『タコピーの原罪』はタイザン5さんが描く、複雑な家庭環境と学校でのいじめを受けている少女しずかちゃんと、ハッピー星からやって来たタコ型異星人タコピーの心あたたまる交流のストーリー。
…というのは表面的なあらすじで、その実体は「鬱漫画」とも言われています。
「意味不明」「面白くない」「怖い」という読者もいたようです。
いったいどこが意味不明だった?
面白くない・怖いのはどこ?
ネットの意見もまとめてみました!
(※作品の重大なネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【タコピーの原罪】ここが意味不明
タコピーの存在が意味不明
タコピーの原罪
勉強イヤになり読みました(現実逃避)邪悪なドラえもんとか聞いてたけど邪悪なのは人間のエゴだというね
ただ一番意味不明なのはタコピーの存在意義
便利道具を携えて異なる星のごく小規模な人間関係を引っ掻き回すだけの舞台装置とは思えないし
原義の原罪はタコピーにはない— エルグ 🍋ε (@Re8F6hYB) January 29, 2022
本作のドラえもん的存在、タコピーはハッピー星からやって来た宇宙人です。
見た目はサンリオのファンシーキャラのような可愛いタコ型。
純真無垢で善悪の区別のつかない性格をしており、語尾も「っピ」。
可愛さを前面に出したキャラクターです。
しかし!
本人はそれを使って助けてくれたヒロインを笑顔にするつもりなのですが、すべてが裏目に出てしまうことに…。
そんなタコピーの存在が意味不明と言われているようです。
タコピーの存在は中盤までは確かに意味不明で、物語を都合よく回すための舞台装置にしか見えません。
でも終盤から最終回にかけてはタコピーが活躍し、重要な役割に。
最後はタイトルの『タコピーの原罪』にふさわしく、読者によってさまざまなとらえ方のできるものになっています。
しずかちゃんが意味不明
「しずかちゃんが意味不明キャラで怖い」と言われているようです。
物語序盤では劣悪な家庭環境に置かれ、クラスメイトから壮絶ないじめを受けていることが示されるしずかちゃん。
一度目の出会いでは、しずかちゃんは愛犬のチャッピーを理不尽に奪われ、絶望し自殺してしまいます。
タコピーは、そんなしずかちゃんを笑顔にしたくて何度も時間を”やり直し”、色々頑張るのですが、ほとんどが裏目に出てしまいます。
ついにはハッピー道具で、いじめっ子のまりなちゃんを殺してしまう羽目に…。
この事件以降、しずかちゃんの「意味不明」な行動が描写されます。
まりなちゃんの死体を隠すようタコピーやクラスメイトの東くんに頼んだり、死体が見つかった時には東くんに「自首して欲しい」とお願いしたり。
お願いする時にはキラキラした演出がされており、まさにナチュラルサイコキャラ!
しずかちゃんにまったく共感できないところが「意味不明」と言われてしまうのかもしれません。
タッセルが意味不明
タコピーの原罪狂いすぎてるからシリアスなシーンのはずなのにタッセル意味不明すぎて笑いが止まらんwwww pic.twitter.com/kmkniJVhBF
— マシュの為 (@yuruyaminohate) January 6, 2022
いじめっ子・まりなちゃんの家庭も実は壊れていて、両親は不仲。
まりなちゃんは母親からDVを受けています。
父親が母親を理不尽になじるシーンで登場するのが「タッセル」です。
タッセルって何だ??ってなりますよねw
(カーテンを束ねる時によく使われる房飾りのついたバンド)
どうやら母親が勝手に買って怒られているようなのですが…。
シリアスな展開なのにセリフが「タッセル」で意味不明と言われているようです。
これはシリアスシーンが続くため、作者が息抜きに入れた単語かもしれませんね。
【タコピーの原罪】ここが面白くない
誰にも共感できなから面白くない
タコピーの原罪、なんか全然面白くなかった
面白くないっていうか誰にも共感ができないし結局、何?って感じで終わった
久しぶりに漫画で拍子抜けしてしまったー— みのり🐭🍑今日から貯金マン (@hayaokisitaiyo) May 26, 2022
『タコピーの原罪』に登場する主なキャラは
・タコピー
・しずかちゃん
・まりなちゃん
・東くん
です。
このほか、しずかちゃんの母親や父親、まりなちゃんの両親、東くんの母親と兄が登場します。
ネットでは毎回話題になっていましたが、「キャラクターの誰にも共感できない」「登場人物の行動が理解できない」とも言われているようです。
タコピーは倫理観がない・善悪の区別がつかない宇宙人という設定なのでまだ分かりますが、子どもたち(とくにしずかちゃん)が取る行動はかなり常軌を逸しており、いくら家庭が崩壊していても、「こんな考えになるか?」と、極端な行動を疑問に思うところも。
「面白くない」と感じた読者のほとんどは、この「共感できなさ」「理解できない行動」にモヤモヤしたようです。
ストーリーが面白くない
『タコピーの原罪』というのを試しに読んでみた。端的に言って面白くない。「面白いな」「興味深いな」「(画面や物語が)よく出来てるな」と感じる場面がほぼなく、ヒロインとその周辺の悲惨な境遇がただただ陰鬱に感じられる。「この先が気になるな」というギミックも見当たらない。
— ライール🍀 (@lahire014) December 16, 2021
「ストーリーが面白くない」という意見も多くみられました。
「ストーリーとしてはどこかで読んだことのある要素のツギハギ」とも言われており、「本田透のいないフルーツバスケット」や「残虐性の増したまどか☆マギカ」「露悪的なドラえもん」など、かつての名作からの影響が見られるようです。
また連載中は多くの考察がネットをにぎわせましたが、「一見深読みしたくなるが、そこまで深い作品ではない」と感じた人もいるよう。
今まで多くの作品を読んで来た人ほど「言われるほど面白くない」となってしまうのかもしれません。
漫画としてはすごく面白いが好みではない
タコピーの原罪漫画としてはすごい面白いけど私にはちょっと重すぎて面白くない域まで行っちゃってる感ある完全に好みの問題であんま好きじゃなかった…
— とさち (@mayo17705) January 22, 2022
意外に多かったのが「漫画としては面白いが好みではない」「面白いが読むのが辛い」という複雑な意見でした。
管理人も正直読むのがキツい描写が続き、「合わない」と感じましたが「続きが気になる!どんな最終回になるのか見届けたい!」という気持ちもありました。
(『進撃の巨人』のような…)
しかしそれとは別に最終回を見たいという気持ちも強く、これは「面白いから」というよりも「物語をどう着地させるのか」という好奇心からなのかもしれません。
面白くないというより胸糞悪い
現代の子どもたちが抱えている闇を、もっとグロテスクにリアルに表現した作品とも言われています。
そのため多くの読者に「刺さる」ものの、「胸糞悪い」「読後感が悪い」と拒否反応を示す人もいたよう。
ひょろひょろの子どもが血を流したりボロボロになっていたりするのが苦手な人は「胸糞悪い」と感じてしまうかもしれません。
【タコピーの原罪】ここが怖い
しずかちゃんが怖い
友人がハマっててわたしも読み始めた「タコピーの原罪」(ジャンプ+で読めます)
すごく面白い。エグいし今のところ救いないけど面白い。
「本田透のいないフルーツバスケット」って言われてる理由理解できましたハイ。
タコピーはかわいいし健気だけどしずかちゃんが超怖い。 pic.twitter.com/bWtocKmnKh— 椿 冬華 (@TSUBAKI_TOKA) February 18, 2022
もっとも多かったのは、ヒロイン「しずかちゃんが怖い」という意見でした。
物語の序盤はただいじめられるだけの弱弱しい少女だったしずかちゃん。
しかしストーリーが進むにつれ、その壊れたサイコっぷりが明らかになります。
いじめられっ子の復讐というには怖すぎますw
元々しずかちゃんの本性はこうだったのでしょうか?
それともタコピーがしずかちゃんの運命に介入したから?
「どいて」からの圧とタコピーを容赦なく踏みつけにするしずかちゃん、チャッピーを見つけるためならどんなことでもしてやるという凄みがあった#タコピーの原罪
— 蒼嵐 (@CYAN_STORM) March 17, 2022
黙っていじめを受けているしずかちゃんも怖いですが、友達だったタコピーをサイコ気味に踏みつけるしずかちゃんも怖い!
虐待の描写が怖い
ネグレクト(しずかちゃん)・身体的虐待(まりなちゃん)・心理的虐待(東くん)。タコピーの凄いところは、しずかちゃん以外は学校とか第三者にはかなはら発見しづらいであろうという家庭環境(毒親)の闇が設定細かにリアルに描かれてる事。普通にその辺で起こってる現状なのが怖い。。#タコピーの原罪
— 虚無虚無にゃんこ (@kyomu2nyan) March 17, 2022
本作で特徴的なのが、子供たちを取り巻く家庭の劣悪さ。
しずかちゃんは風俗で働く母親にネグレクト(育児放棄)され、まりなちゃんは夫と不仲の母親から暴力を受けています。
東くんは優秀な兄といつも比較され心理的なプレッシャーを受け続けており、設定がリアルで細かく描かれたこれらの家庭環境は「本当にこういう子どもがいるのかもしれない」と怖くなります。
タコピーの両家、ネグレクトとDVの家庭崩壊をちゃんと描き分けてるのいいよね
しずかちゃんが出すゴミは散らばってるけど床に通り道があって棚やパソコンまわりの母の居住空間だけは綺麗
まりなちゃん家は玄関など居住者が通る道は綺麗で母が暴れるリビングだけが汚い pic.twitter.com/miRX4YVcUv— アウターレッド (@oMAAx4Vee17Oxjs) December 17, 2021
作者のこだわりなのか、しずかちゃんとまりなちゃんの家の描き分けがしっかりされているところも現実味があってすごいですが「怖い」ですね。
毒親の血を引き継いでいるのが怖い
タコピーの原罪最新話まで読んだけど、
どの子も親の血をしっかり引き継いでしまって、それが絡み合って○し合ってるのハラハラする
なによりしずかちゃんの魔性が怖い#タコピーの原罪 #イラスト好きさんと繋がりたい #模写 pic.twitter.com/A5QSc86y6F— はげたこ-絵を描きます (@hagetako_e1009) March 13, 2022
日常的に虐待を受けている子どもたちが主役の本作。
それぞれの毒親の血を引き継いでしまっているところが怖いとも言われています。
ストーリーが進むにつれ明らかになるしずかちゃんの「人たらしの力」は、風俗に勤めまりなちゃんの父を略奪した彼女の母親の血を強く感じます。
しずかちゃんにも魔性の女の魅力があるのかもしれません。
しずかちゃんを執拗にいじめていたまりなちゃん。
頬を何度も叩いたりといった暴力のいじめが印象的でしたが、まりなちゃんも同じように母親から叩かれていました。
「暴力を受けて育った子どもが暴力的になる描写がリアル」と言われています。
また子どものいる親の目線で本作を読むと、「違った意味で怖い」という人も。
親の立場でタコピーの原罪読んでて怖いのは、自分もこの地獄を作ることができると改めて突きつけられることなんですよ。この地獄を自分は将来作るかもしれないし、もう作っているかもしれない。自覚があるとは限らない。
— 兎 (@usagi0913) January 28, 2022
本作に登場する親は、自分が「虐待している」とは思っていません。
しずかちゃんやまりなちゃん、東くんを苦しめ、この地獄のような物語の原因となったのはそれぞれの両親だと読者には示されるのですが、作中で親たちが反省したり、変わったりという描写は最後までありません。
タコピーが犠牲となって少しだけ運命が変わった最終回でも、彼女たちの家庭状況は変わっていないようです。
それでも、本作を読んで自分に置き換えて「怖い」と感じる親はある意味健全なのかもしれません。
怖いけど面白い
『タコピーの原罪』、二ヶ月くらい前から追いかけてるんですが……いや、面白いか面白くないかで言ったらすっごい面白いんだけど、同じぐらいすっごい精神を削られる気がする(とりあえず色々とコワイ)ので迂闊に人にオススメ出来ない……。そろそろ佳境かなって気がしますが、どう着地するんだろう。
— む~ (@Moonight0806) March 3, 2022
読んだ人のほとんどが「怖いけど面白い!」「怖いけどおすすめしたい」とクセになる読後感のようです。
児童虐待・毒親の描写、子どもならではの残酷さで暴走していく展開、痛々しいタコピーの純粋さなど、可愛い絵柄に反してエグい内容は刺さる人には刺さる作品なのですが、「怖い」「精神が削られる」というのも分かります。
しかし最終回が気になり、最後まで見届けた読者が多いようです。
まとめ
『タコピーの原罪』は、読んだ人から「意味不明」「面白くない」「怖い」という意見もあり「鬱漫画」とも言われている。
「タコピーの原罪」の意味不明と言われているところは、タコピーの存在が意味不明・しずかちゃんが意味不明・タッセルが意味不明など。
面白くないと言われているところは、誰にも共感できなから面白くない・ストーリーが面白くない・漫画としてはすごく面白いが好みではない・面白くないというより胸糞悪いなど。
怖いと言われているところは、しずかちゃんが怖い・虐待の描写が怖い・毒親の血を引き継いでいるのが怖いなど。
怖いけど面白いという意見も多く、考えさせられる漫画。
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