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犬鳴村わらべうたの歌詞は?ふたしちゃろの怖い意味や考察も

映画

2020年2月に公開された映画『犬鳴村』(いぬなきむら)

2021年1月には「村」シリーズとして『樹海村』の公開も控えています。

劇中に登場するわらべうたは犬鳴村の悲劇の象徴。

とても印象的に使われていますが、「意味が分かると怖い」「やばい」歌詞だと言われています。

わらべうたの歌詞の意味や、ネットの考察をまとめてみました!
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)

【犬鳴村】「ふたしちゃろ」わらべうたの歌詞

♪くさかろ わるかろ
こめこもできなきゃ ふたしちゃろ ふたしちゃろ
わんこがねぇやにふたしちゃろ
あかごはみずにながしちゃろ

♪さむかろ あつかろ
いねもできなきゃ ふたしちゃろ
わんこがねぇやにふたしちゃろ
あかごはみずにながしちゃ

♪いたかろ こわかろ
はなもさかなきゃ ふたしちゃろ
わんこがねぇやにふたしちゃろ
あかごはみずにながしちゃろ

劇中では精神に異常をきたした女性が口ずさむ、不気味な歌です。

繰り返される「ふたしちゃろ」が気になりますよね。

「赤子を水に(見ずに?)流しちゃろ」は逆にとても分かりやすく、水子のことかな?と思いますが・・・。

わらべうたが「実は怖い内容」というのはお約束ですね。

ちなみに作詞したのはこの作品の監督でもある清水崇さん。

おどろおどろしい内容にぴったり合う、うっすら怖い歌詞はさすがです。

この歌はiTunes、Applemusicで実際に聴けるようです。

気になる人は「ふたしちゃろ」で検索してみてくださいね。

【犬鳴村】わらべうたの怖い意味

かつての犬鳴村は痩せた土地で米など農作物がとれず、山犬を狩ってその肉を食べ、毛皮で日用品を作って生活していたという描写が出てきます。

また犬鳴村のモデルである『犬鳴トンネル』は、福岡県に実在する超有名心霊スポットです。

犬鳴村の舞台も福岡県のため、このわらべうたも「福岡弁」の可能性が高いと言われています。
(登場人物は全員標準語ですが・・・)

それをふまえて、漢字に直してみると

♪臭かろ 悪かろ
米こもできなきゃ 蓋しちゃろ 蓋しちゃろ
犬こが姉やに 蓋しちゃろ
赤子は見ずに流しちゃろ

♪寒かろ 暑かろ
稲もできなきゃ 蓋しちゃろ
犬こが姉やに 蓋しちゃろ
赤子は見ずに流しちゃろ

♪痛かろ 怖かろ
花も咲かなきゃ 蓋しちゃろ 蓋しちゃろ
犬こが姉やに 蓋しちゃろ
赤子は見ずに流しちゃろ

となります。

このわらべうた「ふたしちゃろ」は、「臭いものに蓋をする」と言われる通り、差別・迫害され、ひっそりと暮らして来た犬鳴村の人々が自分たちの生まれを自虐する歌と想定して作った、清水監督のオリジナルだそうです。

特に印象に残る「わんこがねぇやにふたしちゃろ」「みずにながしちゃろ」はネタバレに近い、かなりストレートな歌詞。

「ねぇや=姉(女)、寝屋」のダブルミーニングで「犬鳴村の女性は犬(畜生)と交わっている」ということを表し、「赤子は見ずに=水に」で堕胎のことを言っているそうです。

外の村とはあまり交流がなく、閉ざされた狭い村の中での婚姻が続き、近親婚の結果として弱い子供や異常をきたす子供が生まれるという状況を「犬との交わり」「見ずに流す」と表現しているのかもしれません。

監督は「自分たちの日常生活の苦しみや悲しみ、犬鳴村に生まれた境遇を呪う気持ちをあえて唄にして慰めあった」とも説明しています。

かつての犬鳴村ではやや明るめに歌われていたりもするので、本来は「いろいろ辛いけど頑張ろう!」的な唄だったのかもしれないですね。

この「犬と交わる」というのは「山犬を狩ったり、毛皮を使って日用品を作っていた」の婉曲表現かと思っていたのですが、清水監督の詳細な設定(劇中では明かされない)によると、主人公・森田奏の曾祖母である摩耶に秘密があるそうです。

摩耶は犬鳴村の長をつとめる一族の娘であり、巫女として神事を執り行っていたそう。

また女性は犬と交わり(?!)、犬の言葉を解したり操ることができ、霊能力を得ているとのこと。

つまりダムを作るための風評被害ではなく、「本当の話」だったんですね。

犬鳴村の呪われた血を受け継ぐ者は、クライマックスで登場する「犬人」(いぬびと)になってしまう運命にあるとも説明されており、物語のラストで奏に牙が生えたのは・・・。

悲しい血筋の産んだ悲劇というのはホラー映画でもたびたびテーマになっていますが、犬と交わるというのはかなりぶっ飛んでいますね^^;

現代では「動物虐待」と言われてしまいそうです。

【犬鳴村】わらべうたのネットの考察

・「悪魔の手毬唄」の「哀しみのバラード」に比べると、土着性が強いが、印象的且つ犬鳴村の哀しき過去を表すのに効果的に使われている。

古い血筋の悲劇といえば「犬神家の一族」が有名ですが、同じ横溝作品の「悪魔の手毬唄」でも物語を盛り上げるわらべうたが登場します。

こちらはわらべうた(鬼首村てまり歌)になぞらえて殺人事件が起こります。

「哀しみのバラード」は「悪魔の手毬唄」のメインテーマソングであり、物悲しくも美しいメロディが秀逸。

閉鎖的な村で起きる殺人とわらべうたが意味深という展開は同じ系譜ですが、犬鳴村は「呪われた血」の真相がさらにエグいかんじですね。

・これさ、部落に対する誹謗中傷が実は誹謗中傷じゃなくてストレートな真実でした、っていう、けっこうナイーブというか一歩間違えれば相当ヤバイこと言ってませんかねー。

「山犬を狩る」「毛皮を利用する」という設定が、結構ギリギリを攻めている気もしました。

「臭かろ 悪かろ」もかなりギリギリ?アウト?

西日本に多いと言われる部落問題ですが、それと心霊スポットを合わせてホラー映画にするというのはなかなか冒険ですよね。

監督がどこまで狙っていたのかは分かりませんが・・・。

ホラー映画ということで、かえってテイストが薄まったのかな?

・語られてない裏設定で狂犬病で全滅した村で、町から来た金持ち連中は村人目線だからゲスに見えるだけで、実は村の惨状を見かねてしゃーなしダムに沈めることにしたのではと、個人的には思ってる。

これも面白い考察ですね!

「ひぐらしのなく頃に」のような、村全体が病に侵されていたという発想もありだと思います。

そうするとますます悲劇性が高まってしまいますが、納得できる結末になりそうです。

村人全員で合唱しているのでしょうか?w

ホラーなラストでゾッとしたあと、エンドロールで笑わせてくれる、監督の粋なはからいですね!

これは是非最後まで見て確認したいポイントです。

まとめ

映画「犬鳴村」に登場するわらべうたの歌詞は、かなり不気味で怖いものになっている。

作詞したのは監督の清水崇さん。

歌詞の内容は物語の核心に迫るストレートなもの。

歌詞の「ねぇや」は、姉(女)・寝屋のダブルミーニングで「犬鳴村の女性は犬(畜生)と交わっている」ということを表し、赤子は見ずには「水に」で堕胎のことを言っている。

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