見ると、確かに「こんなJCいねぇ!」とツッコみたくなるシーンがちらほら。
これは同じ男性監督である細田守氏の作品でも似たような批判があります。
(※【おおかみこどもの雨と雪】はつまらないし気持ち悪い?感動するという声についても)
やはり女性キャラには、男性監督のリビドーみたいなものがどうしても反映されてしまうのでしょうか?
(悪いとは言っていない)
個人的にはあくまでフィクションなので「気持ち悪い」とまでは思わない方ですが、ヒロインに共感しにくいのは確かです。
女性から見ると気持ち悪い
やっぱり私新海監督作品と相性悪いな…
君の名はも天気の子も背景と音楽がいいって思うけど、女の子に対する描写が気持ち悪いんだよね…
あれ男性は好きかもだけど女から見たらキモくない?何て言えばいいんだろう…この気持ち悪さは…
女を性の対象にしてる感が凄い…
好きな人には申し訳ないけど— みたらし🍺🍶 (@3tara41122) January 3, 2021
女性から見ると、「監督(の女性キャラクター)が気持ち悪い」という声が多いよう。
今作でも無駄にスケベシーンが取り入れられていて、とくに「深夜のホテル」「陽菜の下着」は女性だけでなく男性からも大きく支持が分かれ、批判されたようです。
女性ファンには「下着を見せない」こだわりの方が好意的に受け入れられるかもしれませんね。
そのほか、「監督の作風が気持ち悪い」という声も。
「DTをこじらせている」と揶揄されることもある、監督の個性。
作中の「帆高のモノローグ」が代表的ですが、「僕や彼女は純粋なのに誰もそれをわかってくれない」という「現実感のない10代男子の妄想」が延々とスクリーンで流され、「見るのがキツい」「見ていて恥ずかしい」という人もいます。
「ひたすら監督=帆高の”俺の気持ちが世界で一番大事なんだ、俺の気持ちを見ろ、聞け!”というアピールに感じた」
「監督=帆高の気持ちだけで世界を作って気持ちだけで世界が動いていくのが不自然、気持ち悪い」
という「気持ち悪さ」の考察もありました。
監督の作り出したキャラクターに共感できれば最高に楽しめる映画ですが、そうでなければ独善的で独りよがりな作風が気持ち悪いと思われてしまうのかもしれませんね。
【天気の子】ここが意味不明
意味が分からないところも多いと言われる『天気の子』。
気になる口コミを紹介します。
なぜ帆高が家出をしたのかが分からない
一般人が天気の子を観ると、帆高が家出した理由もわからないし、空から魚の雨が降るのもわからないし、劇中に銃が出てきたのもわからないし、東京水没を選択したのもわからないらしい。そりゃつまらないよな
— みやはら@日常 (@gu2i0) February 25, 2021
そもそもなぜ帆高が離島の実家から東京に出てきたのか、映画では理由がはっきり描かれていません。
『天気の子』小説では、序盤で帆高の頬に張られている絆創膏は「父親に殴られたから」という理由が書かれています。
ところが劇中では「苦しくなって」家出したとしか触れられていません。
…「苦しくなって」とは?
高校生が家に戻らない理由、外泊グセのある子ならともかく、視聴者がかなり気にするところだと思うのですが…。
新海監督は映画のパンフレットで、次のように語っています。
「映画の中で過去がフラッシュバックして、こういう理由だからこうなったんだっていう描き方は今作ではしたくないな、と。内省する話ではなく、憧れのまま走り始め、そのままずっと遠い場所まで駆け抜けていくような少年少女を描きたかったんです。」
なるほど…。
父親の暴力と家出をひもづけず、漠然とした憧れだけで走り抜ける青春(?)を描きたかったよう。
言いたいことは分かりますが、帆高が東京に来た理由が「苦しくなって」ではあまりにふわふわしていますよね。
「苦しくなくなったら早く帰れよ親が心配してるよ」とヤキモキしてしまいます。
ストーリーの基本的な部分だけに、そこは「父親の暴力が原因」とはっきりさせても良かったのではないかと思います。
なぜ陽菜が巫女にされたのかが分からない
瀧くんと三葉が出会った東京はあと数年で水没してしまうけど、いまだになぜ、陽菜さんがその業を背負わされていたのか不明だ。「天気の子」は、その辺を説明してくれたら「空が綺麗な映画」で終わらなかったのに。例えば「君の名は」でいう宮水神社の巫女みたいな設定があればな。あの水の魚(?)もなに
— れんこん (@renkon_hope) October 29, 2022
ストーリーが進むと明らかになる陽菜の力。
帆高に出会う1年ほど前、とある廃ビルにあるお社に偶然たどりついた陽菜は、そこで死の床にある母親と「晴れた空の下を歩きたい」と鳥居をくぐりながら強く願ったところ、「100%晴れにする」晴れ女の力を手に入れたと言います。
そして「天気の巫女」として「人柱」になることで、天気を安定させられるのです。
すごい力ですね!
しかしその代償として彼女の体は半透明化が進んでいき、ついには見えなくなってしまいます。
陽菜の家は『君の名は。』の三葉の家とは違い、もともと巫女だったわけではなさそう。
いくら廃ビルとはいえ、東京・代々木なら屋上に登って社を見つける人は0人ではないはず。
逆になぜわざわざ廃墟のビルに上ったのか?という疑問もわきます。
(エレベーターが止まっているのでは?)
屋上に行きたいなら他にもビルはあるのに…。
このあたりも『君の名は。』で指摘された「ストーリーのための」キャラの不自然な行動のせいかもしれません。
キャラクターの行動原理がよく分からず、視聴者にとっては「意味不明」となってしまうのかもしれませんね。
世界が沈んでしまったのに「大丈夫」の意味が分からない
「いや全然大丈夫じゃないよ!」と思ってしまいますよねw
物語ラスト、帆高の願いが届き、陽菜は地上へ戻ってきました。
しかし「天気の巫女」がその役目を放棄したことで地上は豪雨に見舞われ、やがて東京は水没してしまいます。
二人の愛は確かなものになりましたが、世界の仕組みは崩れ、多くの人々の日常が壊されてしまいました。
あの世界で、普通の人は壊れた世界の中で懸命に日常を送り、帆高と陽菜だけが自分の罪を背負って生きていかなければならない
帆高の「大丈夫」はそんな自分と陽菜の前途に対してかけられる精一杯の誠実で前向きな言葉だったんじゃないかって— うたち (@utachy_sub) January 3, 2021
東京が水没した理由を知る二人は、その後の人生を罪を背負いながら生きることになります。
でも帆高には陽菜、陽菜には帆高がいる。
お互いがそばにいれば、たとえ世界が海に沈んでもきっと「大丈夫」という決意と覚悟のあらわれと取れるのかも。
この二人の行動と結末に共感できる人なら、「大丈夫」の意味も分かるのかもしれません。
しかしこのラストにまったく納得できなかった人にとっては、「大丈夫じゃない」「意味が分からない」となってしまったよう。
そもそも「世界が元々狂ってる」という前提がよく分かりません!w
これも監督お得意の「シチュエーション萌え」なのかも?
ちなみに、現実には3年以上も雨が降り続くという現象はありえないそうです。
地球上の水分の総量は決まっていて、雨が降るしくみは海水や陸の水の温度が上がって水蒸気になり、上空で冷やされて雲になって降ってくるというもの(ざっくり)。
そのため、雨がそんなに降り続ければ地球が寒冷化し、氷床ができたり海水温が下がったりして水蒸気が供給されなくなるため雲ができなくなります。
すると雨も降らなくなるので、降り続くことはないそうです(良かった!)。
ストーリーが意味不明
映画ハシゴ一本目。天気の子を観てきた。新海成分が高すぎて話の意味不明感が半端ねぇけど、前作の君の名はよりこっちの方が個人的には好み。でも世間受けはしないような気が・・・東京って怖ぇ。 pic.twitter.com/EMSG2AWHyx
— yuyuyu45 (@yukiy4506) July 19, 2019
「ストーリーが意味不明」「よく分からないまま終わった…」という意見もありました。
新海監督はもともとこういった「雰囲気映画」を撮る人とも言われているため、これが本来の監督の持ち味なのかもしれません。
『君の名は。』の半分程度の興行収入で終わったことから、やはり一般受けしにくく、賛否両論の作品といえる本作。
とはいえ映像美や音楽は更に磨きがかかり、ストーリーを盛り上げています。
この映像だけでも見る価値はありそうですね。
まとめ
『天気の子』は、一部の人からは「つまらない」「気持ち悪い」と言われることもある。
つまらないと言われる理由は、主人公たちに共感できなくてつまらない・ストーリーが荒唐無稽でつまらない・人によってつまらない・面白いの評価が分かれるなど。
気持ち悪いと言われる理由は、監督の描く女性が気持ち悪い・女性から見ると気持ち悪いなど。
意味不明と言われる理由は、なぜ帆高が家出をしたのかが分からない・なぜ陽菜が巫女にされたのかが分からない・世界が沈んでしまったのに「大丈夫」の意味が分からない・ストーリーが意味不明など。
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