1997年に公開された長編映画『もののけ姫』。
当時の日本映画歴代1位の興行収入を誇り、日本アカデミー賞最優秀作品賞や文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など数々の賞歴を持つ作品です。
「もののけ姫」といえば忘れられないのが大きな犬神・モロ(モロの君)。
気高く優しい森の神は、なぜ死んでしまったのでしょうか?
死因や活躍シーン、ネットの評判もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【もののけ姫】モロの君とは
齢300歳のメスの犬神。
ヒトの言葉を解し、高い知能と強靭な力を持つ。
サンの育ての親で、自分の娘としてそばに置いた。
シシ神の森を侵す人間を憎み、戦っている。
特にエボシ御前には強い敵意を持っており、命を狙っている。
白い毛色で5mを越える体格を持ち、尻尾は二股に分かれている。
(宮崎監督によれば、太古の生き物そのものが今より大きかったという説があり、犬の仲間にも今より大きいものがいたとのこと)
物語序盤でエボシ御前の石火矢を受け、その傷をサンに手当されているところでアシタカと出会う。
「お前が一声でもうめき声をあげれば、噛み殺してやったものを…。惜しいことをした」と挑発するものの、アシタカのことは気に入っていたよう。
鎮西(九州)の猪神・乙言主とは過去に「いい仲」だったことがあるが、今はシシ神の扱いや人間への対抗方針をめぐって意見が対立している。
【もののけ姫】モロの君の死因は?
作中で死んでしまうモロの君ですが、死因は一体なんだったのでしょうか?
寿命
モロは300歳を越える年齢であり、普通の犬(狼)では考えられないほどの長寿です。
そのため、生き物としての寿命が来たとしてもおかしくありません。
『もののけ姫』の世界では、「神」とされるものにも死が訪れる描写があります。
冒頭で”タタリ神”となった猪神はアシタカに倒されますし、シシ神も首を落とされて消滅(?)します。
乙言主は500歳を越えていますが、年老いて眼が見えなくなっており、「死」におびえている描写もあります。
この世界では神といっても不老不死ではないようです。
モロも乙言主と対峙したときには「死を恐れている」と自嘲し、シシ神さまに治してもらおうと言うサンには「わたしはもう充分生きた」と答えています。
ケガをしなくても、自分の寿命が近いと感じ取っていたのかもしれません。
エボシ御前から受けた石火矢
直接の死因は、エボシが撃った石火矢の弾のようです。
エボシはタタラ場で鉄を打ち、当時の日本では珍しい玉鋼を作り出しています。
この殺傷力の高い鉄の玉を、モロは「毒つぶて」と呼んでいます。
物語序盤で、サンとモロたち山犬は、雨の中牛に荷物をつんで山道を行くエボシたち一行を襲います。
モロの子どもたちが牛隊をかく乱し、その隙をついてモロがエボシに迫りますが、エボシは直前で石火矢を発射。
モロの首筋に命中します。
それは致命傷とはなりませんでしたが、サンが血を吸い出しても治ることはなく、時間をかけてモロの体をむしばんでいったようです。
夜アシタカと話すシーンや乙言主を助けに行くというサンを見送るシーンでは元気そうでしたが、終盤のシシ神のいる泉のシーンでは、ぐったりと水につかり横たわっている姿で登場します。
「やれやれ、あの女のために残しておいた最後の力なのに…」
自分の命が尽きかけていることを知ったモロは、最後の力でエボシに一矢報いるため、エボシたちが来るであろうシシ神の泉で待ち構えていたようです。
そして体力を温存しようと泉に体をつけてじっと待っていたのでしょう。
しかし、そんなモロの思惑は崩れてしまいます。
サンを救出するために残り少ない命を振り絞った
「もののけ姫」最高o(^-^o)(o^-^)o
モロが好き😊 pic.twitter.com/lEQLBOiYSR— fujiringo (@fujiringo15) July 21, 2023
エボシを殺すために待ち構えていたモロですが、緊急事態が起きます。
”タタリ神”となった乙言主の中に、娘であるサンが取り込まれてしまいます。
乙言主は人間に対する怒りと憎しみ、痛みで我を忘れ、先のような知性のある会話はできず、吼えるばかり。
瀕死のモロはゆっくりと体をおこします。
「お前たち、手出しをするんじゃないよ。タタリなんぞ貰うもんじゃない」
最後まで母らしい思いやりと威厳を持つモロは、自分ひとりで乙言主と向き合います。
かつて「いい仲」だった乙言主の変わり果てた姿を見ても、モロは冷たく笑うだけ。
「もう言葉まで無くしたか」
乙言主は狂気の眼でモロに突進していきます。
体中から”タタリ”のネバネバを噴き出す乙言主ですが、モロはまったく避けません。
牙で突き上げられ持ち上げられながら、うすく笑っています。
「わたしの娘を返せ」
そしてネバネバの中のサンをくわえ、引きずり出します。
”タタリ神”の呪いに焼かれながら…。
これがモロの最後の力だったようです。
なんとかサンを救い出し、出現したシシ神によって命を吸い取られた乙言主が倒れると、モロも同じように倒れて動かなくなります。
エボシを「シシ神の森を侵す人間の長」としてつけ狙っていたモロですが、最後の力は娘である人間のサンのために使いました。
「山犬」と呼ばれ恐れられていたモロの、優しさや強さがあらわれているシーンですね。
【もののけ姫】モロの君のネットの評判
「好き!」「かっこいい!」と大人気のモロ。
声をあてた美輪明宏さんの演技にも注目が集まりました。
またモノマネをよくするという人も。
「黙れ小僧!」は流行しましたよねw
やれやれ、あの女のために残しておいた最後の力なのに…。
モロは娘の為にタタリ神になる事も恐れない。
もののけ姫 https://t.co/4tsSTfcVOO#ジブリ#宮崎駿#もののけ姫#君たちはどう生きるか#米津玄師#金ロー#美輪明宏 pic.twitter.com/KPLFS07eCP— グレース (@grace_opinions) July 21, 2023
もののけ姫のモロが小さい頃から好きって言ったらよく生首になるところを見ても推してるねって言われたからむしろそこが好き!!!!っていう話をしたらこじらせてるなと呆れられた
— ハスキー (@husky_ichu) August 2, 2021
大きなモフモフ好きにはたまらないカッコよさのモロ。
ふわふわで可愛いというよりは、強く気高いケモノとして頼れる存在です。
モロとサンの組み合わせが好きというファンもいました。
また、乙言主との関係に萌えるという人も多いです。
ものののけ姫で森繁さん(乙言主)と美輪さん(モロ)の会話に何度もNGを出した監督が、どっちにだか忘れたけど「昔『いい仲』だったつもりで演技して」って注文した結果一発OKだった話はずっと語り継いでいく
— ゆじお壱子 (@rucolaumee) May 5, 2016
アフレコ時に、監督から「モロは母性があって残酷で、諦観していて達観もしていて、慈悲があって狂暴で…」という注文を受けていたという美輪明宏さん。
難しすぎる!w
それらの要素をすべてあわせもちつつ、シーンによって母性が際立っていたり、残酷さが現れたりという演じ分けが「さすが!」と評価されています。
また、乙言主との会話のシーンではなかなかOKが出ず、「モロと乙言主は昔”いい仲”だったんです」と監督がアドバイスすると、美輪さんの声が変わり”女”になってより深みが出たというエピソードも。
若き乙言主とモロはどんな暮らしをしていたのか、気になりますね。
事前特集番組かなんかでアフレコの時「乙言主とモロは昔デキてたっぽい感じで」って指示が出てたのに萌えたなあ
— おおみね@デブ活なう (@ohmine_tb) July 1, 2011
そしてモロの君といえば名言「黙れ小僧!」。
もののけ姫のCMが流れるとモロの物真似を必ずやる男、それが私。
— いぬのはな (@inuhana_) August 6, 2021
誰もが一度はやる、鉄板のネタですよね。
まとめ
映画「もののけ姫」に登場するモロの君は、齢300歳を超えたメスの犬神。
人間に捨てられたサンを自分の娘として育てた。
モロの君の死因は、寿命・エボシから受けた石火矢・サンを助けるために最後の力を振り絞ったからという理由があげられる。
「もののけ姫」を見逃してしまった人、もう一度みたいなあ・・・という人へ。
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