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卒業式に第二ボタンをもらう由来は?意味と今時の事情も

おもしろ雑貨・雑学

3月といえば卒業シーズン。

出会いと別れの季節ですね!

卒業式に第二ボタンをあげたり貰ったりした、甘酸っぱい思い出がある人もいるのではないでしょうか?

ところでこの習慣、いったいいつから始まったかご存じですか?

その由来や今時の学生さんの第二ボタン事情も調べてみました!

卒業式に第二ボタンをもらう由来

調べたところ、いくつか説があるようです。

映画が由来

昭和35年(1960年)に公開された「予科練物語 紺碧の空遠く」という映画の中で、お互いに恋心を抱いた少年少女が登場。

しかし思いを伝える前に少年は特攻隊として戦地におもむくことになり、追いかけてきた少女に軍服の第二ボタンをひきちぎって渡しますが、その後出撃し亡くなります。

少年は18歳、少女は14歳という純愛でした。

その映画の公開後、影響を受けたのか卒業式という別れの時に女性に第二ボタンを贈るという習慣になったと言われています。

ちなみにこの映画の原作小説(「一号倶楽部」獅子文六)には、第二ボタンを渡すシーンはありません。

監督のオリジナルエピソードだそうですが、名場面になっています。

好きな人のハートをつかむ

第二ボタンは心臓(ハート)にいちばん近い場所にあるため、「好きな人のハートをつかむ」ためにあげたり貰ったりするようになったとも言われています。

いちばん大切な人になりたい思い

第二ボタンは「いちばん大切な人」を表していると言われるため、「この人にとっていちばん大切な人になりたい」という気持ちからあげたり貰ったりするようになったとも。

戦時中の習慣から

第二次世界大戦の終盤、日本はさまざまな物資が不足しており、戦地におもむく少年たちに軍服を支給することができなくなっていました。

そのため一部の少年たちは、軍服ではなく詰襟の制服のまま入隊したと言われています。

そして戦地に行けばもう二度と会えなくなるかもしれない。

そんな最後の旅立ちの時に、「自分の分身だと思ってください」と「形見」として第二ボタンを渡したそうです。

第二ボタンだった理由は、第一ボタンを渡してしまうと首元までボタンを留めることが出来ずだらしなく見えて上官から叱られるため、取っても目立たない第二ボタンにしたと言われています。

どれも恋する男女の切ない思いがあふれていますね。

戦時中のエピソードは泣けてしまいます。

ボタンに形見の意味があったなんて・・・。

この第二ボタンをあげる・もらう習慣は徐々に全国に広まり、1980年代になると流行歌で歌われるようにもなります。

柏原芳恵さんの「春なのに」♪記念にくださいボタンをひとつ~や、斉藤由貴さんの「卒業」♪制服の胸のボタンを下級生たちにねだられ~など大ヒット曲に使われたことでさらに有名になり、全国の学生さんたちの間で卒業式のイベントとして定着していきました。

戦争の悲劇の象徴である第二ボタンの意味が次第に薄れ、現代では甘酸っぱい青春の思い出とともに恋愛の1アイテムとして浸透していったようです。

卒業式に第二ボタンをもらう意味

第二ボタンは「いちばん大切な人」を表していると言われています。

通常「第二ボタン」とは「詰襟(つめえり)の制服の上から二番目のボタンのこと。

一般的に詰襟の制服には5つボタンがあります。

詰襟とは男子生徒の学生服であることが多く、通称「学ラン」と呼ばれています。

首元までボタンやホックで閉めて着用するタイプの学生服でおなじみですね。

ただ最近はこのタイプの学生服はあまり見かけなくなっている気もします。

普段はあまり気に留めないボタンですが、卒業式にやりとりする第二ボタンには重要な意味があるようです。

第二ボタンは「いちばん大切な人」を表していると言われています。

そこから、「いちばん大切なひとにあげるボタン」また心臓(ハート)にいちばん近い場所にあるボタンであることから「心(ハート)をあげる」という意味もあるようです。

「いちばん大切な人」というのは、この場合もちろん「好きな人」ですよね。

自分から「好きな人」に第二ボタンをあげる場合もあれば、自分のことを好きな子から「第二ボタンをください」と言われることも。

青春の甘酸っぱいやりとり、キュンとしますよね。

ほかのボタンにはこんな意味も

第一ボタン:自分
第二ボタン:いちばん大切な人
第三ボタン:友人
第四ボタン:家族
第五ボタン:他人

をそれぞれ表しているそうです。

「他人」まで表すボタンがあるんですね!

このボタンの意味は地域や世代によっても違いがあるようで、「第一ボタン:親友」「第四・第五ボタンは第二ボタンの予備」「第二ボタン以外は全部第二ボタンの予備」などいろいろな設定があるそうです。

自分の地域ではどんな意味があるのか、調べてみるのも面白いかもしれません。

今時の学生と第二ボタン事情

雑誌「CanCam」が2017年に高校生~大学生の10代に聞いたアンケートによると、「卒業式に第二ボタンをもらう習慣」は、

・ある「34%」
・聞いたことはあるけど実際はない「53%」
・聞いたこともない「13%」

となっています。

約7割の学生さんが「第二ボタンの習慣」は「ない」という結果。

びっくりですね!

2017年に20代前半だった人に聞いたところ「あった」ということなので、ここ2~3年で「ない」に変わって来たようです。

なぜなくなって来ているのか、推測では現在は学生服が学ランではなく、ブレザーの学校も多くなっているため、なぜ「第二ボタン」をあげる・貰うのか?と理由が分からなくなっている説が有力なようです。

確かにブレザーの制服では、第二ボタンはおへその方になる場合がありますよね。

心臓(ハート)に近い第二ボタンならロマンチックな意味もありますが、おへそやおなかではあまりキュンとしません。

また現代はLineやツイッターを始めとしたSNSが発達しています。

卒業がかならずしも「別れ」ではなく、スマホがあればいつでも連絡が取れるとなれば、卒業式があまり特別なものに感じなくなっている人も増えているのではないでしょうか?

もし好きな人から貰えるなら、今は第二ボタンよりLineをふるふるしてもらうほうがいいのかも・・・?

そんな現代の学生さんたちが「第二ボタン」の代わりにしているのが「ネクタイ」。

「本命の子にはネクタイをあげる」「そうでない子(義理?)や友達にはボタンや校章、名札、愛用していた文房具などをあげる」というかんじで使い分けているそうです。

またモテる男子は第二ボタンどころかカフスボタン、ネクタイ、カバンとあらゆるものを女子に強奪されることもあるそう。

モテすぎるのも辛いですねw

今時は「第二ボタン」をやりとりするという恋愛チックなものではなく、もう少しカジュアルな意味合いになっているのかもしれませんね。

「告白の手段」というよりも、友チョコのような同性同士の「友情」「絆」を確かめる風習にもなっていそうです。

恋愛が成就してもしなくても、「卒業しても忘れないよ」「ずっと友達でいようね」という青春の思い出として続いて行って欲しいですね。

余談ですが、私の妹はわりと強豪運動部(女子高)に入っていたのですが、人気のある(強い)先輩から卒業式に名前入り部ジャージをもらうのがステイタスになっていたそうです。

・・・汚くないよ!w

まとめ

卒業式に第二ボタンをもらう由来は諸説あるが、昭和35年(1960年)に公開された映画・好きな人のハートを掴むため・大切な人になりたいという思いから・戦時中の習慣などがあげられる。

卒業式に第二ボタンをもらう意味は、第二ボタンは「いちばん大切な人」を表していると言われていることから「心(ハート)をあげる」という意味があるといわれている。

現在はブレザーの制服も多くなっているため約7割の学生が「第二ボタンの習慣」は「ない」という結果が多い。

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