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【君の膵臓をたべたい】アニメはつまらないしありえない?感動した面白いという声も

映画

2018年に公開された劇場版アニメ『君の膵臓をたべたい』。

タイトルの印象的なフレーズと美しくも切ない物語で、原作の累計発行部数は260万部の大ヒット作品です。

ところが公開後、「つまらない」「ありえない」という声が多く聞かれています。

いったいどこがつまらないのか?
ありえないと言われるのはなぜ?

そのほか「感動した」「面白い」というSNSの評判もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【君の膵臓がたべたい】アニメはここがつまらない

原作は大ヒット作品ですが、アニメ映画を見た人からは「つまらない」「面白くなかった」という声が多いようです。

いったいどこがつまらないのでしょうか?

物語の設定が薄い・浅い

「難病もの」の感動作といえば、『世界の中心で愛を叫ぶ』が有名ですよね。

『セカチュー』に比べると、『君の膵臓をたべたい』は「薄い」「浅い」と言われてしまうようです。

ヒロイン・桜良(さくら)は「膵臓の病気」で余命宣告を受けています。

しかしそれを知っているのはクラスで孤立している主人公「僕」だけ。

明るく「僕」を振り回す桜良との青春の日々、そしてその終わりが描かれる今作、王道で感動できますが、「よくあるパターン」「ありきたり」といえばそうですよね。

「不治の病気のヒロイン」「死に別れる」というストーリーは、昔から多く書かれてきた題材であり、目新しさはありません。

また、主人公の性格や登場人物にも疑問が残ります。

他者とのかかわりを避け、友達を作らず、クラスでも浮いた存在の「僕」。

ライトノベルの主人公によくある「やれやれ系」の性格で、「無気力」「無関心」の中二病と言われています。

「やれやれ系」とは
”常に物事に対して興味を持たず消極的で、周囲が盛り上がっていてもうんざりした様子で達観しており、「やれやれ」と発言する人”

面倒くさがりだったりやる気がないため、ヒロインに振り回されがちな特徴があり、今作の「僕」にも当てはまっています。

また、屁理屈を言ったり空気を読まず正論で返したり、プライドが高いという面もあります。

しかし、なぜか周囲から好意を持たれることが多く、異性からアプローチされても無頓着な態度をとることがしばしば。

こんな性格の「僕」が、「よくある設定」「安っぽい」と言われてしまうようです。

周囲の人物もよくある記号的な描写で、桜良の親友は「桜良のことが偏執的に好き」ガムをくれるクラスメイトは、無口で不愛想な「僕」に対しても親し気など、「ライトノベルの友人」のように配置されています。

そしてストーリーの展開も「軽い」と言われています。

桜良はなぜ「僕」に興味を持ち近づいてくるのか、「僕」はなぜ人と距離をとり、関わらないように生きているのか、余命が少ないはずの病気の症状や、意図的に登場が遅い「僕」と桜良の親など、物語に厚みを持たせるようなエピソードがほとんどありません。

これは元々、原作が「小説家になろう」(小説投稿サイト)に投稿されていたもので、文字数の制約や起承転結などがなく、作者が好きなように書いていたものを映画化したために、ざっくりしたダイジェストのようなストーリーになってしまったのではないかと言われています。

テンポが良く、中だるみや無駄な引き延ばしはありませんが、その分余韻も少なく、深さを感じられるような描写にはなっていないようです。

また実際の病人なら「こんなことはしない」「これをしたら迷惑がかかる」という行動も数多くあり、医療従事者が見たら頭を抱えそうな描写もあります。

物語のおいしい展開(?)のためだけに、ヒロインに考えなしの行動をさせるという脚本も「軽い」「安っぽい」と言われているよう。

総じて「難病もの・死に別れるヒロイン」「主人公や周辺人物の設定」「ヒロインの病気の設定」「ざっくりしたストーリー」などが「よくある」「軽い」「安っぽい」として「つまらない」「面白くない」と言われてしまうようです。

現実味がなく嘘っぽい

いちばんに挙げられるのが、「膵臓の病気」にリアリティがないこと。

原作者の住野よるさんは、Twitterで桜良の病を「架空の病気」と説明しており、実在の病気ではないとしています。

しかし、視聴者としていちばん気になるのはそこですよねw

物語の根幹である「膵臓の疾患で余命数年」という設定に現実味がなく、あやふやなため、視聴者が受け入れにくいようです。

主人公の「僕」がヒロインと出会うきっかけやヒロインの行動原理も、この「病気」が元になっています。

にも関わらず、桜良の具体的な病名や症状は作中でまったく触れられていません。
(架空だから…)

タイトルにも関わる桜良の膵臓がどのように悪いのか、どんな症状なのか、視聴者には分からずモヤモヤしたままストーリーが進んでいきます。

作中で桜良は自分の病気について、
「13~15歳で膵臓疾患を指摘される」
「かかりつけ医から余命数年と宣告を受ける」
「あと数年で死んじゃう」
「現在定期通院で治療中」
「ちょっと前まで判明した時にはほとんどの人がすぐ死んじゃう病気の王様だった」
「自覚症状はとくになし」

という言い方をしています。

実際に「余命宣告を受けるような膵疾患」を調べると、まず考えられるのは「膵臓がん」ですが、おもに40代以上の発症例が多い病気であり(40代未満の発症率は1.5%)、また劇中での桜良の行動(飲酒・病院抜け出しなど)を見ていると、とてもがん治療中とは考えられません。

「膵臓がん」の場合、初期には症状が出ないこともあるそうですが、診断後数年たっても何の自覚症状もないことはまずなく、腹痛や背中の痛み、黄疸などが出ていないのは不自然だそうです。

またがんの化学療法を開始しているなら、外来受診だけで治療ということはありません。

そのほか「I型糖尿病」(生まれつきの糖尿病による膵臓の合併症?)、「慢性膵炎」(突発性)なども考えられますが、こちらは桜良の年齢からしても「余命宣告」を受けるような病気ではありません。

原作者に医療的知識がなく、また詳しく調べて書くこともしなかったためか「膵臓の病気」に説得力がなく、現実味に乏しい設定になっています。

またタイトルのインパクトに対して、薄っぺらくあいまいな病気にしてしまっている理由については「タイトルを先に思いついて内容を後から考えたから」とも言われています。

(「心臓」や「脳」「肝臓」の方が余命宣告の真実味が増しますが「君の脳みそをたべたい」だと怖すぎますよねw)

桜良は原作では「余命一年」と書かれていますが、アニメでは「数年」と言われています。

しかし劇中ではとても元気にふるまう桜良。

海に行ったり、焼肉(ホルモン)を食べたり、旅行をしたり(飲酒もしています)、いつも元気で、とても余命数年には見えません。

そのため、たまにはさまれる「僕」と桜良の
「きみ、本当に死ぬの?」
「死ぬよ」

というやりとりも、とても薄く、嘘のように感じられます。

また「余命があるなら治療法を探した方が自然」「まだ若いのに積極的な治療をしないのはおかしい」というもっともな意見も。

医療従事者からの疑問も多く、「病気もの」のわりに「実在しない病気」としてリアリティのない描写にしてしまったため、ストーリーに入り込めず「つまらない」「面白くない」と言われてしまうようです。

結末がつまらない

ほとんどの視聴者が衝撃をうけたであろう、あのラスト。

やはり賛否両論のようです。

これだけ「難病」「不治の病」で引っ張っておきながら、桜良の死因はなんと「通り魔に刺される」。

…病気関係ないの?!

余命宣告を受けた少女が、主人公である「僕」と、不器用ながらも惹かれあっていく日々を描いて来たはずなのに、桜良の命はそれとはまったく関係ないところで奪われてしまいます。

「我々が今まで見てきた、積み上げてきたものはいったい何だったのか?」

視聴者を困惑させる突然の死。

また、同じように難病と闘っている患者さんに対する配慮やデリカシーにも欠けると、多くの人が批判しているようです。

伏線としては、冒頭のテレビ画面に通り魔のニュースが映っていること、福岡に旅行に来たシーンで通り魔のことを話している通行人がいるということなどきちんと張ってあるのですが、

「通り魔のニュースが不自然で伏せ切れていない」
「通り魔、富山(アニメ版の舞台)と福岡で移動してるの?」
「通り魔なんで捕まらないの?複数いるの?」

など、かえって視聴者の混乱をまねいているようです。

原作者が書きたかったのは「病気でなくても人の命は突然奪われることもある。だから今を大切に生きよう」ということだと思いますが、あまりにショッキングな亡くなり方に、

「通り魔で殺すならヒロインに重い病気を背負わせる必要がない」
「本筋(難病)からかけ離れた悲劇を書く必要がない」
「奇をてらいすぎて失敗している」

と大不評の嵐。

あまりにあっけない幕切れに「つまらない」「面白くない」と不満を持つ人が多いようです。

【君の膵臓がたべたい】アニメはここがありえない

主人公の立場がありえない

他者との深い関わりを避け、本を読むばかりの毎日を送る「僕」は、クラスでも浮いた存在です。

いじめこそ受けていないものの、ある意味「スクールカースト最下位」の主人公に「クラスの人気者で美少女」の桜良だけが興味を持ち話しかけたりデートに誘ったり…。

そんなわけあるか!!とツッコミたいのは、私だけではなかったようですw

ある日突然クラスの美少女が話しかけてきて、同じ委員会に入り、放課後にはお茶をし、二人っきりのお泊り旅行やお家デート、花火大会、そしてふたりだけの秘密(病気のこと)…。

ライトノベルや美少女ゲームの主人公にありがちですよね。

一応フォローすると、劇場アニメ版の「僕」は背が高くイケメンに描かれており(作中で「かっこいい」と言われている委員長と同じくらいの顔面偏差値に見えます)、桜良が声をかけるのもありえなくはない…という見た目です。

しかし現実では地味で暗い男子高校生(部活もしていない)に、クラスのカースト上位の女の子が話しかけたり付き合ったりすることはまずないため、「根暗な男性の妄想」「オタクの理想を詰め込んでいる」と批判もされているようです。

そして妄想を詰め込んでるわりに、高校生の青春描写としてはワンパターンでありきたりとも言われています。

ワンパターンであっても、「難病の美少女」が「自分だけに素顔を見せてくれる」という設定は、何度見ても良いものなのか、「感動する」「泣ける」というファンも多いようです。

また「ありきたり」と言われる展開も「ドラマチック」と感じる人もいるようで、賛否両論が大きく分かれる作品のようです。

膵臓の病気がありえない

原作者みずから「架空の病気」「非実在の病」と結論づけてしまった桜良の病気。

しかし視聴者的には「納得いかない」という人が多いようです。

ベストセラーとなった原作ですが、あまりに「膵臓疾患」を軽く扱っているとして、患者団体からクレームを入れられたという噂もあります。

架空の病気だとしても「膵臓」を悪くしている設定なのに、「食事制限は基本的にない」として焼肉やケーキを食べまくったり、お酒を飲んでべろべろになったり(これは未成年飲酒という面でもアウト)とかなりの無茶をする桜良。

「もう死ぬからヤケになっているのか?」と心配になってしまいます。

桜良の行動がありえない

長距離の旅行をしたり、海に行ったり病院を抜け出したりと病人とは思えない行動をとり、またいつも陽気でテンションの浮き沈みも激しく、「本当は死なないんじゃないか?」「壮大な詐病なのでは?」「別の病気?」とすら思えてくる桜良の行動も「ありえない」と言われているようです。

ほかにも「桜良の戒名」「主人公が桜良を好きになったところ」が「ありえない」という人も。

個人的にはふたりでホテルに泊ったり、彼女からキスを迫ったりしていながら「付き合っていない」「そういう関係じゃない」「私たちの関係は恋とかじゃないよね」と(遺書でまで)言いはる桜良が「ありえない!」

…最近の高校生ってこんな感じなんですか?

【君の膵臓をたべたい】ここが感動・面白い

もちろん「感動した!」「面白かった!」という人も多い作品です。

SNSの声をまとめてみました。

普段感動して泣くことがないという人の涙腺も崩壊させる『キミスイ』。

「今を大切に生きる」「人とちゃんと関わって生きる」というメッセージを受け取り、感動したという人も。

主人公「僕」の名前が、最後の最後に明かされる演出が良かったという人もいます。

桜良と関りのある「僕」の名前、良いですよね!

ラストの桜良の遺書の演出に「感動した」という声も。

重要なキーアイテムである「星の王子さま」を知っていると、より感動できる展開になっています。

アニメ映画だけでなく、原作や実写映画も「面白かった」と挙げている人が多いようです。

タイトルだけだとインパクトがありすぎて敬遠していたという人、「ホラーやサスペンスだと思っていた」という人も。

賛否両論が大きく分かれている作品ではありますが、ツッコミながら見てみると楽しいかもしれません。

まとめ

劇場版アニメにした「君の膵臓がたべたい」は、原作の小説が累計発行部数は260万部の大ヒット作品。

が、つまらない・ありえないという意見が多い。

つまらない理由は、物語の設定が薄い・浅い、現実味がなく嘘っぽい、結末がつまらないというもの。

ありえないという理由は、主人公の立場がありえない、膵臓の病気がありえない、桜良の行動がありえないというもの。

特にヒロインの膵臓の病気はリアリティがなく、一体何の病気なのか、どんな症状なのかわからなくて視聴者がモヤモヤしてしまう。

これは原作者がヒロインの病気を「架空の病気」としてしまったため。

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