1995年に公開され、今でも多くのファンに愛されているジブリ映画『耳をすませば』。
2022年10月には実写映画も公開予定です。
読書が好きな月島雫とバイオリン職人を目指す天沢聖司のピュアな初恋ストーリーが人気となりましたが、「原作と違う!」という声があるよう。
原作とジブリ版映画の違いは?
原作はどんなラスト?
そのほかのネットの意見もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【耳をすませば】映画と原作の違い
原作とジブリ版では設定が大きく違う『耳すま』。
ストーリーの流れはほぼ同じですが、以下の点がアニメ映画化されるにあたり変更されています。
天沢聖司は絵を描いている
「耳をすませば」原作版の映画との違い
・雫と聖司は中三じゃなくて中一
・聖司が目指しているのはヴァイオリン職人じゃなくて画家
・聖司に兄がいて、雫の姉と付き合ってる
・さすがにラストはプロポーズじゃなくて普通に告白— 真田一輝 (@sanadaikki) January 11, 2019
主人公の相手役、天沢聖司の将来の夢が違っています。
ジブリ版では「バイオリン職人」を目指し、夜遅くまで地球屋にある工房でバイオリンを製作している様子が描かれています。
またバイオリンを上手に弾くこともできます。
ファンタジーが好きな設定で、不思議な雰囲気のある画風です。
使っているのはおそらく油絵具。
雫をイメージモデルにした絵も描いています。
しかし将来画家を目指しているかは、はっきりとは示されていません。
(原作ではまだ中学1年生なので当然かも?)
現代なら、ファンタジーゲームのイラストレーターにもなれそうですね。
聖司を「職人」にすることにこだわったのは、プロデュース・脚本・絵コンテをてがけた宮崎駿さん。
「ものを創る行為を通して世界を知る」ことを描きたかったそう。
「絵を描く」より更にしっかりとした「ものを創る」という表現をしたかったのかもしれませんね。
告白のセリフは「君が好きだ」
耳すま、ジブリ版(監督:近藤喜文/脚本・絵コンテ・プロデューサー:宮崎駿)と原作(柊あおい)とではラストの天沢聖司の告白のセリフが前者は「結婚してくれないか」で後者は「好きだ」と異なってるんだけど、俺はここに割と大きな感性の違いのようなものを感じるんだよな pic.twitter.com/Xx677y45iD
— פנים (@sdqlp) January 11, 2019
ジブリ版の名(迷)シーンともいえるラストの「告白シーン」。
いきなり「結婚しよう!」と宣言する聖司は、一部のファンから「気持ち悪い」「サイコパス」とも言われてしまっています。
プロポーズのシチュエーションは朝焼けの街を見下ろしながらで、シンプルかつ最強なところがかっこいいとも言えますが…。
公開当時は戸惑ったファンも多かったようです。
原作はもちろんこんな告白シーンではありません。
場所や時間はジブリ版と同じですが、キメのセリフは
「君が好きだ」
「今日 もし会えたら言うつもりだったんだ。君が好きだ」
となんとも初々しいもの。
少女漫画らしく、恥ずかしそうながらも真剣な表情にみえます。
朝焼けの逆光の中、最高にロマンチックなシーンになっています。
原作者の柊あおいさんは、この改変を見て「少女漫画ではここまで言っちゃうと飛躍しすぎて逆にリアリティがないですけど、斬新でいいんじゃないですか(笑)」とコメントしたそう。
(笑)が苦笑のような気もしますが…。
中学三年生で初恋なのに、過程をすっ飛ばしてプロポーズをするような迷惑少年にされてしまった聖司、ちょっと可哀想ですね。
雫たちは中学一年生
ジブリ版では雫が14歳、聖司が15歳でともに中学三年生です。
原作ではふたりともまだ中学一年生。
中一なら図書カードの先回りも、それほどストーカーっぽくはないですねw
また雫・夕子・杉村の微妙な三角関係も、中一ならそこまでドロドロしないかも?
これも宮崎駿さんが聖司を職人にするための改変のようです。
ムーンは黒猫で猫は2匹いる
柊あおい氏による原作漫画「耳をすませば」だと
・聖司に兄がいる
・猫は黒猫2匹出る
・聖司が絵描き設定
など映画と色々違いがある pic.twitter.com/ERZSJkW0NV— なゆ (@najutter) June 10, 2022
原作でもジブリ版でも、雫と聖司、地球屋をつなぐ重要なキャラクターの猫のムーン。
ジブリ版ではちょっぴり太目のブチ猫です。
ふてぶてしい表情や、いろいろな家を渡り歩く野良なところは生活力があってたくましいですよね。
原作ではムーンはほっそりスリムな黒猫のオス。
そしてムーンにそっくりなルナが登場します。
ジブリ版とは大きく違っていますね。
2匹いる猫が1匹になったのは、近藤喜文監督のこだわりだそう。
「猫を1匹にしたのは物語を整理するためで、ブタ猫になったのは黒猫だと『魔女の宅急便』の印象が強いかららしいです」
「名前のルナは『セーラームーン』を連想させてしまうからとか」
柊あおいさんは神秘的な雰囲気を出したくて黒猫にしたそうですが、変更されたのは先行する作品とイメージが重ならないようにという配慮だったようです。
でもぶちゃ猫になってもムーンが可愛いのは変わらないですね。
バロンは黒猫
😽🐾お豆知識😽🐾
本日の #金ロー の #猫の恩返し。実は原作者は『耳をすませば』と同じなのです💡柊あおい先生という少女漫画家さん🎀「耳すま」には「幸せな時間」という続編も。また「猫」の原題は『バロン 猫の男爵』と言い「猫のおんがえし」「猫の事務所」「猫の国」の3部構成なのです✨ #ジブリ pic.twitter.com/U7hbxPMyv3— 🎈れいみー🎈冬眠中( ˘ω˘)スヤァ (@xxxreimism) August 20, 2021
ジブリ版では猫のバロンは明るい茶色(黄色?)の猫ですが、原作ではスリムな黒猫です。
また衣装もジブリ版では白いタキシードですが、原作では黒のタキシードを着ています。
原作のバロンが黒猫なのは、ムーンが黒猫だからかもしれませんね。
見た目は違いますが、どちらも紳士的でかっこいいバロン。
ジブリ版も原作も両方好き!というバロンファンが多いようです。
姉(汐)の設定
ジブリ版、原作ともに登場する雫の姉、汐。
でもその設定は大きく違っています。
ジブリ版では大学在籍中の19歳。
社会人院生の母に代わり、夏休み中の月島家の家事総責任者を務めるしっかり者のお姉さんです。
雫に比べると何でも器用にこなし、美人という設定で、雫はコンプレックスを感じています。
気が強く妹にあれこれ指図をするシーンもあり、雫はけむたく思っているよう。
作中では、姉妹仲はあまり良くないようです。
原作では高校一年生の汐。
雫と仲が良く、後述しますが聖司の兄と交際しています。
性格はおっとりしており、ジブリ版のような気の強さはないようです。
雫の母親の設定
雫の母親の設定も大きく違います。
ジブリ版では、娘たちが成長したのをきっかけに自分の学びを再開した勉強熱心なお母さん。
某大学大学院に通う社会人学生で、家事と勉学の両立を目指しているものの、片付けされていない家を見ると、なかなかうまくいっていないようです。
43歳で新しく学校に通っているのはパワフルですよね。
原作ではお母さんはほとんど登場しませんが、専業主婦という設定です。
雫の家は戸建て
雫の自宅も違って描かれています。
ジブリ版では団地に住んでおり、あまりキレイに整頓されていません。
この生活感があるかんじが親しみがあって好きですw
原作は少女漫画らしくキレイな一軒家です。
当時のりぼん読者は、おしゃれできれいな自分の部屋に憧れたのではないでしょうか。
聖司に兄がいて雫の姉とつきあっている
そもそも柊あおいの「耳をすませば」
の原作コミックとジブリ映画版
はかなり違いがある、原作だと
天沢聖司はバイオリン職人では
なく画家を目指す青年で、弟
同様読書好きの兄・航司が登場
し、しかも兄・航司は雫の姉・汐
と交際しているという設定が出てくる
しかし映画版はここら辺を描いていない pic.twitter.com/uImYvR0g4B— 赤ずきんフミちゃんのリボン (@looney1940) January 14, 2020
原作とジブリ版でもっとも違うのがこれ。
聖司には「天沢航司(あまさわこうじ)」という兄がいて、雫の姉・汐と付き合っていることから、高校生か大学生ぐらいと思われます。
汐のことを「月さん」と呼ぶなど、ラブラブのようです。
眼鏡で少し長めの銀髪という80年代少女漫画によくいた外見で、聖司とはあまり似ていません。
原作で航司はカメラマンを目指している職人気質なところがあり、父親にまっこうから立ち向かうことも。
そんな航司の性格がジブリ版の聖司に受け継がれているのかもしれませんね。
耳をすませばの由来
たしか耳すまの原作は打ち切りだったと聞いたことがあるので、タイトル回収は雑ながらラストでギリギリ行われている。
でも映画版はこれも変えてるので何が「耳をすませば」なのか、実はよくわからん気がする。— 齋藤 雄志 (@Yuusisaitou) July 4, 2022
ジブリ版では、タイトルの「耳をすませば」は雫が書いている小説の名前です。
ここから取ったと考えられますが、ストーリーとはあまり関係ない言葉なので、何が「耳をすませば」なのか実はよく分からないと言われています。
原作はラストページで語られるモノローグに「耳をすませば」が入っています。
「幾多の苦難を乗り越えて、いつか必ずめぐり逢う恋人たち。聞こえてくる声。ほら、耳をすませば」
ここでタイトル回収!少女漫画らしいきれいなモノローグですね。
ただ、こちらもちょっと強引な気がします。
原作者の柊あおいさんは代表作『星の瞳のシルエット』で有名ですが、このタイトルも深く考えると意味はよく分かりませんよねw
タイトルを語感の良さや雰囲気でつけることが多い作者さんなのかもしれませんね。
【耳をすませば】原作のラスト
「耳をすませば」のタイトルの意味、ちゃんと知っている人どれくらい居るでしょう。
「幾多の苦難を乗りこえて、いつか必ずめぐり逢う恋人たち。聞こえてくる声。
ほら、耳をすませば。」
これは原作漫画や小説のラストに登場します。
物語を締めくくるとても綺麗な文章です。#耳をすませば pic.twitter.com/ZzefYrIuZl
— sad day🇦🇷 (@sorinsorin3) January 11, 2019
原作と大きく違うジブリ版のラストシーン。
賛否両論はあるものの、聖司のストレートな告白が「好き」というファンも多いようです。
原作は前述したように静かなモノローグで終わっています。
原作は単行本1巻分で連載が終わっているため、「打ち切られた」とも言われています。
そのため、やや強引なタイトル回収になっているようです。
とはいえジブリ版のような唐突なプロポーズはなく、聖司と雫は「好き」というお互いの気持ちを伝え合い、そこで物語は終わっています。
中学一年生なら「好き」と言うだけで充分ですよねw
胸キュンの王道ストーリーと、それ以上展開させなかった潔さも評価されているようです。
そういや、耳すまにおけるあのバロンの物語はどんなエンドをむかえたんだろうか…原作マンガではラスト恋人と再会してる絵があるけど…映画の方はどうなんかなぁ
— 燦々🌥️夏休み中 (@sansanx) September 2, 2016
作中で雫のインスピレーションを刺激した猫の人形・バロンは原作ラストで離れ離れになった恋人猫・ルイーザに会えたようです。
バロンの物語はジブリ『猫の恩返し』に続いています。
これは『耳すま』の作中で雫がうまく描ききれなかった小説を大人になって改めて書き直した物語、という設定です。
バロンやほかのいろいろな猫たちが登場する楽しい作品になっています。
映画に登場しないキャラやエピソードなど、『耳すま』をもっと深く知りたくなったら、原作をどうぞ!
甘酸っぱい王道の少女漫画を読みたい時にもおすすめです。
まとめ
『耳をすませば』は、今でも多くのファンに愛されているジブリ映画だが、「原作と違う!」という声がある。
映画と原作の違いは、天沢聖司は絵を描いている・告白のセリフは「君が好きだ」・雫たちは中学一年生・ムーンは黒猫で猫は2匹いる・バロンは黒猫・姉(汐)の設定・雫の母親の設定・雫の家は戸建て・聖司に兄がいて雫の姉とつきあっているなど。
原作のラストは、静かなモノローグで終わっている。
「耳をすませば」を見逃してしまった人、もう一度みたいなあ・・・という人へ。
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>>【耳をすませば】は気持ち悪いしストーカーの映画?天沢聖司はサイコパス?
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