子どもたちの冒険を描いた数々の作品の中でも最高峰といわれる青春映画「スタンドバイミー」。
4人組のひとりクリスを演じたリヴァー・フェニックスは、そのたぐいまれな演技力と美少年ぷりで世界中の女性ファンをとりこにしました。
ところが残念なことに、彼は23歳という若さで急逝しています。
いったいどうして亡くなったのか?
原因や彼の経歴もまとめました。
(作品のネタバレを含んで作成しています。ご注意ください)
【スタンドバイミー】死亡した俳優の名前
リヴァー・フェニックス
来週はリバーフェニックス!!!(切り替え早い) pic.twitter.com/8My20LSdVN
— しい♡ (@Shii59_Donald69) May 21, 2021
死亡した原因は急性多重薬物中毒。
1993年10月31日、ロサンゼルスにあるクラブ『ヴァイパー・ルーム』でドラッグの過剰摂取のため呼吸困難におちいり、弟ホアキンと恋人のサマンサに抱きかかえられて外に出るもそこで倒れる。
救急搬送されたが心不全のため死亡。
フロリダ州で散骨されたためお墓はなく、ファンは最期の地である『ヴァイパー・ルーム』を訪れることが多い。
リヴァー・フェニックスは徹底した菜食主義(ヴィーガン)の食生活を守り、文明に毒されることを嫌った両親と幼い頃から精神的生活を送って来たこともあり、非常に潔癖でクリーンなイメージを持たれていました。
そんな彼が、こともあろうにドラッグ中毒で命を落とすという事件は、当時とてもセンセーショナルで、ニュースを耳にした女性ファンは悲しみと怒りで阿鼻叫喚だったようです。
リヴァー・フェニックスの経歴
幼少期
1970年8月23日生まれ。
オレゴン州マドラスにある粗末な小屋の中で生を受けました。
最初は「リヴァー・ジュード・ボトム」と名付けられています。
「リヴァー」はヘルマン・ヘッセの「ジッダルタ」に書かれている「命の川」から。
「ジュード」はビートルズの「ヘイ・ジュード」から。(ボトムは父親のジョンの姓から)
フェニックスという姓は、両親が入信したカルト宗教「神の子供たち」(チルドレン・オブ・ゴッド)から授かったバイブルネームであり、1979年に正式なファミリーネームとして改名しています。
リヴァーは少し変わった物の考え方や生活スタイルを貫いており、それは特異な生い立ちや幼少期の環境が影響していると考えられています。
彼の両親は既存の社会からドロップアウトしたヒッピーであり、アメリカ各地のコミューン(ヒッピーたちの共同生活の場)を転々とする生活を送っていたからです。
父親と母親はそのコミューンで出会い結婚、リヴァーを産みました。
しかしリヴァーが2歳になるころ、マリファナやLSDにどっぷりつかり独特の精神世界を広めようとするヒッピー生活から抜け出します。
そこまでは良かったのですが、今度はカルトな宗教団体に心酔。
コロラド州でフリー・セックスを奨励し、8000人以上の信者を獲得していた「神の子供たち」(チルドレン・オブ・ゴッド)に入信してしまいます。
数年後には父親が大司教職に任命されるという信心ぶりで、リヴァーたち一家は布教のためメキシコや南米など各地へ旅に出ます。
彼の演技力や音楽の才能が引き出されたのは、幼少期のこの経験が大きかったようです。
貧しい伝道の旅の中で、幼い妹レーンといっしょにストリートパフォーマンスをして稼いでいたとリヴァーは語っています。
「自分が楽しいことをして、それが人にも楽しんでもらえるという、パフォーマンスの素晴らしさを知ったんだ」
精神的な面では、両親(とくに父親ジョン)が生涯追い求めていた自由でナチュラルな精神的生活を、リヴァーも強く求めるようになります。
ある時期からリヴァー一家は、食べ物や飲み物はもちろん、石鹸やシャンプー、洋服など生活用品すべてに「動物性や化学物質を含まないもの」だけを使用する選択をします。
そんな暮らしを送る中で、リヴァーの意識も自然と菜食主義なものになっていきました。
「強者が弱者の命を奪って食べる」という食生活を拒否し、牛乳やはちみつ、卵も口にしなくなるのです。
また環境保護運動や動物愛護への意識も高くなっていきました。
しかしそんな自由と自然を愛する気持ちと、ハリウッドという商業主義の権化のような場所で働く現実とのギャップが、次第に苦しくなっていったのかもしれません。
青年期
やっぱり今見ても、イケメンな子供やな~リバーフェニックス
(*´∀`*)金曜ロードショー『スタンド・バイ・ミー』←ってか早すぎ(まだ月曜だで)←夏休みに放送されやす(い)?かったのにね✨ pic.twitter.com/ykw4nB8l94
— piyox2chan (@piyox2_chan) May 24, 2021
1980年、10歳の時にはじめてTV出演をしたリヴァー。
広告やテレビシリーズの仕事を経て、1985年『エクスプロラーズ』の科学少年役で映画デビューします。
この時の彼はややぽっちゃり目で、それほど話題にはなりませんでした。
しかし翌年1986年の『スタンドバイミー』で大ブレイク。
同じ1986年制作で日本で先行公開されていた『モスキート・コースト』で演じたハリソン・フォードの長男役ではみずみずしい演技と精悍さが加わったイケメンぶりもあいまって一気にファンが急増しました。
大スター・フォードに負けない存在感と演技は高い評価を受け、フォードからも「リヴァーは演技と言うより天性のカリスマ性と才能が備わった素晴らしい少年。素顔も素直で、愛さずにいられないね。ただ、あまりにも繊細すぎるから怖いぐらいだよ」と絶賛されています。
1988年には3本の映画が公開されています。
ハイスクールを卒業したばかりの17歳の少年ジミーの恋とセックスの騒動を描いた『ジミー/さよならのキスもしてくれない』、両親がソ連(現ロシア)のスパイであることを知って苦悩する17歳を演じた『リトル・ニキータ』、そしてFBIに手配されて逃亡生活を送る60年代の反戦活動家を両親に持つ少年を熱演した『旅立ちの時』。
この作品でリヴァーはアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、いちやく若手演技派のトップに躍り出ました。
栄光と苦悩
クリスを演じたリバー・フェニックスさんがこの映画から数年後に死んだの哀しい#スタンドバイミー pic.twitter.com/YELPrbXtu4
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) May 28, 2021
華やかで順調なキャリアを積んでいくリヴァーですが、一方でプライベートでは大きな悩みも抱えていました。
息子がスターになっていくこと=「文明社会に毒されていく」と考える父がアルコールに溺れはじめ、それを解決するために一家は人口600人ほどの小さな町に引っ越します。
そこでかつてのように自給自足を目指して、自然農法の生活を送るようになります。
リヴァーも仕事をするペースを落とし、念願だったバンド『アレカズ・アティック』を結成して音楽活動に専念しました。
しかし音楽の道に進むことで、ロックミュージックにつきものだったドラッグの洗礼も受けることになってしまったのです。
当時、リヴァーは両親や弟妹はもちろん、バンド仲間やその付き人、家庭教師、両親の友人たちなど同居人の生活の面倒も見ていました。
多くの人間をリヴァーがすべて養う状態は常識では考えられず、途方もないプレッシャーだったと思われます。
1992年のロバート・レッドフォード共演のメジャー作品『スニーカーズ』に出演したのは、家族と家族以外の同居人の生活を維持するために100万ドルというギャラが必要だったからとも言われています。
その大きすぎる義務や責任の重さが、彼の心を徐々にむしばんでいったのかもしれません。
リヴァーはついに恋人スザンヌといっしょに家を借り、一家からの独立を試みます。
しかし残念ながら、ドラッグからは逃げられなかったようです。
亡くなるまで
スタンドバイミーを見るとほんとにリバーフェニックスかっこよーって思う。 pic.twitter.com/lxlOaf5TGN
— (@mamimum_e) May 18, 2021
1990年『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』に脇役で出演したリヴァーは、キアヌ・リーヴスと友人となり、1991年の『マイ・プライベート・アイダホ』で再共演します。
アイドルスターとしてもてはやされるよりも、演技者としての道を究めたいと考えていたリヴァーは、この作品で「脱ハリウッド」ともいえる好演を見せました。
『マイ・プライベート・アイダホ』はヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞し、『スタンドバイミー』と並んで自身の代表作となります。
俳優仲間にも非常に評判の良い作品だったようです。
1992年『アメリカンレガシー』『愛と呼ばれるもの』のクランクイン。
『愛と呼ばれるもの』で共演したサマンサ・マシスとは恋人になります。
リヴァーはこの作品の中で自らギターを弾き、6曲を披露。
その才能の幅広さにも評価が高まりました。
映画と音楽を両立させる才能、仲間も恋人もいるプライベート。
これからも素晴らしい作品を見せてくれ、幸せな気持ちにさせてくれるだろうと誰もが思っていました。
しかし、『愛と呼ばれるもの』が公開されたわずか二か月後の1993年10月31日、リヴァー・フェニックスは帰らぬ人となります。
14歳から23歳までの9年間で遺したのは13本の映画。
短すぎる生涯でしたが、今でも世界中に多くのファンがいます。
「僕にプレゼントを買ってくれるお金と熱意を、これからは環境保護や動物愛護に使ってね」と優しくファンに伝えるピュアな心の持ち主でもありました。
彼の生き方や思い、そして作品の中で今も見ることができる姿は、これからもずっと人々の心に残り続けるでしょう。
まとめ
映画「スタンドバイミー」で死亡した俳優の名前はリバー・フェニックス。
スタンドバイミーではクリス役を演じた。
死亡した原因は急性多重薬物中毒。
リヴァー・フェニックスは徹底した菜食主義(ヴィーガン)の食生活を守り、非常に潔癖でクリーンなイメージを持たれていた。
そんな彼が、ドラッグ中毒で命を落とすという事件は、当時とてもセンセーショナルで、ニュースを耳にした女性ファンは大変なショックを受けた。
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