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【ET】鍵の男の名前はキーズ!正体やセリフの意味についても

映画

1982年に公開された「E.T.」。

当時全米で3億ドルという史上最高の興行収入を叩きだし、1993年にジュラシックパークに抜かれるまで、歴代興行成績1位を記録していたモンスター級の作品です。

ちょっと見た目がグロテスクなE.T.と、孤独な少年の心あたたまるSF映画として今でも人気の今作。

悪役として登場するのが「鍵の男」キーズです。

いったいどんなキャラなのか?
名前の由来は?

正体についてもまとめてみました!
(重大なネタバレを含みます。ご注意ください)

「ET」の鍵の男の名はキーズ

「鍵の男」と呼ばれる男性の名前は「Keys」。

これは人名ではなく、「鍵を持った男」の意味のようです。

KeysはE.T.を追う政府の人間で、冒頭からずっと顔が出てきません。

いつもたくさんの鍵束をジャラジャラさせていて、その不気味な音が目立つ人物。

映画ではそのまま「キース」「キーズ」と呼ばれています。

その理由は「鍵をたくさん持っているから」=keysと呼ばれているようで、本名ではないようです。

日本語にすると「カギのおじさん」ぐらいの意味でしょうか。

重要キャラなのに名前が設定されていないのが、ちょっと残念ですね。

鍵の男キーズの正体について

物語冒頭から登場し、顔をはっきり見せない謎の集団の男として宇宙船が不時着した森の中にやって来ます。

夜の森を集団で探索し、逃げるE.T.を追いかけたりとあやしいキーズ。

行動はどんどんエスカレートし、E.T.をかくまうエリオットの家に盗聴機をしかけ、会話を盗み聞きしたりとかなりの執念です。

そしてついに家族の留守中に勝手に家にあがりこみ、E.T.を探し回るなどやりたい放題。

いったい彼の正体は何なんでしょうか?

実はキーズはNASA所属の科学者のひとり。

地球にやってきた宇宙船や異星人の調査をするのが目的であり、アメリカ政府ともつながっています。

キーズの性格

物語終盤までは、子どもたちとE.T.を執拗に追いかけてくる、怖い悪役として登場するキーズ。

顔をほとんど見せないカメラワークで、視聴者に不安や不信感を与えるような演出がされています。

顔が見えず、腰にぶら下げている鍵の束だけがジャラジャラいうのが、さらに怖さを煽っています。

このあたりの演出は「ジュラシックパーク」の恐竜に通じるものがありますね。

そんな悪役であるキーズですが、意外なことに、本来の彼はマッドサイエンティストではなく、異星人にとても好意的です。

それは子どもの頃から異星人に興味を持ち、本当の異星人に会える日を待っていたというロマンチストでもあるからのようです。

しかしやっと会えたものの、E.T.はその時瀕死の状態。

エリオットとシンクロして弱っていくのを見て、医療団を呼び最善を尽くします。

その甲斐もなくE.T.が死んでしまった(と思われた)時にはとても悲しみ、エリオットとE.T.を二人きりにしてお別れをする時間をくれるという優しい一面もあります。

物語のラスト、宇宙へ帰っていくE.T.をエリオットたちといっしょに見守る姿は、最初の印象とは反対の「子どもたちの理解者」「良き科学者」といったポジションです。

「大人(世間)VS子ども」という構図はよくありますが、キーズがそこまでの悪役ではなく、異星人を守る仲間として最後も子どもたちとともにE.T.を見送っているという描き方をされているのは、スピルバーグ監督が「これは子どもに見て欲しい映画だから」と言っていたからかもしれません。

キーズのセリフの意味について

物語終盤、川に落ちて弱ってしまったE.T.とそれにシンクロして同じように弱っていくエリオットは、キーズに「E.T.は友達なんだ」と訴えます。

そこで彼が語りかける名シーンです。

キーズ「エリオット、E.T.は私のところにも来たんだよ。私は10歳の時から待ってたんだ。私もE.T.を死なせたくない」

Keys: Elliot, he came to me too.
I’ve been wishing for this since I was 10 years old, I don’t want him to die.

それまでE.T.を捕まえようとしていた悪役・敵として描かれていたキーズが、本当はエリオットと同じ、異星人を愛する仲間だと分かるシーンです。

でも「E.T.が来た」というのはいったいどういう意味なのでしょうか。

実はこの「Elliot, he came to me too. 」というセリフは、日本語版では「E.T.は私にとっても友達だ」と訳されています。

キーズもまた、エリオットと同じように、孤独な子ども時代を過ごしていたのかもしれません。

思春期にさしかかる10歳前後の子どもは、普通なら親の庇護から離れ、友達とよく遊び、いっしょに悪さ(?)をしたりして成長していきます。

親の言うことをきかなかったり、大人とぶつかりながら自立心が芽生えていくのですが、エリオットにはそういった同じくらいの友達がいる描写がありません。

E.T.は、そんなエリオットにとってはじめて心を通わせられた友達。

キーズにも、異星人であるE.T.を「友達なんだ」と必死に訴える気持ちが分かるのではないでしょうか。

それが「E.T.は私にとっても友達だ」というセリフになったのかもしれません。

大人になってようやく、待ち望んでいた異星人に会えた。

「(君と同じ)10歳のころから待っていた」という言葉に、キーズの思いが表れています。

それぐらいE.T.と会えたことは嬉しいことだし、今瀕死のE.T.を見るのが辛い。
自分もエリオットと同じく「絶対に死なせたくない」という気持ちを伝えたかったのかもしれませんね。

そしてこのあと、

キーズ「エリオット、E.T.は間違って地球に取り残されたんだと思う。生きてこられたのは奇跡だよ、エリオット。本当に奇跡だ。君が、誰にもできないくらい良くしてあげたからだ。E.T.が最初に会ったのが君で良かった」

Keys: Elliot, I don’t think he was left here intentionally,
but his being here is a miracle, Elliot.
It’s a miracle and you did the best that anybody could do. I’m glad he met you first.

と続きます。

エリオットとE.T.の友情を理解し、エリオットが彼のために一生懸命してあげたことを素晴らしいことだと言っています。

もしE.T.が別の人間に会っていたら・・・。

怖がられ、殺されていたかもしれない。
見世物にされ、売り飛ばされていたかもしれない。
また慣れない地球の環境でもっと早く死んでしまっていたかも。

ふたりはまさに奇跡と呼べる出会いであり、異星人と地球人の間に絆が生まれるという証明にもなったことが、E.T.を愛するキーズにとって自分のことのように嬉しかったのでしょう。

まとめ

映画「E.T.」に冒頭から登場する謎の男の名前は「キーズ」。

顔が見えない演出としつこくE.T.を追いかける悪役だが、正体はNASA所属の科学者。

E.T.を捕まえて実験しようというわけではなく、子どもの頃から異星人に興味を持ち、本当の異星人に会える日を待ち望んでいた。

最後はエリオットたちとともに、宇宙に還るE.T.を見送った。

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