動物に育てられた少年モーグリのアドベンチャー映画「ジャングル・ブック」。
驚異のCG技術で表現された動物たちの圧倒的な迫力に目が釘づけになりそうです。
今作の悪役(ヴィラン)は廃墟に棲む狡猾な大猿。
オランウータンに似ていますが、大きさがかなり違うような・・・?
この大きな猿の名前と、種類が気になって調べてみました!
「ジャングル・ブック」実写映画に出て来る猿の名前は?
実写版の「ジャングル・ブック」に出てくる猿の名前はキング・ルーイ。
ジャングルの奥、廃墟になった巨大な寺院に棲み、何百匹ものサルたちを統治する王にして、伝説の巨大類人猿「ギガントピテクス」の生き残り。
そのため、実在のサルよりもかなり大きく、身長は約3.7mもあります。
実在するサルの仲間で最大種のゴリラは身長がおよそ1.6~1.7m。
この2~3倍あると思うとすごいですね!
見た目はオランウータンによく似ています。
キング・ルーイは人間のような強い支配力を得てジャングルに君臨するという野望を持ち、人間の持つ「赤い花」=【火】を手に入れればその力を得られると考え、主人公モーグリを意のままに操ろうと狡猾に近づきます。
キング・ルーイは劇中で歌も歌うのですが、意外と陽気なナンバーです。
でもちょっと怖い雰囲気もあるのは、裏にルーイの欲望や怒りが透けて見えるから。
ヒトに近い知能を持つサルならではの怖さでもありますね。
伝説の巨大類人猿ギガントピテクスって?
そういえばディズニーの実写『ジャングル・ブック』に登場した猿の王「キング・ルーイ」、普通に巨大オランウータンだと思ってたら実は違って、公式には類人猿「ギガントピテクス」らしい。身長3mにもなる巨体の持ち主だが、その大きさが仇になって、気候の変動に適応できず絶滅してしまったという。 pic.twitter.com/4EkMTFC4k7
— ぬまがさワタリ@『ふしぎな昆虫大研究』 (@numagasa) November 4, 2017
ヒト上科の絶滅した属のひとつであり、大型類人猿。
今から約100万年前に、中国やインド、ベトナムなどの熱帯雨林に生息していたと考えられています。
1935年に香港の漢方薬局で「竜骨」として売られていた大きな臼歯が発見され「ギガントピテクス」(巨人猿)と名付けられました。
でも現在見つかっている化石はたった3個の下あごと歯のみで、まだまだ謎の多い存在。
下あごの化石は私たち人間の2倍以上の大きさ、奥歯もひとつが2.5cm四方もある大きなもので、このことから身長は立ち上がると3mにも達していたと推測されています。
また近縁種の化石から予想される体重はおよそ300~500kg。
最大のものは約550kgまで成長すると推定されるそうです。
現在霊長類最大の体格を持つのはゴリラですが、そのゴリラでも身長は1.6~1.7m。
体重は180kgほど。
そのおよそ倍近い身長と体重なんて、まさに「大型巨人」ですね!
そんなちょっと怖いギガントピテクスですが、生態はオランウータンに近く、四足歩行で移動しながら、主に木の実や果実、竹などを食べて生活していたと考えられています。
オランウータンは穏やかな性質なので、ギガントピテクスもあまり攻撃的ではなかったかもしれません。
これまでに確認されたヒト上科の中でもっとも大型であり、史上最大の霊長類ですが、約30万年前あたりを境にして確認できなくなっています。
絶滅した理由はさまざまに考えられますが、主な理由は「体が大きすぎたために環境の変化についていけなかった」というもの。
約20~10万年前、地球上に大きな気象の変化があり、温暖だった気候が徐々に寒冷化していきます。
熱帯雨林だった地域も多くが草原に変わってしまいました。
ギガントピテクスは巨体を維持するために毎日たくさん食べる必要があったため、食糧不足が原因で絶滅してしまったと考えられています。
まだまだ謎の多いギガントピテクスですが、人間の直接の先祖というわけではなく、ヒトとは違った系統をたどった霊長類のようです。
「オランウータンよりはヒトに近く、ゴリラほどは近くない」と言われています。
(分かりにくい・・・)
ジャングルブックのほかにも「キングコング」(2005)や「恐竜惑星」(1993)などに登場し、イエティやビッグフットのようなUMA(未確認動物)の正体と考える人もいるようです。
もし本当にギガントピテクスが生き残っていたら…と思うと、ロマンのある存在ですね。
アニメ版のオラウータンから設定が変わった理由
1967年公開のアニメ版では同じようにサルたちの王という設定で「オランウータン」として描かれています。
なのに、どうして今回の映画では「ギガントピテクス」に変更されてしまったのでしょうか?
実はもともとの原作「ジャングル・ブック」では、「キング・ルーイ」は存在しません。
アニメ化にあたり、ディズニーが独自に追加したキャラクターなんです。
今回実写化する際、この過去に設定した「オランウータン」というキャラが製作スタッフを悩ませていました。
何故かというと、舞台であるインドのジャングルに「オランウータンは生息しない」からなんです。
なんという根本的ミス・・・!
でもあきらめないスタッフたちは「インドに『巨大類人猿ギガントピテクス』の痕跡がある!」ことをつきとめ、キング・ルーイをその生き残りとして置き換えたのです。
ファンタジー映画ながら、リアリティにも手を抜かないディズニーの執念ですね。
ほかにも魅力的な動物がたくさん!
【ジャングル・ブック】
ジャングルに人間の赤ん坊がたった一人取り残されてしまう 一人ではジャングルの中で到底生きられない幼い命を救ったのは黒ヒョウのバギーラだった
子どもを抱えるオオカミに託され、ジャングルの子として育っていった pic.twitter.com/a4jGH2aDRP— オススメ超名作映画! (@introduceM) May 25, 2022
今作最大の見どころは、「いろいろな動物のリアルな様子」が楽しめるところ。
びっくりするのはすべてCGIアニメーションで作られたCGの動物なのに、ものすごくリアルです!
動きや表情、毛並みまで本当に本物みたいな質感ですよね。
主人公モーグリの親代わりの黒ヒョウやオオカミは堂々としていてかっこいいし、敵役のトラは本物にしか見えません。
カメからインコからスイギュウ、ゾウまで大小たくさんの動物がにぎやかに登場するので、動物好きな人にもおすすめです。
まとめ
「ジャングル・ブック」実写映画に出てくる猿の名前はキング・ルーイ。
キング・ルーイは、身長は約3.7mで伝説の巨大類人猿「ギガントピテクス」の生き残り。
原作のジャングル・ブックではキング・ルーイは存在しない。
ディズニーアニメ版の「ジャングル・ブック」で作られたオリジナルのキャラクター。
アニメ版ではオラウータンとして描かれていた。
ジャングル・ブックの舞台のインドではオラウータンは生息していないため、急きょ設定をギガントピテクスに」変更した。
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