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【千と千尋の神隠し】油屋のモデルは?ジブリ公式と非公式の場所についても

映画

2001年に公開された『千と千尋の神隠し』。

主人公・千尋が働くことになる「油屋」は、不思議な外観と和洋折衷の豪華な内装が人気です。

『千と千尋』の世界を象徴する建物でもある、油屋にモデルはある?

ジブリから公式で発表されている場所と、非公式で「モデルではないか?」と言われている場所をまとめました!
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【千と千尋の神隠し】油屋のモデルになった場所

『千と千尋』に登場する温泉宿、油屋。

八百万(やおよろず)の神々が日頃の疲れを癒しにやって来る場所で、とても特徴的な外観をしています。

モデルとなった場所でジブリ公式が発表しているのは「江戸東京たてもの園」「目黒雅叙園」「道後温泉本館」。

しかし、それ以外にもファンの間では”千と千尋っぽい!”として聖地に挙げられている場所がたくさんあるようです。

主なものを紹介していきます!

江戸東京たてもの園

東京都江戸東京博物館の分館で、明治・大正時代の民家や商店などを集めて移築・復元・展示しています。

2001年3月に行われた『千と千尋』の製作報告会も、ここが会場となりました。

作中に登場する建築物の造形や、飲食店街の雰囲気は、ここ江戸東京たてもの園が多くのアイデアの源泉になっています。

ブタに変えられた両親に驚いた千尋が逃げていくシーンで、石段の下にあった3軒の店風建築物にそっくりな建物があったり、文具店の「武居三省堂」は内部の壁一面に無数の小さな木の引き出しが取り付けられていて、釜爺(かまじい)のいるボイラー室のモデルになったりもしています。

なかでも足立区にあった銭湯を移築した「子宝湯」は、浴室の壁に富士山や浮世絵風のタイルが貼ってあったり、坪庭にカエルの置物があったりと『千と千尋』っぽさ満点ですね。

今では数少なくなった銭湯のスタイルを見ることが出来ます。

目黒雅叙園(めぐろがじょえん)

主に、油屋の内部の装飾について参考にされたのが目黒雅叙園です。

東京都心部にある日本初の総合結婚式場ですが、有名な「百段階段」や「漁樵の間」は普段は一般公開されていません。

とくに暴走したカオナシと千尋が対面する広間は、この雅叙園の内装が多くのデザインのヒントになっていたよう。

装飾可能なところはすべて華麗にいろどられ、日本的な豪華絢爛さを追求してあるところは、「昭和の竜宮城」とも呼ばれていたそうです。

油屋の和洋折衷できらびやかな内装は、まさにこの雅叙園そのものですね。

目黒雅叙園は園内にホテルやレストラン、神殿、写真室なども設けるという総合結婚式場のスタイルを日本で初めて考案。

中には招待客のための大浴場もあったそうです。

そのあたりも油屋と似ていますね。

愛媛県・道後温泉本館

ジブリの社内スタッフが社員旅行で訪れ、油屋を描く際に参考にしたと言われている四国・松山市の「道後温泉本館」。

築100年以上もたつ国の重要文化財で、本館には「神の湯」「霊(たま)の湯」という二つの浴場があります。

このネーミングも『千と千尋』を彷彿とさせますね。

本館の屋上には赤いぎやまんをめぐらせた塔屋(振鷺閣/しんろかく)があり、これは湯婆婆(ゆばーば)の御殿である最上階にもよく似ています。

現在は長期保存修理工事に入っており、「霊の湯」のみで入浴ができます。

【非公式】油屋のモデルとなった場所

群馬県四万温泉・積善館

公式では発表されていないものの、その外観やたたずまいが「千と千尋っぽい!」と言われているのが群馬県四万温泉の「積善館」。

元禄四年に建てられ、現存する日本最古の木造湯宿建築と伝えられています。

ファンの間では、もっとも「千と千尋らしい」温泉のようです。

「積善館」がモデル?と言われている場所は、ほかにもハクと千尋が渡る赤い橋や油屋にある女中部屋、現実世界を離れる際に通るトンネルなどがあるようです。

この建物は昼と夜で雰囲気が違う、と言われており、そんなところも『千と千尋』そっくりですね。

また、四万温泉に向かう国道353号に設置されているメロディラインの曲は、主題歌『いつも何度でも』。

聖地を訪れるファンにとっては嬉しいおもてなしですね。

長野県渋温泉・歴史の宿金具屋

こちらも非公式ながら油屋そっくりの外見で、ファンが聖地として訪れる場所です。

油屋の造形にあたり、宮崎監督は公式の場所以外にも、さまざまな温泉宿を参考にしているとか。

きっとこの「金具屋」さんも目にしたことがあるのではないでしょうか?

昭和11年に完成した木造四階建ての「斉月楼」と「金具屋大広間」は、国の登録有形文化財にも指定されています。

昭和ロマンあふれる外観と内装は、油屋を訪れる神様のような気分になれそうですね。

岡山県湯原温泉・元禄旅籠油屋

こちらは外観がやや違うものの、名前がずばり「油屋」という温泉旅館です。

全7室のこじんまりとした旅館ですが、明治時代の建築をリニューアルした館内の雰囲気はまさに『千と千尋』。

関西では有名な温泉どころでもあり、のんびりとお湯を楽しむ神様たちにぴったりですね。

山形県・銀山温泉

大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造多層の旅館が川に沿って立ち並ぶ様子は、ノスタルジックな大正ロマンを感じられます。

油屋の造形にもよく似ていますね。

台湾・九份(きゅうふん/ジョウフン)

ジブリ公式では認められていないものの、ファンの間では「これこそ”千と千尋”!」と呼ばれているのが台湾・九份。

細い路地の階段に沿って建つ古い館や、夕方になると提灯に灯がともるノスタルジックな風景は、よく写真で目にした人もいるのではないでしょうか?

有名なこの建物は茶藝館・阿妹茶酒館。

日が完全に暮れる前の少し明るい時間帯に写真に撮ると、そこはかとない怪しい雰囲気はまさに『千と千尋』の世界。

しかし実際は、宮崎監督は背景美術にかなり細かい指示をしており、瓦屋根の角度ひとつにも容赦ないチェックがあったそう。

「屋根の角度が違う」「これでは中国だ」と言ったこともあったそうで、監督の中では『千と千尋』の世界は明確に「日本の町」という設定があったようです。

とはいえ台湾・九份の街並みも『千と千尋』らしさを楽しめることは間違いなく、あの怪しくも楽し気な雰囲気を味わいに訪れるファンも多いようです。

まとめ

「千と千尋の神隠し」の舞台・油屋のモデルになった場所はジブリから公式で発表されている場所と、非公式で「モデルではないか?」と言われている場所がある。

ジブリから公式で発表されているモデルとなった場所は、江戸東京たてもの園・目黒雅叙園(めぐろがじょえん)・愛媛県の道後温泉本館。

ジブリから公式で発表されていないものの、千と千尋の世界観と似ていると言われているのが、群馬県四万温泉の積善館・長野県渋温泉の歴史の宿金具屋・岡山県湯原温泉の元禄旅籠油屋・山形県の銀山温泉・台湾の九份(きゅうふん/ジョウフン)。

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