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【ミステリというなかれ】ライカの正体は?ネットの考察についても

2022年1月からフジテレビ・月9で始まったドラマ『ミステリと言う勿れ』(ミステリというなかれ)。

入院中の主人公・久能整(くのう ととのう)の前にあらわれるミステリアスな美女・ライカ。

実は彼女には驚きの過去と秘密があります。

ライカの正体は?

そのほかライカの正体についてのネットの考察もまとめました。
(作品の重大なネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【ミステリと言う勿れ】ライカとは

主人公・久能整(くのう ととのう)が、爆弾魔の事件に巻き込まれた(?)時に入院した病院で出会う女性です。

ミステリアスなロングヘアの美女で、長期入院をしていると語るライカ。

整くんに興味を持ち、難しい暗号を使って話しかけてきます。

その暗号とは、マルクス・アウレリウスの「自省録」を暗記し、そのページ数や行数を使って文章を作るというもの。

すごい記憶力ですね!
(それを解いていっしょに会話する整くんもすごい!)

暗号以外にも謎めいたセリフが多く、ネットでも話題になっていました。

当初ライカについて分かっていたのは

①妹(千夜子/ちやこ)がいる
②”頭の病気”で長期入院している
③食事制限などはない。元気に歩き回れる。
④見回りの隙を見て病院から抜け出している(午後3時ごろや深夜)
⑤「自省録」の文章を暗号にして会話する
⑥手首にたくさんのリストカット跡がある
⑦「春になる頃にはいない」

整くんとの会話の様子から、彼よりも深い知識や洞察力を持っていそうなライカちゃん。

原作8巻で、ついにその正体が明らかになりました。

【ミステリと言う勿れ】ライカの正体

千夜子が性的虐待の苦しみから逃れるために作り出した人格のうちのひとり。

二重人格というよりは多重人格。

「春には主人格(千夜子)と統合されて消える」と医者と約束している。

原作第4巻から登場するライカちゃん。

その後もたびたび登場し、整くんと事件に巻き込まれたりなど、意味深な行動やセリフで人気キャラに。

ストーリーが進むにつれ、少しずつその過去が明らかになっていきます。

原作5巻「炎の天使」事件の真相は、親から虐待されている子どもが落書きをし、それを目印に犯人が家に放火をするというものでした。

ライカちゃんはその事件の終わりに「感謝する。君の火に助けられ、苦悩は過ぎ去り、私は喜びに満ちている」と暗号で伝えます。

その言葉を解読した整くんは「ライカもかつて炎の天使を呼んだことがある」「親から虐待されていたのでは?」と考えます。

ライカはそれを否定せず、ただ「千夜子はそのことを知らない」と答えました。

整くんはライカの妹・千夜子が虐待を受けていたと考えていましたが…。

それからもとある事件をともに解決するふたり。

心の距離が縮まっていきますが、ライカちゃんは相変わらずミステリアスな存在です。

そして原作8巻でついにライカちゃんの正体が明かされます。

病院でライカちゃんそっくりの車いすの女性に出会った整くんは「千夜子さん?僕千夜子さんのお姉さんの…」と挨拶しますが、

「この子に姉はいません」

と返されてしまいます。

その後、いつもどおり会ったライカちゃんに、「双子だったの?」と尋ねる整くん。

そこでライカちゃんの口から衝撃の事実が語られます。

実はライカは千夜子の「解離性同一性障害」から生まれた人格のひとり。

千夜子は一般的には「多重人格障害」として知られる患者だったのです。

主人格である千夜子は、幼少の頃から父親の性的虐待を受け続けていました。
(母親は見て見ぬふり)

「我々は いわゆるサンドバッグだ」
「千夜子は耐えて、耐えて耐えて ある日とうとう逃げ込んだ」
「わたしが代わりに出た」

その時父親が化け物に見えた、というライカちゃんは千夜子の代わりに痛みを引き受けるために生まれました。

ライカちゃんがいちばん初めに生まれた人格で、その後どんどん別の人格も生まれたようです。

「千夜子はすぐ死にたがるから、みんなで必死におさえつけて眠らせて」
「誰かが前に立った」

そして「炎の天使」によって両親が死んだあと千夜子は入院し、「楽になった」とのこと。

他の人格たちは徐々に千夜子に統合されて消えていき、今はライカちゃんだけが残っているようです。

「わたしも春には統合されていなくなる」
「先生と約束してる」

ライカちゃんが「春にはいなくなる」と言っていたのは、余命宣告ではなく「千夜子の人格に統合されて消える」ということだったんですね。

もともとの人格・千夜子は車いすで生活しており、ライカと同じ美しい顔立ちですが、無表情で感情の起伏もなく、いわゆる植物状態にみえます。

ライカちゃんによると「歩けない」と思い込んでいるそう。

ライカちゃんがしょっちゅうベッドを抜け出して歩き回っているのは、千夜子の弱った脚を鍛えるためだそうです。

ライカの名前の由来

ライカ(千夜子)の父親はクズでしたが、唯一大事にしているものがありました。

それがライカのカメラ。

ライカ(LEIKA)といえば、1868年にライツ社から発売され、「世界でもっとも多く愛されている」と言われているカメラ。

写真愛好家からは「憧れ」「いつかは欲しい」とたたえられているカメラであり、「ライカそのものがアート」とも。

千夜子と交代したライカちゃんは、父親の虐待を受けながら「カメラが見えた」「カメラになろうと思った」と語ります。

「そうしたら 痛くも 苦しくもないからな」
「父が唯一大事にするカメラになりたいと どこかで思ってたのかもしれない」

吐き気がするな、と自嘲するライカちゃんですが、本音だったのかもしれませんね。

解離性同一性障害(多重人格)の症例

MSDマニュアル家庭版によると、「解離性同一性障害」は小児期に圧倒的なストレスや心的外傷(トラウマ)を経験した人が発症するそうです。

アメリカ、カナダ、ヨーロッパでは、この病気を持つ人の約90%が小児期にひどい虐待(身体的、性的、情緒的虐待)やネグレクト(育児放棄)を受けていたという報告があるそうです。

また虐待は受けていないものの、幼少期に大切な人を亡くしていたり(親との死別など)、重い病気などで圧倒的なストレスがかかる環境で発症した人もいるようです。

ライカちゃん(千夜子)は、幼少期の父親による性的虐待が原因で発症したと考えられます。

「解離性同一性障害」の典型的な症状として
①健忘
②複数の人格(憑依型・非憑依型)
③重度の頭痛など他精神障害・身体疾患の症状、自傷行為、自殺行動

などが挙げられています。

ライカちゃんも作中で

「わたしは千夜子を見ているが 千夜子はわたしを見ていない」
(主人格の千夜子はライカちゃんの存在を知らない)
「だから(千夜子は)整くんのことを知らない」

と言っています。

これは①健忘と②複数の人格(憑依型)の症状になるようです。

①健忘
自分がしたことを覚えていなかったり、自分の行動の変化を説明できなかったりします。
過去の個人的な出来事、幼少期や青年期の一定期間の記憶が空白だったり、記憶にないことを言ったりしたりしたと他人から指摘されることもあるようです。

長い期間にわたり激しい苦痛を受けたり、何度も衝撃的な体験をすると、その度に解離が起こり、苦痛を引き受ける別の自我が形成されます。

その間の記憶や意識はその別の自我が引き受け、もとの自我には受け継がれません。

それぞれの自我が独立した記憶を持つようになってしまいます。

またライカちゃんは②複数の人格(憑依型)と考えられます。

憑依型は、別の人格の存在が家族や第三者にもはっきり確認できます。

明らかに普段と違う言動や行動がみられ、まるで別の人間や存在が乗り移っているように感じられます。

複数の人格の中には、ほかの人格が知らない重要な個人情報を知っている人格がいることがあるそうです。

ライカちゃんは千夜子の苦しみや痛みを引き受けるために生まれた人格で、いつも千夜子のことを心配し、自分たちを統合させようとする医者にも協力的な存在です。

もしかしたら他の人格たちのリーダーだったのかもしれません。

自分の存在が消えることも受け入れているため、達観したセリフには少し物悲しさも感じますね。

解離性同一性障害(多重人格障害)の症例で有名なものは、1977年アメリカで起きた「ビリー・ミリガン事件」です。

日本でも「24人のビリー・ミリガン」(ダニエル・キイス著)として有名になりました。

この事件も幼少期に実父が自殺し、義父から受けた身体的・性的虐待が原因で23人の人格が生まれてしまった青年が、強盗強姦事件を起こして裁判にかけられることで「解離性同一性障害(多重人格障害)」が広く知られるようになりました。

ビリー・ミリガンには、暴力的な人格や退廃的な人格などさまざまな性格の人格があらわれています。

ライカちゃんのように主人格を守る保護者的な人格もあり、医者にも協力的で、最終的に24人の人格は統合されています。

【ミステリと言う勿れ】ライカの正体のネットの考察

ライカちゃんが登場してから、ネットでは彼女の正体についてさまざまな考察がされていたようです。

原作8巻で正体が明かされた時には「意外とあっさり」「正体が分かったようなまだ分からないような…」という感想があったようです。

原作5巻~6巻の時点で、「多重人格では?」と見事に正体を当てている人もいました。

一方で「現実に二重人格なんてありえるの?」という疑問を持つ人や、現代の精神医学では、「トラウマで多重人格になるのは古いのでは?」という意見もあるようです。

MSD家庭版や厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、解離性同一性障害の原因として「子ども時代に抵抗能力をはるかに超えた激しい苦痛や幼児虐待によるトラウマによって、ひとりの人間の中にまったく別の人格が複数存在するようになる」と提唱しています。

学説が古いとまでは言い切れないようですが、現在でも発生の原因や進行過程などが研究の途中であるため、治療法が確立していないとのこと。

ライカちゃん(千夜子)はきちんとした治療が受けられ、人格統合も無事に進んでいるようなので、幸運な例なのかもしれませんね。

ドラマ版『ミステリと言う勿れ』では、女優の門脇麦さんがライカ役を演じてくれます。

どんなライカちゃんが見られるのか楽しみに待ちたいと思います。

まとめ

実写ドラマ化された「ミステリと言う勿れ」に登場するライカとは、主人公・久能整が、入院した病院で出会う女性。

「自省録」を暗記し、そのページ数や行数を使って文章を作るミステリアスな女性。

ライカの正体は、千夜子が性的虐待の苦しみから逃れるために作り出した人格のうちのひとり。

千夜子は「多重人格障害」として知られる患者だった。

ライカの名前の由来は、クズの父親が唯一大事にしていたライカのカメラから。

 

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