2001年に公開された『千と千尋の神隠し』。
日本のさまざまな神様が登場する大ヒット作品ですが、中でもインパクトが強いのが「大根の神様」。
大根の神様の名前は?
いったいどんな神様なの?
そのほか神様の言い伝えやネットの評判もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【千と千尋の神隠し】大根の神様の名前は?
おしらさま
これは「おしらさま」といって、大根の神様です。頭には大根の葉っぱもついています。#千と千尋の神隠し #千と千尋 pic.twitter.com/VtJOI52qBW
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) August 16, 2019
頭に赤い盃(さかずき)、腰には赤いフンドシを付けている巨大な大根の神様。
盃からは葉っぱの髪の毛も見えます。
湯婆婆(ゆばーば)のところに向かう千尋といっしょにエレベーターに乗り、さりげなくかばってくれる優しい心の持ち主。
足音はとても可愛く「キュピッ、キュピッ」。
「おしら様」と名前がついていますが、本編で名前を呼ばれることはありません。
油屋のお客のひとりで、農耕をつかさどると言われています。
ほとんどしゃべらず、「ウ~~~」などの音を発するだけのため一見不気味な存在ですが、トトロのように善良で子ども好きな面も持っています。
油屋の世界では異分子の千尋を動じることなく受け入れ、わずかながら手助けしてくれるシーンも。
本編では千尋といっしょにエレベーターに乗り、湯婆婆のいる最上階まで連れて行ってくれるという役割。
出番はほぼそれだけなのに不思議な存在感があり、視聴者人気も高いキャラ。
#ジブリ映画の好きなシーン
千と千尋の神隠し、腐れ神が川の主様になって飛び去った後、事態を見ていた神様達が踊り出すシーンで、おしら様(盃かぶった大根みたいな神様)が扇持って踊ってる所。その後も何かと優しい pic.twitter.com/tqyYGzrMm2— 安酉鵺 (@AtoriNuE) September 12, 2019
オクサレ様が汚れを落とし帰る時には扇子を持って舞い踊ったり、手を振って見送ったりする様子も映ります。
物語ラスト、千尋が解放され戻る時も油屋の2階から見送っているなどただのモブ神さまではないようです。
千と千尋のエンドロール見てたら安田顕の名前があってビックリした。ググったら、大根の神様の声だって!って、大根の神様セリフあったっけ?
— ちゃうちゃう遺伝子おすそ分け奥 (@chikusakana) August 16, 2019
CVが最近人気のある安田顕さんで驚いたという人もいるよう。
セリフはほとんどないのですが、どこでしゃべっていたのか探すのも面白そうですね。
おしら様の由来
この千尋を結果的に助けてくれた、無口な謎の大根みたいな人は、「おしら様」という東北地方の神様で、家内安全などを司るが、特性として「子ども好き」であり、幼子の守護者でもあるのね。 #千と千尋 pic.twitter.com/27jbkDIQuf
— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) August 16, 2019
一般に知られている「おしら様」は、映画に出て来るおしらさまとは違っています。
また女性や子供を守る神、目の神とも言われています。
おしら様は
「オシンメ様」「オシンメイ様」「オコナイ様」「オシラホトケ」「オシラガミ」
とも呼ばれています。
おしら様のご神体は、桑の木で作った30cmほどの棒の先に男女の顔を書いたり彫ったりしたものが多いようです。
その顔を書いた棒に、布の服を多数重ねて着せたものが「おしら様」と呼ばれ祀られています。
おしら様のご神体は男女だったり馬と娘だったりとさまざまですが、基本的には2体で1対とされることが多いようです。
また家の守り神なので、神棚や床の間などの重要な場所に祀られていたようです。
おしら様のいいつたえ
伝承園の中にあるおしら堂。おしら様という神様のご神体である木彫りの像(と布で1セット)が千体展示されている
布にお願い事を書いて像にかけることができるので先達の絵もあったことだし自分も描いてみた
この時は寒かったんで手が震えてちょっと厄介だった pic.twitter.com/LBPhwBixKr— 寝好き (@riuha1000) April 28, 2019
東北地方の「おしら様」のいいつたえは、悲恋の物語ともいえるものです。
その家は一頭の牡馬を飼っており、娘はその馬ととても仲が良かったのです。
毎日馬の世話をし、厩舎でいっしょに寝るほどのむつまじさで馬も娘によくなついていました。
そしてとうとう、娘と馬は夫婦となってしまったのです。
そのことを知った父親は激怒し、馬を殺して木に吊り下げました。
娘が泣いてその亡きがらにとりすがると、父親は更に怒って馬の首をはねてしまいました。
その瞬間、はねられた馬の首に娘が飛び乗り、首は天高く舞い上がります。
そのまま娘を乗せて空の上へと昇って行き、二度と帰ることはありませんでした。
この首が「おしら様」になったと言い伝えられています。
そのためおしら様のご神体は、馬と娘の2体で1対となっているのです。
これらの伝承は、民俗学者の柳田國男氏による「遠野物語」で有名になりました。
馬は当時の生活に深く結びついた動物であり、農民や武士からもとても大切に扱われてきました。
異種族婚姻譚は悲恋となることが多いですが、その後神として祀られ、民俗信仰として今でも愛されている存在なんですね。
『千と千尋』のおしら様は大根の姿をしており、伝承のおしら様とはかなり違う見た目です。
おしら様は農業の神様という側面もあるため、キャラクターデザインの時に農作物の大根をモチーフにしたのかもしれませんね。
また女性や子どもを守る神様という面が、千尋を手助けしてくれるシーンにつながったのかもしれません。
実際のおしら様と見た目は違いますが、性格は同じく優しい神様といえそうですね。
おしら様が養蚕の神といわれている理由
今日は おしら様の日
蚕の神 農業の神 馬の神
普段は箱にしまっておくのですが、今日は精進料理でお供えです😊 pic.twitter.com/xPFE4YuPyW— つぐみ (@HiroTattsu) November 15, 2019
ところでなぜおしら様が「養蚕の神様」として信仰されているのでしょうか?
それは伝承の続きからと言われています。
最愛の娘を失った両親は、悲しみにくれていました。
ある日、天に昇った娘と馬がふたりの夢枕に立ちます。
「土間の臼の中に、馬の首の形をした白い虫がわく。その虫は『蚕(かいこ)』という。桑の葉を食べさせて、私の代わりに大切にして欲しい」
両親が目を覚ますと、たしかに臼の中に白い馬の首に似た虫がいました。
ふたりは娘の言葉通りに蚕を大切に飼い、これが養蚕のはじまりとなったと言い伝えられています。
蚕は「天の虫」と書きます。
白い馬の首に似ているというのは「??」という感じですが、胸部の【】の模様は馬のひづめに似ている気がしますね。
まとめ
「千と千尋の神隠し」に登場する、千尋を助けてくれる大根の神様の名前はおしらさま。
おしら様は東北地方で広く信仰されている神様で、映画に出てくる大根の姿とは違う。
主に家のこと、養蚕(ようさん)や農作、馬の神様として崇敬されている。
「おしら様」のいいつたえは、悲恋の物語ともいえるものが伝わっている。
おしら様が養蚕の神といわれている理由は、伝承の続きからと言われている。
「千と千尋の神隠し」を見逃してしまった人、もう一度みたいなあ・・・という人へ。
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