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【22年目の告白】里香はなぜ殺された?その理由やネットの意見も

映画

2017年に公開された入江悠監督作品『22年目の告白』。

2012年の韓国映画『殺人の告白』をリメイクしたスリラー映画で、日本版は社会派サスペンスとしても高い評価を受けています。

連続殺人事件・第6の事件の被害者として殺害された牧村里香(石橋杏奈)。

彼女は「目撃者」のはずなのに、なぜ殺されてしまったのでしょうか?

その理由やネットの意見もまとめました。
(作品の核心にせまる重大なネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【22年目の告白】里香が殺された理由

真犯人の計画が狂ったから

もともと真犯人・仙堂(仲村トオル)の計画では、里香(石橋杏奈)を「目撃者」として生かし、殺すつもりはありませんでした。

仙堂の起こした連続殺人事件には、独自の美学に基づいた”ルール”がありました。

1:後ろから縄で締めあげる
2:殺害する瞬間を、被害者のもっとも親しい人間に見せる(目撃者をつくる)
3:目撃者をあえて殺さず、メディアに犯行を証言させる

この3つの”殺人ルール”にのっとり、罪のない人々を次々に殺害していきました。

とくに2の「被害者にとって家族相当の者に殺害を目撃させる」というこだわりは強く、殺害計画も綿密にたてているようです。

仙堂の起こした事件を時系列順にするとこのような流れになります。

①1995年1月4日:足立区飲食店店主殺害事件
飲食店の店主が縛られ、妻の目の前で殺害されました。
唯一遺族が登場しない事件のため詳細は不明ですが、残された妻は心労で自殺してしまったと言われています。
飲食店は親戚が継いでおり、牧村刑事(伊藤英明)が食事に訪れるシーンがあります。

②1995年2月14日:世田谷区会社員殺害事件
会社員が縛られて妻の目の前で殺害されました。
娘の美晴(夏帆)は真犯人の手によって別の場所に閉じ込められており、父親の事件で心に大きな傷を負います。
しかし牧村に支えられながら成長し、現在は書店員として働いています。
父親を殺した曾根崎(藤原竜也)の本がベストセラーになると怒りをあらわにしていました。

③1995年3月15日:銀座ホステス殺害事件
銀座の高級クラブに来ていた橘組の組長の前で、愛人のホステスが殺害されました。
愛人の子どもである戸田(早乙女太一)は、大人になってから橘組の構成員として行動するようになります。
戸田は母親を殺されたことで強い恨みを持っており、曾根崎への発砲や仙堂の殺害という行動をとります。

④1995年3月31日:練馬区病院長夫人殺害事件
病院の院長・山縣(岩松了)の目の前で妻が殺害されました。
山縣は犯人を見つけるため、曾根崎の整形手術に協力します。
この時現場に戻って来た仙堂は牧村に撃たれて肩に傷を負い、それが真犯人の証拠となりました。

⑤1995年4月27日:大田区警察官殺害事件
牧村の発砲で傷を負った仙堂はそれを恨み、次のターゲットを牧村に決めます。
自分の”殺害ルール”に従い、目撃者は牧村の妹・里香にする予定でした。
しかし現場に踏み込んだ刑事・滝(平田満)が先に罠にかかり、死亡します。

⑥1995年4月27日~4月28日:牧村里香拉致殺害事件
⑤で牧村を殺害する予定が狂い、里香を「目撃者」として生かす理由がなくなりました。
そのため、滝に続いて里香もその場で殺害します。
しかしこの時、時刻は1995年4月28日に変わっており、この事件だけは「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」により、公訴時効の適用外となったのです。

牧村は自分の妹が事件の犠牲になったことを報告しませんでした。

それは身内が巻き込まれたことを知られると、捜査から外されると考えたから。

彼は妹の婚約者・拓巳(曾根崎)とともに、真犯人を捕まえるため執念の追跡を続けます。

里香の発言を聞いて「つまらなくなった」から

仙堂は⑤大田区警察官殺害事件で牧村に肩を撃たれ、捕まりそうになります。

プライドの高い完璧主義者である仙堂は、その復讐心から牧村を殺害しようとくわだてます。

巧妙な殺害計画を立て、妹の里香を「目撃者」として拉致します。

しかし実際は牧村の上司が罠にかかり爆死。

里香はそれを高所から見ていました。

そしてその後、仙堂に絞殺されてしまいます。

物語のラスト、仙堂は拓巳(曾根崎)に対し、「里香が最後に何と言って死んだか教えてやろう」と言います。

『阪神大震災で死んだ人々といっしょに、私も死ぬべきだった』
『私ひとりが幸せになる資格はない』

里香は当時拓巳(曾根崎/藤原竜也)と婚約中であり、本来なら幸せな生活を送っていたはずでした。

しかし1995年1月に起きた阪神淡路大震災で、多くの犠牲者を目の当たりにし、鬱状態になっていたのです。

この時の里香のセリフは劇中では口パクになっており、視聴者には何を言ったのかが分からないようになっています。

心を病んでいた状態だったとはいえ、最期に拓巳(曾根崎)に対する愛の言葉がなかったのは少し悲しいですね。

仙堂は自分の美学にしたがい、「命乞いをしない、生きる気力のない者を生かしておいてもつまらない」と考え、その場で殺したようです。

ネットではこの第6の殺人だけ「ルール外」になっているという不満もあるようです。

しかし、もともとのターゲット(牧村)以外の人間が死んでしまったため、牧村のための目撃者である里香を生かす理由がないことや、「殺害ルール」と言っているのは犯人をよそおった曾根崎(藤原竜也)であり、真犯人の仙堂にとっては明確な「ルール」は存在しなかったとも考えられます。

また韓国版での真犯人はサイコパスに描かれていますが、日本版の仙堂は「戦場カメラマンの時に負ったPTSD」が理由での殺人になっています。

そのため里香を殺す理由が弱くなってしまったのかもしれません。

まとめ

『22年目の告白』は、2012年の韓国映画『殺人の告白』をリメイクしたスリラー映画。

作中、連続殺人事件・第6の事件の被害者として殺害された牧村里香は、本来「目撃者」として生かされるはずだったのになぜ殺されたのか。

里香が殺された理由は、真犯人の計画が狂ったから・里香の発言を聞いて「つまらなくなった」からというもの。

 

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