2017年に公開された「DESTINY~鎌倉ものがたり~」。
魔物や妖怪、幽霊、神様など人ではない者たちと仲良く共存する『鎌倉』で、ミステリー作家とその奥さんが主役の和風ファンタジー作品です。
さまざまな不思議な小道具が登場しますが、いちばん重要なのはなんと『貧乏神』の茶碗!
いったいどんなアイテムなのか?
何故重要なのか?
調べてみました!
(作品の重大なネタバレを含みます。ご注意ください)
鎌倉ものがたりの貧乏神について
豪華キャストの中、#堺雅人 さんが特に印象深かった方は #田中泯 さん演じる #貧乏神🧙🏾♂️さん。衣装をよく見ると身分が高そうな雰囲気のためきっと何かでしくじったんだなぁと考えていたそうです🤣🤣🤣
#金ロー #鎌倉ものがたり #安藤サクラ #ムロツヨシ #山﨑貴 pic.twitter.com/xqDUScemzQ— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) December 7, 2018
鎌倉ものがたりに登場する貧乏神は、田中泯(たなかみん)さんが演じています。
ボロボロの服に長く伸びたヒゲ。
やせこけて風采のあがらない老人の姿をしており、多くの人が「貧乏神」と聞いて想像するような見た目ですね。
ほかの作品に登場する貧乏神も、たいてい「家や人にとりつき、貧乏にさせたり災いをもたらす存在」として描かれますが、鎌倉ものがたりの貧乏神も、ほぼ同じ設定や見た目のようです。
作中、心霊事件の現場から正和にとり憑いて来た貧乏神。
一色家(主役の正和・亜紀子宅)に住みつき、不幸なできごとを次々に引き起こします。
貧乏神としていろいろ悪さをするため、迷惑がって追い出そうとする正和。
でも亜紀子にとってはたとえ「貧乏神」でも「神様」。
優しい彼女から今までにないような歓迎を受けます。
亜紀子は貧乏神を毛嫌いせず、食事を用意し、いっしょにお茶を飲んで世間話をするなどおもてなしをしたのです。
正和は呆れますが、亜紀子は「あなたとなら貧乏でもいいよ」と涼しい顔。
住みついた家に不幸を呼ぶ「貧乏神」を温かく迎えてくれる家なんてありませんよね。
今まで人に親切にされたことがなかった貧乏神は、亜紀子の優しさに感動します。
正和と亜紀子の家はとても居心地が良く、人を不幸にする役割の貧乏神にとっては逆に居心地が悪くなってしまったため、(正和の家には思ったよりお金がなかったという理由もありますw)少しだけいっしょに暮らした後は、別の懲らしめるべき家へ行くことになりました。
亜紀子をとても気に入った貧乏神は、「もらってくれるかい?」と風呂敷から大切な茶碗を差し出します。
亜紀子はただで貰うのは申し訳ない、と以前貧乏神が「きれいな茶碗」と褒めてくれた自分の茶碗と交換します。
喜んだ貧乏神は、「あんたがたに幸多からん」と言い残して消えます。
貧乏神はなぜ茶碗を大切に持っていたのか?
茶碗は貧乏神を象徴している
dDESTlNY鎌倉ものがたり
天鬼頭との、戦いに、大活躍の
貧乏神のお茶碗です😁。 pic.twitter.com/YEQFp9qJwX— ビーバー (@tV4GinI4m0okreS) December 7, 2018
ボロボロの身なりで、他には何も持っていないような貧乏神。
どうして茶碗を大事にしていたのでしょうか?
それは、昔からの言い伝えで「貧乏神は茶碗を箸でたたくとやって来る」と言われているからのようです。
(「茶碗をお箸で叩いてはいけません」というマナーのための言い伝えのようにも思えますがw)
そのため、貧乏神を象徴するアイテム=茶碗として作品に登場させたのかもしれません。
また、托鉢のように、お金や食べ物をお椀に入れてもらう風習も古くからありますよね。
貧乏神も「(家から家を渡り歩いて)人から物を貰う」といったようなイメージがあるので、茶碗を大切に持ち歩いているのは、自然なことに思えます。
貧乏神の茶碗は超重要アイテム
物語のクライマックス、黄泉の国で「天頭鬼」という妖怪と対決する正和。
天頭鬼は亜紀子を見初め、嫁にしようとして閉じ込めています。
黄泉の国まで追いかけてきた正和を身動きが取れない状態にし「自分と夫婦にならなければ、正和の魂を食う」と脅す天頭鬼。
最愛の夫を思うあまり、「永遠の夫婦になる」という誓いを立てそうになる亜紀子。
ところが間一髪のところで、あの茶碗が!
貧乏神の力が宿った茶碗が、天頭鬼を吹き飛ばします。
「貧乏神」といえども「神」の力を持った茶碗には絶大な威力があり、天頭鬼といえどもかなわないようです。
茶碗はふたりを救い出すと、くるくる回る乗り物に姿を変え、現世まで送り届けてくれました。
茶碗に元々神の力があったのか、現世にいる貧乏神が茶碗を通してパワーを送ってくれたのかは分かりませんが、どちらにしてもすごい「神通力」を持っている茶碗ですね。
そして亜紀子の何気ない親切が、ふたりのピンチを救ってくれると言う大団円。
「情けは人のためならず」ということわざがぴったりくる納得のラストになっています。
貧乏神を演じた田中泯の経歴
「永遠の0」とか「アルキメデスの大戦」とかを観ると抜群に格好いいオッサンなのに「鎌倉ものがたり」の貧乏神を演じられる田中泯さん凄いよ…
しかも本人は『私は名付けようもないダンスそのものでありたいのです』って言うのも最高でしょ… pic.twitter.com/x3jQ2C0MFr— ねし (@nesi_nesi_nesi) August 6, 2019
憎めない貧乏神を演じた田中泯さんは1945年東京生まれの75歳。
「鎌倉ものがたり」で見せたように、近年は俳優としても有名ですがもともとはダンサーでもあります。
そして公式サイトには「オドリは個人に所属できません。私は名付けようもないダンスそのものでありたいのです」と書かれており、「舞踊家」や「俳優」といった肩書は避けているよう。
芸術表現としての独自のダンスを追い続け、「考えるダンス」としてダンスのワークショップを世界各国で開くなど、精力的に活動しています。
映像作品も映画は「たそがれ清兵衛」(2002)や「八日目の蝉」(2011)、「るろうに剣心」(2014)、テレビドラマには「ハゲタカ」(2007)「龍馬伝」(2010)「僕らは奇跡でできている」(2018)など多数出演。
田中泯さんの顔を一度は見たことのある人も多いのではないでしょうか?
1985年ごろからは山梨県に移り住み、農業と舞踊の同時実践を始めるといった実験的な活動もてがけ、山梨県での農林事業も開始しているとか。
「鎌倉ものがたり」で見せた独特な雰囲気や存在感は、こんな少し変わった活動によって醸し出されているのかもしれないですね。
まとめ
「鎌倉ものがたり」に登場する貧乏神は、ヒロイン亜紀子に初めて温かく迎えられる。
人に親切にされたことがなかった貧乏神は亜紀子の優しさに感動するが、人を不幸にする役割がある神でもあるので、亜紀子の家に別れを告げる。
貧乏神は別れ際に亜希子と茶碗を交換する。
ラストで危機に陥った正和と亜紀子を貧乏神の力が宿った茶碗が天頭鬼を吹き飛ばし救ってくれる。
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