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【ゲド戦記】クモの正体は?最後のセリフやハイタカとの関係についても

映画

2006年に公開された宮崎吾朗初監督映画「ゲド戦記」。

黒幕であるクモは、アレンやハイタカを苦しめます。

女性に見えるけど、本当は?

クモの正体やその最期のシーン、ハイタカとの関係もまとめてみました!
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【ゲド戦記】クモの正体

ロークの大魔法使い

クモの正体は「死」をおそれ、永遠の命に執着するロークの大魔法使いです。

ロークは魔法で守られた国で、クモは魔法学校で学んだ正式な魔法使いです。

魔法学校は誰でも入学できるわけではなく、ロークの魔法術をきわめた魔法使いはエリート中のエリート。

クモは港町ホート・タウンで最後まで残った「ただ一人魔法の使える魔法使い」と言われ、人々から恐れられています。
(ほかの魔法使いたちが魔法を使えなくなっているのはクモが原因)

かつてハイタカ(ゲド)とはロークで学んだ同志でしたが、クモは禁忌の魔法に手を出してロークの賢人から追放され、ハイタカは大賢人として魔法使いのトップとなりました。

禁忌の魔法とは、死んだ人間をあの世から好き勝手に現世に呼び出すこと。

人がお金を支払いすれば、誰でも望み通りの人間を呼び出したのです。

しかし自分の師の魂を呼び出され激怒した若き日のハイタカによって、クモは無理やり黄泉の国まで連れていかれ、恐怖のどん底に叩き落されました。

改心を約束し西へ去ったクモでしたが、心の中ではハイタカを恨み、復讐の機会をずっと狙っていたのです。

ハイタカとクモの関係

宿敵。

かつては同じロークの魔法学校で学んだ同志でした。

クモは禁じられた魔法を使ったためロークの賢人の座から追われ、ハイタカは大賢人となりました。

クモはロークを追われたのはハイタカのせいだと逆恨みしており、改心したと見せかけ西に退いたあとも、ハイタカに強い復讐心を持っていました。

物語序盤でウサギ(クモの手下)が「顔に傷あとの残る魔法使いが・・・」と報告すると、「大賢人がやって来たか・・・」「再会を喜ぼうぞ、ハイタカ」とほくそえみます。

ロークを追われた後、お互いに会うことはなかったようです。

昔と変わらず邪悪な考えを持つクモは、ハイタカと因縁の対決をすることになりますが、実際に戦うのはアレンでした。

クモはテナーとアレンを使ってハイタカを城におびき寄せます。

「黄泉の国の境で別れて以来だな!魔法の知識におぼれ、死者はおろか生きた人間の魂までもてあそんだこと、悔い改めたのではなかったか!」とハイタカに言われ、笑うクモ。

「私はけっして死など受け入れない」「私はとうとう生み出したのだ。最大にして最終の魔法をな。この魔法で、この世が始まったときから閉じていた『生死両界を分かつ扉』をこじ開けてやる」とハイタカに宣言します。

クモが生死両界の扉(黄泉の国の境)を開けようとしているせいで、竜が共食いをしたり、魔法使いたちが魔法を忘れてしまい、天災や疫病が流行るなど世界の均衡が崩れていたのです。

「私は不死を手に入れ、永遠不変の存在になるのだ」
「俺はお前たちのような価値のない存在ではないのだ。あらゆる知識を学びつくし、力を手に入れた至高の存在よ」
「見返してやる。永遠不変の命を手に入れ、世界で唯一の賢人となってやる!」

・・・主張はよくあるRPGの魔王というかんじで新鮮味はありませんが、逆に「ゲド戦記」が現代のさまざまなファンタジー作品の源流ともいえるので本家本元の魔王と考えるとすごいですよね。

見た目は女性のようで、声優も田中裕子さんのため女性に思えますが男性。

クモという名もおそらく通称で、真の名(まことのな)は別にあると思われます。

クモの最後のセリフ

液状に変身し、テルーをさらって塔の上に登っていくクモ。

アレンは必死に後を追います。

今までの好戦的なクモとは違い、テルーの首に手をかけながらも「コワイ、コワイ…コワイ…」とつぶやいています。

暗い穴のような目は、どこか迷いがあるようにも見えます。

「クモ、お前は僕と同じだ!光から目をそむけて、闇だけを見ている!」
「ク…クルナ…」
「死を拒んで、生を手放そうとしているんだ!」
「目を覚ませクモ!怖いのはみんな同じなんだ!」

アレンの叫びに、「イヤダ…ナクナルノハ…イヤダ…」と苦しむ様子も見せます。

しかしどうしても執着を捨てられないのか、テルーの首を締め続けるクモ。

アレンの足元の床に魔法をかけて崩し、落下させようとします。

「オチロ!オチロ!」
「ジャマスルヤツハ キエテシマエ!」

腕の筋肉を膨らませ、テルーの首をさらにきつく締めあげます。

「やめろ!テルーを殺すな!」

しかし次第に青ざめていくテルー。

やがて体から力が抜け、床に崩れ落ちます。

「シンダ、シンダ、カワイソウ…」

朝が来る、と身を隠そうとするクモの背後で声がします

「待ちなさい」

そこには、起き上がるテルーの姿が。

太陽が顔を出す直前の光を背にして、赤く輝く強い目をクモに向けます。

「永遠ノ命ダ…」

魅せられたようにヨロヨロとテルーに向かって歩み寄るクモ。

殺したはずのテルーが立ち上がったのを見て、永遠の命を持っていると思ったのです。

「イ、イノチヲクレ…」

しかしテルーは拒絶します。

「影は闇に帰れ!!」

テルーの髪が大きく広がり、背にした太陽が巨大な翼の形となり、火の粉をまき散らしながら竜の姿に変わっていきます。

それでもフラフラと近づくクモは、執着にとらわれた亡霊のようです。

「イノチ…、イノチヲヲヲヲヲ!!」

言いかけた瞬間、竜の吐く激しい炎につつまれるクモ。

「ギャアアアアアアア―!!」

体が激しく燃え上がり、絶叫がこだまします。

燃えながら後ずさり、竜をきっかけに崩落が始まっていた塔の上から落下していきます。

塔の下は湖。

求めていた「永遠の命」から拒絶され、全身を焼かれながら墜落死するという、黒幕にふさわしい最期となりました。

まとめ

「ゲド戦記」のクモの正体はロークの大魔法使い。

「死」をおそれ、永遠の命に執着している。

死んだ人間をあの世から好き勝手に現世に呼び出す、クモは禁忌の魔法に手を出している。

ハイタカ(ゲド)とクモの関係は宿敵で、かつては魔法をともに学んだ同士でもある。

クモは禁じられた魔法を使ったためロークの賢人の座から追われ、ハイタカは大賢人となった。

その事をクモは逆恨みしている。

クモの最後は竜になったテルーにより「永遠の命」から拒絶され、全身を焼かれながら墜落死する。

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